【インタビュー】HOSHIMI RIKA「私は過去も、良くも悪くも隠さないですし、誰も挑戦しなかった表現を形にしたい」
元ポルノスターの星美りか。彼女はなぜ音楽アーティストに転身したのだろう? HOSHIMI RIKAとして第二の人生を歩んだ彼女のデビュー作「Digital Tatoo」を手に取ったときの率直の感想はそれだった。だが、その楽曲を耳にしたとき、その理由が少し分かった気がする。一度撮られたアダルト作品は、インターネットの海からその画像や動画を完全に消去できない。その葛藤や想いをストレートな言葉と、ときに卑猥なワードで感情に乗せて吐き出す。これは彼女だからこそできる独自の表現だ。そんなHOSHIMI RIKAが、自身の体験談をもとに綴った「ポルノハブ」「キラキラきんたま金曜日」「ゆめゆめゆめ」の3作品を連続で発表した。元ポルノスターという経歴を持つ彼女がなぜアーティストに転身することにしたのか? その心境の変化と作品について話を訊いた。
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■ゴミだって見方を変えれば
■アートになるんだから
──AV女優からアーティストへ転身されました。率直の質問なんですが、何がきっかけで音楽を始めたのですか?
HOSHIMI RIKA(以下、RIKA) 子どものとき、歌手になりたかったんです。オーディションとか片っ端から受けてたけど良いところまで行ってダメだったりして、歌うのが怖くなったりしました。それで、一旦音楽の夢から離れて……。それでグラビアやAVの仕事を始めて、それを辞めたときに精神的にリセットされて、もう一度、音楽をやろう!って楽曲制作するようになったんです。最初はEDM系を作っていて気付いたらトラップ系ばっかになっていきました。それで、自分の作ったトラックにラップをのせたらどんな感じなんだろって? それが、また歌を歌うきっかけになりました。
──その時、どんな歌詞を歌いたいと思ったのですか?
RIKA 正統派の美しい歌は自分には歌えないから、自分がこのカラダで生きてきた景色を良くも悪くも飾らない言葉で表現したいと思った。ゴミだって見方を変えればアートになるんだから。
──全作品ご自身で作詞作曲されてるんですよね?
RIKA はい。「Digital Tatoo」は、もうリリックとかも何をどうしたらいいのか分からず書いていました。だから思ってることをそのまま書いた素直な気持ちです。頭の中に浮かんだ言葉を並べたり、こうなったら良いなってことを書きました。
──言葉遊びが、時に卑猥なワードに聞こえるんですが(笑)。
RIKA ムラムラしてる人はそう聞こえちゃうんですよ(笑)。そういう人は、オナニーした方が良い。
──歌詞だけではなく、MVもとても刺激的でした。
RIKA 杉浦哲平さんという監督がいて、彼が撮った他のアーティストのMVの世界観が良かったので、直接DMを送って依頼しました。「Digital Tatoo」のMVの仕上がりが過激すぎて自分のアーティストデビューにピッタリだと思いました! だって、うちみたいなルーツじゃないとできないでしょ(笑)?
■たくさん曲を作って
■もっともっと自分に挑みたい
──セカンドシングル「ポルノハブ」は、アダルト動画を違法で無料で見られている女性側の視点というかなりレアな歌詞でした。
RIKA あの曲は、自分の頭のなかにあるポルノハブの舞台の開演をイメージして作りました。寂しくなったら人のSEX見て自分を慰めてるじゃないですか。それなのに、そう言うポルノアクターをどこかで見下してる人っていると思うんですけど、日常生活の中で誰かを見下すのが癖になってる人とか、もう人生どうでも良くなって究極の極地に立たされて、誰か人を殺してやろうとかそう言う気持ちになってる人も、アダルト動画を見てスッキリしてやっぱり犯罪はやめようとか。こう言う動画があることによって少しは関係あると思う。たかがポルノされどポルノだぜってことを伝えたかった。
──感情的な部分もありますよね?
RIKA 綺麗事は言えないので、自分も正直無料動画覗いたりすることはありますよ。そこで観る側の自分と、画面の中の見られる側のこれからあんなことする自分が対面したとき、いい気持ちじゃなかった。リリックを書いてるときって全然冷静じゃなくて、悲しいときとか怒りの感情になってるときに書いてることが多くて、友達に“お前は売春婦みたいなことやって、それしかできねぇのか?”みたいなこと言われて、だから「ポルノハブ」を書いてるときは完全に怒りの感情だった。
──その一方で、「キラキラきんたま金曜日」は、明るい曲調ですね。
RIKA もともと自分の歌声をレコーディングするきっかけになったのは、ツチヤチカらさんとのフィーチャリングだったんです。そこから自分で「キラキラきんたま金曜日」の歌詞をのりで作ったのがきっかけです。
── MVも自作なんですよね?
RIKA 昨年のステイホーム中に、狭い1Kの自分の部屋でiPhoneで部屋の隅だったり玄関やキッチンだったり、とりあえず背景変えなきゃって思って、試行錯誤してセルフィーで撮りました(笑)。いま見ると超恥ずかしい。
──AV女優を辞めて表現者として生きる今をどう考えてますか?
RIKA うちネットに自分のsexしてる動画も出てるし、もう怖いことなんてないですよ。イロモノだと思われるのも承知です。私は過去も良くも悪くも隠さないですし、誰も挑戦しなかった表現を形にしたいです。たくさん曲を作って、もっともっと自分に挑みたい! それでアルバムを出して、ライブもやって、いつかは世界に行きたい!
──最後にファンにメッセージをお願いいたします。
RIKA 嫌われるならとことん嫌われたいし、好かれるならとことん好きでいてね。
<作品情報>
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music video:
https://www.youtube.com/watch?v=4G-GABlAOds
「キラキラきんたま金曜日」
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music video:
https://www.youtube.com/watch?v=KSXqu5_NoQo
「ゆめゆめゆめ」
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