【レポ】瑛人の人生を大きく変えた「香水」、<NexTone Award 2022>Gold Medalを贈呈

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“次代を奏でる著作権エージェント”を掲げる著作権管理事業者NexToneが創設した<NexTone Award>。その2022年の受賞者が決定し、瑛人の「香水」が見事Gold Medalを獲得した。4月14日には、<NexTone Award 2022特別番組>がニコニコ生放送で同時生配信されたが、今回は、その配信現場の様子をお伝えしたい。


まずは、改めて<NexTone Award>について触れておくと、前年の1月から12月までを対象に、NexToneが著作権管理している楽曲の著作権使用料分配額上位3作品の著作者(および音楽出版社)を顕彰しようというもので、上位3作品にはそれぞれGold Medal、Silver Medal、Bronze Medalとして記念メダルが贈呈される。また、NexToneが手掛ける「デジタルコンテンツディストリビューション業務」や「キャスティング事業」における実績を含め、年間を通じて音楽業界内外において大きな話題を創出したプロジェクトやアーティストを顕彰する特別賞も用意されている。6回目となる今回は、Gold Medalに「香水」、Silver Medalに「うっせぇわ」、Bronze Medalに「猫」が、特別賞にはホロライブプロダクションが選出された。

さて、少々前置きが長くなったが、生配信番組は、Gold Medalの瑛人を招いてメダルを贈呈しようという趣向。というと、数多の受賞式のようなフォーマルなものを連想しがちだが、そういうわけではなく、瑛人のファンであり、「香水」のアカペラカバー動画が950万回再生を突破した四千頭身も交えて、受賞の喜びや「香水」に交わるエピソードをざっくばらんに語ってもらおうという、いわばトークバラエティーといった雰囲気の番組となった。


番組は、東京池袋にあるニコニコ生放送スタジオ「ハレスタ」から配信されたが、このスタジオは、道路に面してガラス張りとなっており、路上から自由に観覧できるのが大きな特徴。しかしながら、この日はあいにくの雨模様で、気温も4月にしてはかなり低めという悪条件だったため、配信スタート当初は、人影もまばら。加えて、スタジオの正面にはなぜかワゴン車が駐車されており、街行く人が気軽に覗いていくにはちょっとハードルが高い状況だった。

そんな中、番組はスタート。四千頭身とMCの星野卓也が待ち受けるスタジオに、瑛人が笑顔で登場すると、出演者たちの背後にある巨大なモニターに視聴者からの“8888~”(註:拍手音、パチパチの表現)のメッセージが流れ、瑛人を出迎えた。このあたりは、いかにもニコニコ生放送といったところか。「素直に嬉しいです」と彼が受賞の感想を述べると、四千頭身の都築拓紀が「金額で金メダルを決めるというのはかなり生々しいですよね」と笑わせ、スタジオは一気に和やかな雰囲気に。確かに、都築の言う通り生々しいものだが、逆にいえば、第三者の思惑などに左右されないリアルなアワードともいえるだろう。


ちなみに、「香水」は当初、きちんと著作権登録をしておらず、“著作権の管理人不在”状態だったのだそう。世間で話題になったことで、周囲のアドバイスもあり、慌てて手続きをしたそうだが、それを怠っていたら、今回の受賞もなかったかもしれない。また、「香水」は2020年を飾るヒットナンバーだが、なぜ今回の受賞になったかというと、著作権使用料が支払われるまでに早くて9カ月ほどタイムラグがあるからなのだそう。「ブレイクした2020年はすごく期待していたのに、振り込まれたのは3000円くらいだった(笑)」と瑛人も驚いたそうだ。

さて、ここで瑛人にGold Medalを贈呈……本来であれば、プレゼンターが彼の首にかけてあげるのが定石なのだろうが、ご時勢的にそれは難しいようで、瑛人自らメダルを手に取り首にかけた。すると再び、背後のモニターが“8888~”で埋まり、プレゼンターのかわりに視聴者がその栄誉を讃えてくれた。



続いて、NexToneの社屋ロビーに飾られるという手形鋳造プレートを制作へ。粘土状のプレートに、手を押し当てて型をとるのだが、これがなかなか難しいようで、手の形が意外とくっきりとプレートに残らない。四千頭身の3人からは「(手形が)薄い~」とヤジられてしまう。瑛人がもう一度、上から手を押し当ててもいいものか思案していると、スタジオの外に手形の制作スタッフが飛び出してきて、頭上に手で大きな丸を作り、アピール。スタッフは生配信中にスタジオに入っていくわけにもいかず、外の道路からサインを送ったようで、なんとも生配信らしい一幕だった。







ともかく、無事に手形もとれて、番組は瑛人のエピソードトークに。やはり、「香水」は彼の人生を大きく変えた1曲になったようで、「すべてが変わった」と実感を込めて話していたのが印象的だった。リリース当初はバイトをしながら音楽活動をしていたそうだが、そんな生活が一変。そして「ちゃんと(音楽を)頑張ろうと意識するようになった」と、音楽で生きていく決意を固めた楽曲でもあるようだ。

その後、四千頭身の「香水」カバー動画をみんなで見るなどしてさらなる盛り上がりをみせると、スタジオ前に停車していたワゴン車が移動。するとみるみるうちに人が集まり、かなりの人だかりに。スタジオ内の瑛人たちに手を振ったり、スタジオの様子をスマートフォンで撮影したりと、スタジオ外も盛り上がりをみせる中、いよいよ番組も佳境となり、瑛人のアコースティック・ライブへと突入した。


ギタリストが奏でる繊細なサウンドに乗せて、瑛人が「香水」を歌い出す。するとその声に引き寄せられるかのように、さらに多くの人が集まり出した。その伸びやかな歌声は実に魅惑的で、多くの人を惹きつけるのも納得と言えるものだった。さらに、「一番大切な人を思い浮かべて聴いてください」と前置きして、最新アルバム『1 OR 8』から「最愛」を披露。タイトル通り、最愛の人へ向けたストレートなラブソングをしっとりと歌い上げると、スタジオの外から見守るギャラリーからも拍手が巻き起こり、感動的なシーンが生まれて番組はエンディングを迎えた。


最後に、プレミアム会員向けのアフタートークで、もうひと盛り上がりした後、瑛人は「『香水』を作って良かったと、改めて思いました」と感想を残して、スタジオを去っていったが、その晴れ晴れとした笑顔がなんとも印象的だった。「香水」によって人生が大きく変化し、また、その大ヒットがプレッシャーになることもあったと思うが、自分は素晴らしい曲を作ったのだという実感が、今回の受賞によって改めて生まれたのではないだろうか。また、瑛人が「香水」を歌っているときに、モニターに「やっぱりいいね」というコメントが流れたが、まさにその通りで、聴いている側も「香水」という楽曲と、瑛人の歌の素晴らしさを再認識させられた生配信だった。





撮影◎野村雄治(★)
文◎竹内伸一

◆<NexTone Award 2022>受賞者一覧
◆<NexTone Award 2022>特別番組アーカイブ映像
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