【俺の楽器・私の愛機】1836「ワンピース」

【鼈甲製ホームベース型ピック】(北海道江別市在住 みず 55歳)

私の人生を大いに狂わせたリッチー・ブラックモアが遂に80歳!◯◯◯◯(私の名字)春のリッチー祭りもいよいよ終盤。過去に346、1725、1801でご紹介いただいたリッチーネタの最後のワンピースがこの度埋まりました。そのワンピースとは、昔に愛用した鼈甲のピックです。
生まれて初めてのピックが虹色のピック。リッチーに憧れて初めて買ったホームベースがヤマハのピック。その約2年後、遂に鼈甲のピックにたどり着きました。しかし1993年にワシントン条約によりタイマイの捕獲がダメになり、将来を見据えてナイロンに変えました。
その時に選んだのがSpeed Kingピック。しかしまもなく入手困難になりPICK BOY表記品に変えるも、またもや入手困難に.…以降20数年間ピック枯渇の恐怖に怯えつつ、残り少ないピックをチビるまて削って使用しておりました。
そんな先日、某フリマサイトで鼈甲ピックがまとめ売りされているのを発見!懐かしい「本亀甲」のシールはまさにあの頃の品。残っていた鼈甲ピックの封印を32年振りに解き、DPのライブ・イン・ジャパンを弾いたらめちゃめちゃ気持ち良くて…その光景を見ていた女房が「買えば!」の一言。かくして私は、一生困らない量の鼈甲ピックを手に入れました。
購入してからは、ナイロンに慣れた右手のリハビリの毎日。ナイロンに変えてから、鼈甲のアタックやとろけるトーンを得るために知らないうちに強くなっていたピッキング。リッチーが「ピッキングは軽やかでいい」って言ってた意味を噛みしめると同時に、あの「キューン」とも「シュー」ともつかないピックスクラッチを再び味わっております。
レスリー・ウエストのドスの効いた低音とハーモニクス、デイブ・ギルモアの儚げなクリーン、ポール・コゾフのバイト感、ゲイリー・ムーアのマシンガンピッキング、ジェイク・E・リーのからっとした感じと滑らかさ、ジェフ・ベックの「ブロウ・バイ・ブロウ」のトーン、「交響組曲 宇宙戦艦ヤマト」での木村好夫のクラシックギターの胴鳴りや杉本喜代志の箱鳴り、ストラトの鈴鳴り….そしてリッチーのトーン。すべて完結しました。ただひとつ、1971年の「Beet Club」での「ハイウェイ・スター」の「あーまーはーいうぇーすたー」の後の「ギャーンギャーン」ってガラスの割れる音だけは再現出来ておりませんが。
最後に、もったいなくて使えない3枚のピック。レインボーのDVDの特典、リッチーのサイン入り、高2の時に転校していった友人がお別れにくれたナイロン製。ピックひとつでも人生が振り返れます。



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子供の頃はべっ甲ピックって結構あったけど、今ではすっかりなくなりました。そしてホームベース型も流行りましたよね。というかリッチーが存在していなかったらこの形のピックは世になかった。スキャロップもね。リッチーは偉大すぎ。さて、「Beet Club」でのスタジオライブでしょ?ソロでアーミングしかしてないやつ(笑)。あのガラスを割ったような「ギャーンギャーン」ですが、あれはシングルコイルならではの十分にハイが含まれたトーンが、思いがけなくオーバーロードしてしまって大暴れしてしまったという音に聞こえます。まさしくオーバードライブして音が歪んでしまったというやつ。そう、これぞマーシャル、まさしくピュアなオーバードライブ。ギターからの出力が何もスポイルされることなくトレブルブーストして全帯域を過剰に増幅させると、ああいう音がすると思います。だから歪んでいるのに超クリーンなサウンドに聞こえますよね。強いて言うならEL34管が思いっきり泣き叫んだ音よね。リッチーの場合、KT88かもしれないけど。(BARKS 烏丸哲也)
★皆さんの楽器を紹介させてください
「俺の楽器・私の愛機」コーナーでは、皆さんご自慢の楽器を募集しています。BARKS楽器人編集部までガンガンお寄せください。編集部のコメントとともにご紹介させていただきますので、以下の要素をお待ちしております。
(1)投稿タイトル
(例)必死にバイトしてやっと買った憧れのジャガー
(例)絵を書いたら世界一かわいくなったカリンバ
(2)楽器名(ブランド・モデル名)
(例)トラヴィス・ビーン TB-1000
(例)自作タンバリン 手作り3号
(3)お名前 所在 年齢
(例)練習嫌いさん 静岡県 21歳
(例)山田太郎さん 北区赤羽市 X歳
(4)説明・自慢トーク
※文章量問いません。エピソード/こだわり/自慢ポイントなど、何でも構いません。パッションあふれる投稿をお待ちしております。
(5)写真
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