【インタビュー】BREAKERZのAKIHIDE、9thアルバムに“いつかの未来”と音楽的新機軸「シティポップを僕らしく」

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■音楽って面白いなと改めて思いました
■まだ知らない作り方や楽しみ方がある

──インスト「Spy Summit」を挟んで、アコギを使用した「雪月花」には光が差し込んでくるイメージがあります。

AKIHIDE:この曲のイントロのアコギは、サンプル音源をそのまま使ったんですよ。最初は自分で演奏してみたんですけど、うまく雰囲気が出せなくて。だから、途中のワウギターは自分が弾いていますけど、僕の曲には珍しく前半は歌だけ。その歌は、おっしゃっていただいたように地下都市のマップに描かれているんですが、どんどん潜っていくと滑走路があって、外に脱出できるようになっているんです。つまり光ですよね。

──続く、脱出のエンディング曲「Escape」は、開放感に満ちてますもんね。

AKIHIDE:ダンサブルなナンバーですよね。コロナ禍になってからチル系の4つ打ちとサイドチェインの効いたベースが好きで、そういうトラックにギターを乗せました。エンディングでジェットが飛ぶ音が入っているんですけど、映画『スター・ウォーズ』みたいにスピーディな逃げ方にしたかったんです。当初アルバムは7曲で終わる予定だったんですが、またここから始まるような終わり方にしたかったので、「Escape」はそういったコンセプトありきの曲ですね。この曲が次の10枚目のアルバムに繋がっていくと思います。

──“To Be Continued”的な終わり方なんですね。では、ボーナストラック「Clapping in the Rain」のポジションというのは?

AKIHIDE:これは昨年リリースしたEP「BLACK UNICORN」のツアーで、お客さんにお願いしてハンドクラップとか足音を録音させてもらったことがあって、「その音を入れて音源を作る」と宣言したんですね。その後、クリスマスの配信ライブで「こういう曲ができました」ってプレゼントした曲で。そのときはベルの音を入れたクリスマスヴァージョンだったんですが、ちゃんとCDに入れたいなと思って今回、ボーナストラックとして「Clapping in the Rain」のベーシックヴァージョンを収録しました。会場に来てくれたみなさんのクラップ音が入っているという意味では、サンプリングを使って曲を作るという制作の始まりの曲でもあるんです。

──そうなんですね。地下都市の外に出てからの楽曲という捉え方もできますか?

AKIHIDE:結果、繋がったんですよね。“雨の中でも君の元に行く”という。


──今作を作ってみてAKIHIDEさんにとって、いちばんの発見は?

AKIHIDE:発見かどうかはわからないですけど、“音楽って面白いな”って改めて思いました。それなりの年数を重ねてきましたけど、まだまだ知らなかった音楽の作り方、楽しみ方があって、新しい自分が出せるんだなって。だから、今まで応援して下さった方にも“おっ! 新しい!”って楽しんでもらえると思うし、初めて聴く方も今の時代の流れも噛み砕いた上で共感していただけるところがあるんじゃないかな。自分自身もまだまだやれると思えたし、まだまだ一緒に楽しめますねって。

──まだまだ伸びしろがあると思った作品なんですね。

AKIHIDE:そうですね。思った以上に音楽って深いなって。

──それにしても2013年発表の1stアルバムに始まって、今回でアルバム9枚目って多作ですよね。

AKIHIDE:そう。BREAKERZのオリジナルアルバムのトータル枚数を超えちゃいました(笑)。もちろんバンドとは作り方の工程も違うんですけどね。何より作ることで僕自身が浄化されるんですよ。

──ある意味、趣味みたいなものというか。

AKIHIDE:もう、それでしかないと思うんですよね。だから、BREAKERZの15周年もそうですが、ホントにファンの方のおかげですよね。特にコロナ禍で厳しい状況が続いているので、より大切さを感じますね。

──久々のバンドスタイルでのツアー<AKIHIDE Premium Night Show 2022 -UNDER CITY POP MUSIC->が11月3日からスタートします。バンド形式となると楽曲はライブでどうなりそうですか?

AKIHIDE:素敵なミュージシャンたちと久々に音を出せるということだけで化学反応が起きると思うんですが、スペシャルゲストにリー・リトナーさん、山本恭司さん、春畑道哉さんを迎えた<Being Guitar Summit>がすごく刺激的だったんですよね。リー・リトナーさんとのセッションではその場で構成も変わっていくので、“これが音楽なんだな”って。ひとりで各地を廻っている<AKIHIDE「Angya」>でも即興を取り入れているんですが、4人で廻るツアーでも今まで以上にその時々のフィーリングを大事にして自由に演奏できたらいいなと思ってます。改めて、音楽ってプレイヤーともお客さんとも繋がれるコミュニケーション言語だと感じたし、それも含めて深いんですよね。

取材・文◎山本弘子

■9thアルバム『UNDER CITY POP MUSIC』

2022年10月26日(水)リリース


【初回限定盤 (2CD)】ZACL-9129~30 ¥5,500(税込)
▼CD収録曲
1. Elevator Song
2. UNDER CITY POP MUSIC
3. 電脳少女
4. 赤い鳥籠
5. サカサマの月
6. Spy Summit
7. 雪月花
8. Escape
▼特典CD
『UNDER CITY MIDNIGHT STREAM -432Hz-』収録曲
1. 00:00
2. 10:00
3. 20:00
4. 30:00
5. 40:00
6. 50:00


【通常盤 (1CD)】ZACL-9131 ¥3,300(税込)
※ボーナストラック「Clapping in the Rain」収録
▼CD収録曲
1. Elevator Song
2. UNDER CITY POP MUSIC
3. 電脳少女
4. 赤い鳥籠
5. サカサマの月
6. Spy Summit
7. 雪月花
8. Escape
※BONUS TRACK.
Clapping in the Rain(※通常盤のみ収録)

■<AKIHIDE Premium Night Show 2022 -UNDER CITY POP MUSIC->

11月3日(木・祝) 愛知・名古屋 SPADE BOX
11月5日(土) 東京・COTTON CLUB
11月6日(日) 東京・COTTON CLUB
11月9日(水) 大阪・Billboard Live OSAKA
▼サポートミュージシャン
Bass:砂山淳一
Perc:豊田稔
Key:小林岳五郎
http://akihide.com/special/under_city_pop_music/#live


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