【インタビュー】WANDS、『名探偵コナン』主題歌にロックとバラードと踊れるリズム「寄り添いたかった」

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■一緒にやればやるほどスキルが見える
■過去にないものが生まれる可能性が

──通常盤に収録されている「Jumpin' Jack Boy [WANDS 第 5 期 ver.]」のオリジナル(1993年発表の7thシングル)は、ライブでみんな一緒にサビを歌う曲ですよね。

柴崎:そうですね。配信ライブで演奏したうちの1曲でもあります。この曲に関してはオリジナル曲のサウンドやアレンジに当時の時代性が強く反映されているので、カバーアレンジは迷いましたね。イントロのシンセのフレージングからして懐かしい感じなので。悩んだ結果、全然違うフレーズにしたことで、新たなバージョンになりました。

上原:イントロはガラリと変わりましたね。そこだけ聴いたら「Jumpin' Jack Boy」って気づかないぐらい(笑)。

柴崎:オリジナル曲のイメージがあるだけに、それを損なわないようにっていう部分では悩むよね。

──比較して聴かれる方もたくさんいらっしゃるだろうし。

上原:どっちが正解っていうことじゃないですしね。第5期の曲として現代アレンジに生まれ変わっているので楽しんでいただけたら嬉しいです。


──冒頭で“大人っぽい”というお話がありましたが、今作には同じ『名探偵コナン』のテーマ曲になった「真っ赤なLip」とは違う、瑞々しさとか生々しさを感じるんですよね。全体的に今回のシングルにはライブ感を感じたのですが。

柴崎:それは特に意識はしていなかったんですが、ライブの予定がなかっただけに、“ライブでやったら、どんな感じになるのかな?”っていうのはアレンジする段階でチラチラ想像していたかもしれないですね。ただ、トータルとしてそういうイメージがあって選曲したということはないです。

上原:カップリングは「次はどの曲をカバーする?」みたいな感覚で決めているので、たまたま結果としてライブ映えする曲が揃ったんだと思います。

──なるほど。柴崎さんと上原さんの付き合いも長くなってきましたよね。第5期WANDSの始動発表から2年が経とうとしています。当初のインタビューで上原さんは「プレッシャーに押しつぶされそうになっていた」と発言されていましたけれど。

上原:振り返れば、プレッシャーは今の10倍ぐらいありました(笑)。



──バディとしてお互いに信頼しているところもより明確になってきたのではないかと。

上原:僕からしたら信頼しかないですよ。まず活動歴からして全然違いますし、柴崎さんは若い頃からとんでもないギターテクニックを持っている上に、めちゃくちゃ顔がいい。えげつないですよ(笑)。

柴崎:はははは。上原に言われるとは思わなかった。

上原:いやいや。ホントにカッコいい。そういう方が長い年月、活躍されていて、もう尊敬しかないです。

柴崎:めっそうもない(笑)。僕は最初からタダモノじゃない何かを持っていると感じていましたね、上原には。この有り余る才能をどれぐらいWANDSに注いでくれるのかなって。

上原:ははは。

柴崎:例えば僕と同じ世代の顔ぶれで第5期WANDSを始めたら、今とは全然違うWANDSになっていたと思うんです。上原がこれまでの人生で培った感覚をいちばんいいポイントにフィードバックしてくれる。そのバランス感覚が素晴らしいんですよね。「YURA YURA」のメロディにしても、そういうことなんですよね。ボーカリストとしても多彩だし、一緒にやればやるほどスキルが見えてきた感じですね。


──では、お互いに“違うからこそ面白い”と思っている点は?

柴崎:今の話と通じるんですが、世代が違うからいいのかなと思うんですよね。例えば、僕がヴァン・ヘイレンのテイストを入れた曲を作ったとしても、上原に「デイヴィッド・リー・ロスみたいに歌って」とは絶対に言わないんです。“この音の感じはハードロックだから、歌はこういうフェイクを入れるでしょ?”って思ってたところで、世代が違うからそうはならない。それがいいんです。過去にないものが生まれる可能性があるのが楽しいんです。

──性格も違いそうですしね。

上原:僕はやかましい性格なんですよ。

──しゃべり好きということでしょうか?

上原:しゃべりもそうなんですが、内面的にもやかましい(笑)。言動も行動も落ち着きがないです。柴崎さんはめちゃくちゃ落ち着いていますね。

柴崎:バンド内の立ち位置って、木村くんがいないだけでも変わってくるんですよね。必要に迫られてやっていますけど、リーダーシップとか苦手なんです(笑)。ホントはヘラヘラしていたいんです。

上原:わはははは。

──では、柴崎さんをたまにはヘラヘラさせてあげてください。

上原:俺にできることは何もないですよ(笑)。

──ははは。では最後に、今後の活動について今、考えていることはありますか?

上原:今は、制作メインですね。9月に開催予定だったツアーは、僕のコロナ感染のために中止になってしまって、ご迷惑をお掛けしましたが、中止になったツアーはまたどこかで必ず。

柴崎:曲を作りつつ、早くまたステージに立てるように頑張りたいと思っています。

取材•文◎山本弘子
撮影◎TOYO

■19thシングル「YURA YURA」

2021年11月3日(水)リリース
【名探偵コナン盤】GZCD-7011 ¥1,210(税込)
1. YURA YURA
2. MILLION MILES AWAY [WANDS 第5期 ver.]
3. YURA YURA [TV-SIZE ver.]
※描き下ろしアニメ絵柄ジャケット(新一と蘭が肩寄せ合うイラストほか名シーンの数々)

【通常盤】GZCD-7012 ¥1,100(税込)
1. YURA YURA
2. Jumpin’ Jack Boy [WANDS 第5期 ver.]
※初回プレス分のみ:「YURA YURA」MVメイキング映像が見られるSPECIAL MOVIE視聴用シリアルナンバー入り

「YURA YURA」
 作詞:上原大史 作曲・編曲:柴崎浩
 ※読売テレビ・日本テレビ系全国ネット毎週土曜よる6:00放送『名探偵コナン』オープニングテーマ
「MILLION MILES AWAY [WANDS 第5期 ver.]」
 作詞:上杉昇 作曲:木村真也 編曲:柴崎浩
「Jumpin’ Jack Boy [WANDS 第5期 ver.]」
 作詞:上杉昇 作曲:栗林誠一郎 編曲:柴崎浩


▲名探偵コナン盤 (c)青山剛昌/小学館・読売テレビ・TMS 1996


▲通常盤



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