【インタビュー】柴崎浩 [WANDS]、『BURN THE SECRET』ギターサウンドを語る「さらに多面的に」

■常に変化しながら存在していたから
■WANDSがもし続いていたら

──面白いです。今回のギタープレイ／サウンド／アレンジで、印象的だったことや苦労したポイントはありますか？

柴崎：僕が抜けた後の第3期WANDSの曲……特に当時のメンバーの杉元さんが弾いたギターソロをどうするか、だから上原と同じ立場ですよね。コピーしてみて“あ、このフレーズ、カッコいいなあ”と思ってそのまま弾いてみたり、“ここは自分らしくアレンジしてみようかな”とか。第3期の曲をやるのは初めてだったんですけど、やっぱりカッコいいギターソロが入ってました。あと、アルバムの最後の曲「アイリメンバーU」のイントロとかのフレーズと音色はうまくいったかなって思ってます。

──すごくシンプルなフレーズだけに、音色ひとつで印象が大きく変わりそうですよね。

柴崎：そうなんですよ。ギター次第みたいなところだから。それがいい色合いにできました。

──2020年の新曲ですけど、初期WANDSと混ざっても違和感がないですね。「Burning Free」などは最近のJ-POPバンドっぽさもあり初期WANDSには絶対にないテイストなんですけど、流れで聴くとWANDSとして違和感なく、1990年代にプレイしていてもおかしくない感じがする。これが不思議なギャップで。

柴崎：ああ、でもすごくわかります。確かにああいうテンポ感の曲は過去にはないんだけれど、WANDSも常に変化しながら存在していたから、もし続いていたらこういう曲をやったかもしれない。

──上原さんが歌う「Secret Night 〜It's My Treat～」も絶品でした。上杉昇じゃないと歌えない難曲だと思っていたので、感銘を受けました。

柴崎：冷たい肌触りの曲ですよね。プロデューサーの長戸大幸さんが上原をWANDSのボーカルとして推したのもわかるというか、過去のファンも魅了することができるポテンシャルが見えていた感じがします。

──気の早い話ですけど、早速次の新作も待ち遠しくて（笑）。

柴崎：これからWANDSはさらに多面的になっていけると思いますよ。

──WANDSには、ドナルド・フェイゲンのようなスタジオリファレンスになる作品を作ってほしいって勝手に思っています。

柴崎：あー、なるほど。いいっすね。各楽器がいい音してて、少ない楽器で、ということですよね。隙間のあるサウンドってWANDSにはないですよね。不安になって音を足しちゃいがちだから、その辺は葛藤ですけどね。

──これからの躍進を楽しみにしています。ありがとうございました。

取材・文◎烏丸哲也 (JMN統括編集長)
撮影◎野村雄治 (機材)







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