【インタビュー】NCT、日本人メンバーSHOTAROが語る「自分を表現する上で絶対に必要不可欠なもの」
2020年、音楽番組『M COUNTDOWN』で初披露された「Make A Wish (Birthday Song)」には、キレキレのダンスで一躍世界から脚光を浴びた日本人メンバーがいた。当時電撃加入を果たしたSHOTARO(ショウタロウ)だ。現在、Instagramのフォロワー約510万人。難易度の高いパワフルなダンスをいともたやすくこなす滑らかな身体の動きは圧巻。卓越したパフォーマンスを見せながらも、普段は笑顔多めの好青年でもある。
◆SHOTARO (NCT) 画像
東方神起、SUPER JUNIR、BoAなどを所属事務所(SM ENTERTAINMENT)の先輩に持つNCTは、“ネオ・カルチャー・テクノロジー”の頭文字を名前にした多国籍メンバーが集う大所帯グループ。“開放”と“拡張”をテーマにNCTを本体として、NTC U、NCT 127など活動のグループ形態、人数等を固定しないという新しい概念でワールドワイドに活動している。
そのNCTのなかで爽やかな表情と穏やかな癒し系キャラとして人気を博しているSHOTAROが、いかにして世界を振り向かせる存在になったのか。彼の素顔と魅力を探るべく、少年時代から現在までの足跡と「ダンス=音楽」だという主義についてじっくりと話を訊いた。
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■これこそ自分がダンスをやる意味だ
■気持ちの高鳴りを感じたんです
──久々の帰国後、先日(2022年4月5日)はSUPER JUNIORのさいたまスーパーアリーナ公演を観覧されたことが、ご自身のInstagramやNCT日本オフィシャルTwitter等に投稿されていました。
SHOTARO:初めてSUPER JUNIORさんの日本公演を見させていただいたんですけど、中でもトークが素晴らしすぎました。通訳さんとの掛け合いもあってさらに面白くなるので、笑いが止まらなかったです(笑)。
──帰国中の様子はNCT日本オフィシャルTwitterにて、<SHOTARO in JAPAN>Memoriesというタイトルを付けて公開されていましたね。この取材も帰国中に行われているものですが、まずSHOTAROさんのプロフィールについてうかがわせてください。ダンスにはどうやって出会ったのですか?
SHOTARO:母が昔からダンスを見るのが好きだったので、その影響で5歳からダンススクールに通い出したことが最初の出会いですね。きっかけは母だったんですけど、やっていくうちに自分も楽しくなっていって。ダンスの沼にハマっていったという感じです。だから、幼稚園とか小学校の頃から、ずっと続けているのがダンスです。
──世代的には中学校の体育でダンスが必修科目になった時期ですよね。
SHOTARO:そうですね。中学の頃になりました。
──将来的にダンサーになろうと意識し始めたのは?
SHOTARO:ダンスに対して本気で取り組もうという気持ちになったのは、中学生の頃からです。いろんな要素はあるんですが、先ほどお話したスクールとは別に、僕にダンスのレッスンをしてくれた師匠がいまして。その師匠がライブに出演したり、アーティスト活動を通していろいろな場所で行っているのを見て、自分も将来は師匠みたいにダンスの道で生きていきたいと思ったんです。
──中学生時代ということは、友達と遊んだり部活に燃えたりということが楽しい時期ですよね。将来を意識するというのは周りの友達と比べて少し早かったんじゃないですか?
SHOTARO:確かにちょっと早かったかもしれないですね。でも、そのときからダンスのことしか頭になかったんですよ。他のこと……部活もスポーツとかやってたりはしていて。バスケをちょっとだけやっていたんですけど、やっぱりダンスが一番楽しかったんです。
──なにがSHOTARO少年をそこまで夢中にさせたんだと思います?
SHOTARO:中学の頃、初めてオーディションを受けて合格したんですね。お仕事としてダンスするという経験をして、そこで本格的な一歩を踏み出したというか。そのときはアーティストさんのサポートとして舞台に立ったんですけど、“これかもしれない! これこそ自分がダンスをやる意味だ”という気持ちの高鳴りを感じたんです。今思えば、それが本格的にダンスをやろうと思ったきっかけですね。
──いわゆる、自分の中での“はじまり”だったと。そこからダンスへの取り組み方に変化はありましたか?
SHOTARO:はい、熱量が変わりました。それまではたまに憂鬱になるときもあったんですよ。“あぁ〜、今日のレッスンどうしようかな”って。
──それこそ、レッスンを休んで友だちと遊びに行きたいなって思うことも少なくない年頃でしょうし。
SHOTARO:そうなんです。でも、それ以降は、自主的にレッスンへ通うようになりました。意識がガラッと変わりましたから。
──明確な目的とか目標を実感したことが大きかったんでしょうね。では、中学時代もいろいろなオーディションを受けたり?
SHOTARO:初舞台に立った後も、いくつかオーディションは受けて経験を積ませていただきました。なかでも高校生のとき、東京ドームの舞台に立った経験は、すごく大きかったと思います。数万人のお客さんが目の前にバーッと広がる光景が特に印象に残っていて。今でも忘れられない光景なんです。あんなに大きな会場で、あれほどたくさんのお客さんを目の前にすることって、普段は経験できないことだと思いますから。自分はそれまでも、いろんなチームでショーケースとかで踊ってきていたんですけど、東京ドームのステージから見た光景はやっぱり桁違いにすごかったです。
──具体的な未来像がイメージできたという意味で、次へのステップの到来ですね。
SHOTARO:そうかもしれないですね。ドームクラスでの経験をしてからは、“今度は自分自身のステージとしてここに立ちたい。アーティストとして活動していきたい”という気持ちになりました。表舞台に立って輝きたいという思いが、自分がアーティストになりたいという気持ちに変わっていったというか。
──ダンスを踊り続けたいという意識から、自己表現欲求が出てきたという。
SHOTARO:そのきっかけをより加速させたのが、NCT 127の公演を日本で観たことなんです。そのとき、K-POPアイドルという枠を超えたアーティスティックな世界観に感動して、“自分もこういうことをやりたい、ここに加わりたい”と思ったんです。
──そしてSMエンタテインメントのオーディションに合格して渡韓するわけですが、ここまでの経歴を振り返ると、確実にというかトントン拍子に階段を上ってきた印象があります。
SHOTARO:その過程には挫折もありましたけど、気持ちの面でレベルアップしていくことを身をもって感じられたことが大きかったですね。並行して、自分自身のダンスが成長しているという実感もあったというか。そのバランスを取ることができましたね。小さい頃からダンスを続けるなかでいろいろな現場を経験してきて、それらすべてを含めた経験が“SHOTARO=ダンス”みたいな意識として、自分のなかにだんだんと強く出来上がっていったんだと思います。今振り返って思ったことなので、当時は無意識でしたけどね(笑)。ダンスは常に心の中に自然とあるものになっていったので。それは、今も変わりません。
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