【インタビュー】HYDE、新曲「TAKING THEM DOWN」と刺激的で濃厚な10ヵ月間を語る「我々も反撃を」
■1年区切りとかはあまり意識していなくて
■楽しみながらやっていきたい
──HYDEさんソロとしてのBARKSインタビューは2022年7月以来ですので、約1年の軌跡もざっと振り返っていきたいと思います。エポックメイキングなこととしては、2022年11月11日に結成を発表したTHE LAST ROCKSTARSの怒涛の活動がありました。今、どう振り返っていらっしゃいますか?
HYDE:いやぁ、なかなか昨年末ぐらいから、ドキドキしていましたね。ある意味、ロックな人たちばっかりが集まっているので(笑)、なかなか上手くいかなくて。“ZOOMミーティングする時間すら合わない”みたいな。せめて自分でできることは事前に準備しておいて、なるべくスムーズに進行すればいいなと考えていましたね、ずっと。
──ライヴでは、SUGIZOさんのソロ曲にHYDEさんがメロディーを付けてヴァージョンアップさせた曲も存在感を放っていました。そういった楽曲アレンジ面でも貢献なさっていたんですよね?
HYDE:そういう作業自体は楽しかったんですけど、もうとにかく心配でならなかったから(笑)。ここまでぶち上げておいて、“しょぼっ!”となるのが一番怖いじゃないですか?
──日本を代表するロックスター4人が揃っているわけですから、それは避けたい。
HYDE:だからせめて、“僕ができることってこういうことかな”と思いながら、全力でやっていましたね。
──日本国内だけでなく、アメリカ公演も成功させました。「念願だったアメリカ進出に対して、パンデミックの影響で少しネガティヴになっていたけど、気持ちが変化した」とおっしゃってましたが、そういったポジティヴな面もある活動だったのではないでしょうか?
HYDE:それはもちろん、いい面はたくさんあって。それぞれがバンドのリーダーを張るような人たちで、すごい才能も経歴も持った人たちばかりなので、すごく刺激的でしたよ。その刺激は財産ですよね。それぞれ個性が強いが故に、年末の『紅白(NHK紅白歌合戦)』の楽屋で、“解散するんじゃないかな?”みたいなミーティングもありましたけど(笑)。
──えっ!? 『紅白』ということは、まだライヴもしていない段階ですよね?
HYDE:してないしてない。初ステージの前から、“え、これヤバいんちゃうかな⁈”という感じでしたからね。もうカオス過ぎて…ひとつひとつが濃いというか(笑)。でもYOSHIKIさんのパワーはすごくてね。自分でも言っていたように、“暴走するロケット”だから、コントロールできないというだけで。それを僕らがなんとかコントロールできたら、という感じでやっていましたけど。そういう姿を間近で見られることも、すごい財産ですね。
──YOSHIKIさんは、HYDEさんのエモーショナルな面を引き出す存在だったのかなとお見受けしましたが、いかがでしょうか?
HYDE:どうでしょうね? YOSHIKIさんは、歌のディレクションをする時にそういうことをよく言いますね。やっぱり根底にパンク精神があるみたいで、彼はやはりロックですよね。
──始動当初はたしか、期限を1年に区切って、集中して活動するというようなお話でしたけど、継続していく見通しなのでしょうか?
HYDE:1年では何も事を成せないということもあるんでね。もう少し長期で計画的にやる話がありました。
──「THE LAST ROCKSTARS (PARIS MIX)」というセルフタイトルシングルも配信リリースなさいましたが、今後も新たにオリジナル曲を作ったり、リリースしたりする予定も?
HYDE:そうなんですよ。そうしないといけないんで、水面下では動いてるんですけど、なかなか(笑)。
──HYDEさんが旗振り役になっているんでしょうか?
HYDE:いや、次の大きな山場に向けて、今はそれぞれが他の作業をやっている感じだと思いますよ(笑)。
──次なる動きを楽しみにしております。そして2022年末には、L'Arc-en-Cielの最新ライヴである東京ドーム公演(<30th L'Anniversary LIVE>/2022年5月開催)の映像とその舞台裏に迫るドキュメンタリー映像がAmazon Prime Videoで世界配信されました。このドキュメンタリーがインパクトの強い内容で、反響も大きかったと思いますが、HYDEさん自身はどう受け止めていらっしゃいますか? スタジオリハーサルの風景を観て、“ここまで映して大丈夫なんだ?”と驚きましたし、ドキドキしたのですが。
HYDE:僕もそう思いました(笑)。“え? みんなこんなところまで映像として出すのOKしたんだ?”みたいな。カットしそうなものなのにね。
──コミュニケーションのあり方が独特と言うか、非常に緊張感のある空気で。それを露わにした点がこれまでのドキュメント映像とは一線を画していました。何かしらの風穴が空いたというか、新しいフェイズに入ったのかなとも感じましたが、どうでしょうか?
HYDE:まぁ、新しいフェイズに入ったというのが一番正しいのかもしれないけど。どうなんでしょうね。結構リアルな雰囲気が出ていたと思いますけどね。
──生々しくはあったんですが、メンバーの皆さん四者四様、本番に向けて集中を高めていく様子はなかなか間近で観られないので、貴重だと思いました。
HYDE:何て言うんだろう。それぞれのやり方があって、それぞれを尊重していくと、やっぱりああいう雰囲気になるんじゃないですかね。それぞれ妥協しないで、もしくは妥協しているのかもしれないけど、それぞれが上手く潤滑させていくにはああいう方法に自然となっていった。あれは、ああなるべくしてなっているんですよね。この間、とある撮影でメンバー全員と久しぶりに会ったんですけど、東京ドーム以来だったな。
──じゃあ、約1年ぶりですね。
HYDE:そう、1年ぶり。もはや不思議では無いところがすごいな(笑)。
──HYDEさんにはL'Arc-en-Cielという母体バンドがあり、HYDEさん自身のソロもあり、THE LAST ROCKSTARSの活動もあり。人生のどのぐらいの時間をどの活動に割くのかを考えると…失礼なお話になるかもしれませんが、やはり20代の頃とは違って、厳選されていくことになると思うんです。
HYDE:そうですね。
──なので、“今はこれをする”とHYDEさん自身が覚悟して活動を選んでいらっしゃるんだなと感じながら、それぞれの活動を見ております。HYDEさんご自身には、そういう意識ってあるんでしょうか?
HYDE:もう、余生みたいなもんですね。“盆栽飽きたから、今日はゲートボール行く”みたいな(笑)。
──そんな、おじいちゃんじゃないんですから(笑)。
HYDE:でも、そんな感じじゃないですか(笑)? 今思ったんですけど、考えてみたら1年で区切ってないんですよ。1年で区切ると結構バタバタしないといけなくなってしまうので。“何年間アルバムが出てない”とか、YOSHIKIさんとかも言われていますけど、1年で換算してないですよね。“このアルバムにはこれぐらいの時間が掛かってるな”というぐらいのなんとなくな感覚で。時代のサイクル的には1〜2年で1枚のアルバムリリースでしょうけど、“もうそれを俺たちに求めないでくれよ”という話じゃないですか(笑)? なので、僕もあまり1年区切りとかは意識してなくて。今はもう“間に合わなかったら、じゃあ、また来年でいいんじゃない?”みたいな感じ。なんか、締め切りに追われて無理したくないんですよね(笑)。楽しみながらやっていきたいので。
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