【インタビュー】新浜レオン、両A面シングルに二面性「演歌・歌謡曲の伝統を受け継ぎながら、その枠を超えて」
新浜レオンがデビュー3年目の5月12日、自身3枚目のシングル「ダメ ダメ…」「さよならを決めたのなら」をリリースする。自身初の両A面シングルにはタイプの異なる新曲2曲を収録。ダンサブルなサウンドが疾走する「ダメ ダメ…」では演歌・歌謡曲のセオリーとは違った新たな歌唱法に挑戦した。一方、しっとり聴かせる大人のバラードナンバー「さよならを決めたのなら」のレコーディングでは原点を見つめ直す機会があったという。曲調はもちろん、楽曲に向かう姿勢も振り幅広い2曲の完成だ。
◆新浜レオン 画像 / 動画
前作以来、約1年ぶりとなるインタビューでは、コロナ禍の新展開、“演歌第7世代”としての躍進、新曲レコーディング、演技初挑戦となったミュージックビデオの撮影秘話、地元・千葉テレビとのコラボの数々などについてじっくりと語ってもらった。現在、五木ひろしや藤あや子をはじめとする演歌界の大御所からも可愛がられている新浜レオンだが、その成長ぶりがはっきりと感じ取れるトークとなった。
◆ ◆ ◆
■ギリギリのところで歌うことで生まれる
■切なさや華やかさを大事にしたかった
──2020年7月の2ndシングル「君を求めて」リリースから1年弱、2020年はコロナ禍での活動となりましたが、振り返っていかがですか?
新浜:2019年末の『第61回 輝く!日本レコード大賞』で新人賞をいただいて、これからだ!という、まさにその時に新型コロナウイルスが感染拡大しはじめてしまったんですね。最初はもう、不安と悔しさから“どうしたらいいんだろう?”っていう気持ちでいっぱいでした。でも、応援してくださるみなさんからSNSやファンクラブ、お手紙などを通じて、たくさんのメッセージをいただいて。僕はもともと“みなさんに夢や希望を届けたい”という思いを抱いてデビューしたはずなのに、逆に、僕がみなさんから支えてもらっている状況だということを実感したんです。もちろんありがたいと思ったんですけど、“いや、僕自身はこのままではダメだ”と。直接会うことはできないけど、今できる100%のことを実行しようと思い、たとえば無観客配信ライブとか、今までやってこなかった新たなツールにも挑戦することができた。BARKSさんに初めてインタビューしていただいてからのこの1年は、そんな気持ちだったかなと思います。
▲新浜レオン |
新浜:嬉しいですね。ビーイングでデビューできたっていうことも含めて、“演歌・歌謡曲初!”みたいな、枠にとらわれない活動をしていきたいっていう思いがとても強くて。当然、演歌・歌謡曲の伝統を何よりも大切にしながら。もともと僕が演歌・歌謡曲でデビューしたいと思ったのも、大学生の時の『ミスター大東コンテスト』で、学生たちの前で歌った「青春時代」(森田公一とトップギャラン)のカバーがウケてグランプリをいただいたことがきっかけですから。同世代やもっと下の世代、さらに言えば世界に日本の伝統文化のひとつである演歌・歌謡曲を発信するための架け橋になりたいと思っているんです。
──“演歌第7世代”という注目のされ方は、新浜さんにとって心強い追い風ですね。
新浜:日本テレビの情報番組『スッキリ』に出演させていただいたことをきっかけに、TBSテレビの『新・情報7daysニュースキャスター』でも“演歌第7世代”の1人として出演させてもらったり、他の番組やイベントでも若手のみなさんとご一緒させてもらう機会が一気に増えて、本当にありがたいです。ただ、一緒に出演させていただく方々は、もともと演歌を勉強されてきているので、こぶしの使い方とか、そもそも歌が本当に上手いんですね。その中で、僕の色をどう出していくかっていうことは、いつも意識しています。
──どうやって他の方々との違いを出していこうと?
新浜:やっぱり、ずっと続けてきた野球で培ったものというのが根底にあります。それに加えて具体的に言うと、憧れの西城秀樹さんのあの歌とパフォーマンスですよね。西城さんのライブパフォーマンスって、めちゃくちゃ派手なのに歌が全然ブレない。それに色気があるんです。僕は今、そういったところを目指したいと思ってます。それで今回の新曲にも、振り付けをバッチリつけていただいたんですよ。
▲新浜レオン |
新浜:デビューシングル「離さない 離さない」、2ndシングル「君を求めて」と、アップテンポな楽曲をリリースさせていただいたんですね。今回の「ダメ ダメ…」はとてもダンサブルで華やかな曲で、一方の「さよならを決めたのなら」はあまり歌ったことがないバラードなんです。最初は両A面という形ではなかったんですけど、いろんな候補曲がある中で最後の最後までこの2曲はどっちも落とせないっていうことで残って。僕のデビューからの2年間の成長を見てもらえたらと思いまして、タイプの異なる楽曲を両A面という形でリリースすることになりました。
──「ダメ ダメ…」は“♪ダメダメだ ダメダメだ ダメダメダメだ”というフレーズがずっと耳に残るほどインパクトがあったり、シンセサイザーやエレキギターのキラキラしたサウンドも印象的です。
新浜:歌詞もメロディもつく前に、まずオケだけを聴かせていただいたんですけど、そのサウンドだけで“これはすごい!”って一目惚れしたみたいな感じでした。馬飼野康二先生と鎌田俊哉先生の作曲にプラスして、船山基紀先生のアレンジで煌びやかなサウンドに仕上がってます。レコーディングではまず最初に「ビブラートをなくそう」っていうアドバイスをいただいたんですね。今回は演歌・歌謡というよりも、ポップス寄りの歌唱指導を受けました。
──歌い方の面で新たな挑戦があったんですね。
新浜:最初は大好きな演歌調で、こぶしとか大きなビブラートをこれでもか!くらいにつけて歌おうとしていたんですけど、小さなビブラードにすることで、よりストレートな表現になっていると思います。
──だから、歌声が突き抜けるように響いているんでしょうか?
新浜:キーもギリギリの高さで歌っているんですよ。半音下げたらラクに歌えるのかもしれないですけど、ギリギリのところで歌うことで生まれる切なさや、華やかさを大事にしたかったんです。というのも、尊敬する野口五郎さんから「レオン君には、常にギリギリで勝負してほしい」というアドバイスいただいたことがあって。その大切な言葉が僕の脳裏に焼き付いているので、常に挑戦する意味も込めて高いキーで歌いました。
▲新浜レオン |
新浜:歌詞は10数パターンくらいある中から、最終的に山崎あおいさんに作詞していただいたものに決まりました。冒頭の“♪愛さないで… 愛さないで…”っていう歌詞に、“え、愛さないんだ!?”っていう驚きがありますよね。僕自身、そこにすごく引き込まれました。それにメロディーと合わさったときのインパクトがすごい。現代はWEB動画広告6秒時代って言われているじゃないですか。その中でやっぱり、“♪ダメダメだ ダメダメだ ダメダメダメだ”のところは肝となって耳に残るなと。
──これまでなかったような艶っぽい歌詞も魅力です。
新浜:“♪不器用で過激な 口づけさ”とか“引き裂かれるほど 求めてく”とか、野球しか知らない自分には、まだ少し早い歌詞なのかなとは思ったんですけど(笑)。レコーディングの時、ディレクターの方に「ここはセクシーに歌ったほうがいいですよね?」って聞いたら、「レオンは、その爽やかさのまま歌えばいい。それがイヤらしさを感じさせないから、逆にいい」と。ですから、もうありのままの自分で歌いましたね。
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