【俺の楽器・私の愛機】710「47年前のジャパン・ビンテージ」

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【Fernandes FST-80】(神奈川 ロベルト 67歳)


学生時代、今をさかのぼること47年前、大学3年生だったかと、、、。バンドを組んでGt,Voをやっていた自分が欲しかったストラトキャスター。当時、大卒の初任給が8万円弱。アルバイトと仕送りを切りつめても20万円以上もするFenderは買えません。

当時、住んでいたのは西荻窪の安アパート。よくRhでお世話になってた三鷹楽器でおすすめされたFernandesのストラト。コピー商品全盛期にあってGrecoのEGシリーズ(レスポール)かFernandesのFSTシリーズが当時の最高峰だったような…。FSTシリーズの中でおすすめされたFST-80。この機種はちょっと特殊で当時のカタログにはカシュー仕上げのオールドタイプと書いてあります。ビンテージではなくオールドとね。

オールドタイプとはいえ、これを買った20年前(わたくしが生まれた年ですね)に本家ストラトがデビューですから、今から考えるとそんなに経ってないですね。このFernandes、もう47年前の物ですから、こちらの方が今や立派なビンテージと言えそうです。しかし、どこがオールドタイプなんでしょうかね(笑)しいて言えばカシュー仕上げの黄色めのカラー?、スモールヘッド?オールドストラトとは程遠い貼メイプルネックに(本家では60年代後半に登場)、弦ピッチ10mm(当時の日本オリジナル規格?)という仕様にボディはシルバーハート(たぶん)という木材。というスペックで、まったくのFernandesオリジナルモデルですね。

価格はもちろん機種番号通り8万円+1万円のハードケース(当時はハードケースがステータスでもありました。このロゴもいまではアウトですね)。これでも当時としてはべらぼうに高いハイエンドモデルでしたが、親の援助とバイト代と合わせて購入。友人の学祭などで活躍してました。

社会人になってバンド活動は当然中止、ついつい若気の至りで魔改造の日々。Wコイルのピックアップ、ブラスナットにブラスサドル、プリアンプ装着と、ついにはストラトのサウンドとはかけ離れたものになりつつ、自身も仕事に追われるようになったこともあり、お蔵入りに。

それから30数年、単身赴任をきっかけに夜の時間を持て余し再びギターを弾き始め(Aria proIIのセミアコを衝動買い)、さらに自分が子供の頃憧れていたモズライト(黒雲製作所のスーパーカスタム)を購入。セッションバーで日々遊んでました。

約2年の単身赴任が終わり、久々にFST-80と面会。あまりに魔改造されたストラトをみてとても残念な気持ちになり、とあるリペアショップに連絡。実機を見てもらいストラトのサウンドを取り戻したいと相談。ピックアップをフェンダーカスタムショップの54‘モデル、フレット打ち換え、サーキットをフェンダージャパンのパーツに。サドルをフェンダーのプレスサドルに交換。ただしFST-80の弦ピッチは10mmと狭いので、リペアマンにフェンダーの10.8mmサドルを10mmまで削って合わせていただきました。弦ピッチが10mmなのでピックアップのポールピースと弦の位置がずれてますが、そのあたりはご愛敬。出音にそんなに大きな影響はなさそうです。その後オリジナルのシャーラータイプのペグを自分でGotoのロックペグに、ストリングガイド、ボリュームノブを交換し今に至ってます。

ボディ、ネック、トレモロブリッジ&ブロックのみFernandesオリジナルですね。結果、もう一台買える金額を上回りました(笑)。音は言わずもがな、ビンテージストラトの鈴鳴り感(自己満足的な感想です)、乾ききった木材と一体となって枯れた音が絶妙です。

その後ギブソンレスポールスタンダード、同じくレスポールヒスコレ56‘、YAMAHA SGV300、FGN JOSが仲間に入りエレキギターだけで7本になってしまいましたが、このFST-80は今も現役バリバリの愛機としてライブで活躍しています。





   ◆   ◆   ◆

御年67歳にしてまだまだ現役、ギターも増え続けているというギター好き好き病を謳歌している鑑のようなお方。文面からもその内容からもパワフルでエネルギッシュな生き様が伺えます。そして完全に生まれ変わったFST-80も、非常にきれいで50年近くもの年月が経過したとは思えないコンディション。リペアショップでしっかりメンテすれば、こうやってギターは何十年も何百年も生き続けてくれるのだろうと思いました。ちなみにあの頃の「オールドタイプ」とは、スモールヘッド仕様を指していたと思います。貼りメイプル?3トーンサンバースト?みたいな細かい話はずっと後年になってから、ですものね。(JMN統括編集長 烏丸)

★皆さんの楽器を紹介させてください

「俺の楽器・私の愛機」コーナーでは、皆さんご自慢の楽器を募集しています。BARKS楽器人編集部までガンガンお寄せください。編集部のコメントとともにご紹介させていただきますので、以下の要素をお待ちしております。

(1)投稿タイトル
 (例)必死にバイトしてやっと買った憧れのジャガー
 (例)絵を書いたら世界一かわいくなったカリンバ
(2)楽器名(ブランド・モデル名)
 (例)トラヴィス・ビーン TB-1000
 (例)自作タンバリン 手作り3号
(3)お名前 所在 年齢
 (例)練習嫌いさん 静岡県 21歳
 (例)山田太郎さん 北区赤羽市 X歳
(4)説明・自慢トーク
 ※文章量問いません。エピソード/こだわり/自慢ポイントなど、何でも構いません。パッションあふれる投稿をお待ちしております。
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