【ライブレポート】<a-nation online 2020>Blue Stage、浜崎あゆみ、倖田來未ら16組が心をジャック
8月29日、<a-nation>が、今年は5つのステージによる出演者総勢100組を超える一大オンラインフェス<a-nation online 2020>となって開催された。
◆Blue Stage ライブ画像(51枚)
Blue Stageには話題のニューフェイス・安斉かれんから、avexが誇るディーバの倖田來未と浜崎あゆみまで、今回最多の16アーティストがラインナップし、約6時間半もの間、次から次へと渾身のパフォーマンスを見せつけた。
■大塚紗英
Blue Stageは2月デビューのニューカマーから。寝転がり絞り出すように歌う「ぬか漬け」も、テレビアニメ主題歌に起用された「What's your Identity?」も、声優でもある彼女らしく表現力豊かでパワフル。初見の人もグングン引き込まれたに違いない。
■GENIC
オーディションを勝ち抜いた期待の7人組は「SUN COMES UP」など3曲を披露。キレもしなやかさもあるアクトは緊張感を程よく漂わせつつも、“avexのDNAを継承する”という自身の枕詞に恥じない堂々たるステージだった。
■豆柴の大群
今話題の5人は10月発表のメジャーデビュー曲「サマバリ」をいち早くお届け。どこかエキゾチックなナンバーは威勢のいい合いの手が生むお祭りムードもあり、メンバーと一緒に家で飛び跳ねたファンも多かったはず。
■EMPiRE
彼女たちらしくボルテージを急上昇させる挑発的な曲とダンスを軸に攻め、「Buttocks beat! beat!」ではどこかから観客の“お尻ペンペン”コールが聞こえてくるよう。そんななか中盤の「I don't cry anymore」ではメンバー一人ひとりの切ない声が鼓膜を震わせ、その落差も堪らない。約20分間、リスナーを強く引きつけ続けたステージには今後の活躍の予感大。
■FAKY
「half-moon feat. Novel Core」からしっとり幕を開けると、エッジー&セクシーなダンスチューンを連ねたり、初披露の「ダーリン(Prod. GeG)」のウィスパーで夏の終わりを感じさせたりと緩急をつけ、見せ場を連発。全4曲でしっかり夏フェス気分を味わせてくれた。
■VOGUE5
SUGIZO(LUNA SEA/X JAPAN)がプロデューサーを務める中国発の4人組バンドは、湿度の高い流麗なバラードとスケール感あるロックをプレイ。確かなスキルで幅広い彼らの音楽性を体現し、日本の音楽ファンにその存在をアピールした。
■Novelbright
夕刻には、8月にメジャーデビューしたばかりのNovelbrightが登場。まずは「Walking with you」のバンドサウンドで煽ると、視聴者は“かっこいい”といったコメントで呼応し、それぞれがクラップする姿も目に見えるよう。またこれにこたえるように次の「君色ノート」では、竹中(Vo)のさわやかな歌声で彩る希望に満ちた言葉でさらに気分を持ち上げ、小休止のMCへ。すると<a-nation>初出演の彼らは 「ずっと<a-nation>に出たかったんですよ」と今日の喜びを語り、今度は優しい口笛からのバラードの「また明日」へ。情感たっぷりに歌い上げ熱を伝播させると、後半戦は新曲「Sunny drop」などでスパートをかける。突き抜けるボーカルや軽快なビートは音楽の持つ光をオンラインの外にももたらし、画面にはシンガロングする文字が踊った。モニター越しでもその臨場感は100%だった。
■Naomi(王菊)
“中国のビヨンセ”と呼ばれる彼女はダンサーチームを従え鋭利なナンバーで空間を支配するとドレスに早着替えして、たおやかな別れの曲も。2曲にも関わらず歌唱力があるからこその守備範囲の広さで驚かせてくれた。
■広瀬香美
「ストロボ」や「愛があれば大丈夫」をはじめとする一世を風靡した名曲ぞろいのセットリストは、40〜50代には涙もの。加えて当時と変わらないだけでなく、より伸びやかで力強いボーカルには圧倒されるばかりだ。また撫でるようにも叩くようにもして変幻自在に音を鳴らすピアノのプレイには目も耳も釘付けに。そして「DEAR...again」などのバラードも色あせることなく、情景を鮮やかに映し出す詞と美しいメロディがリスナーの心をつかんで離さない。そんな“広瀬香美ワールド”に飲み込まれ、きっと「ロマンスの神様」では誰もが “Boy meets girl!”とつい声を張り上げたのではないだろうか。最近動画サイトで彼女を知った若い世代は、今日改めてその才能とパワーを思い知ったことだろう。
■安斉かれん
注目の新星・安斉かれんは、自身の経験を重ねた新曲「僕らは強くなれる。」に込めた熱量で聴く者の背中を押したかと思えば、「come again」(m-flo)では画面をきらめきでいっぱいにするなど多面的な魅力を存分に放った。そして何より常にまとうみずみずしさは今宵ナンバーワン。
■Amuyi(呂薔)
台湾を中心に活躍する彼女はマイケル・ジャクソンの「Rock With You」をソウルフルな歌声で見事にカバーして大人のムードを演出し、オリジナル曲でもブラックミュージックのグルーヴを世界レベルの歌唱力で実に心地よく繰り広げた。
■倖田來未
ダンサーを伴って姿を現すと、彼らとバウンドしながらラップに巻き舌にと「DO ME」で初っ端からたきつける。すると続けて「D.D.D.」などで激しいダンスを繰り広げるも、見れば余裕の笑みを見せつつなのがさすが。そんな貫禄ある彼女だがMCとなれば飾らないいつもの関西弁。コメントを読みファンとの交流も忘れない。そしてその後はソフトな歌声で包む懐かしいバラード「1000の言葉」で“泣ける”の文字を画面に流れさせ、しばしゆったりとするのか?と思いきや、直後は最新曲「Lucky Star」の体を突き動かすアップテンポでハッピーモードにチェンジ。ラストに向け「LOADED」などでノリノリのまま突き進む。“Au!”の雄叫び、カメラに寄っての決めポーズ、キレッキレのダンスでまさにビッグパーティの様相。楽しさ満点で最高潮に到達し、最後は“ん~まっ”の投げキスで完全ノックアウトとなった。
■Gemma(吳映潔)
全身タイツのダンサーたちに囲まれて驚きの登場。そして本人のレオタード姿にも“かわいい”の書き込みが止まらない。また中毒性あるコールが印象的な「GO」など、披露した3曲はすべて個性的でそのインパクトは絶大だった。
■Fei(王霏霏)
アジアを股にかけるシンガーは、“泣き”のバラードで言葉の壁を越え胸に訴えかける歌声を響かせただけでなく、異国情緒ある艶っぽい楽曲「Hello」もセレクトしてダンスもお披露目し、多才さを証明した。
■SuperM
終盤を盛り立てるのはK-POP界のアベンジャーズ。7人による世界照準のボーカリゼーションやダンスは時にスリリング時に妖艶と、瞬きする暇なく息をのむばかり。例えば、口火を切った「Jopping」では7人の声とアクションが絡み合って勢いを増し、続く「Super Car」ではラップを伴いストリート感を濃くし、見る者の鼓動を高鳴らせるという具合。曲ごとに濃密な世界へと誘う。また日本語での挨拶を含むMCを挟んだあとは、「With You」や「Dangerous Woman」で彼らのラフな一面や息の合ったハーモニーも楽しめる時間。画面の前で悶絶するファンが続出しているのは想像に難くない。そして彼らは最終に9月25日にリリースする初のフルアルバム『Super One』にも収録される「100」を選んでゴール。痛快なビートと疾走感を倍増させる小刻みなステップにのせ、前のめりのメッセージを人々の心に残していった。
■浜崎あゆみ
野性爆弾・くっきー!出演の映像で度肝を抜くと、大勢のダンサーと浜崎あゆみが登場。最新「Dreamed a Dream」からアッパーにライブをスタートさせた。これから始まる一大スペクタクルを予想させると、それを上回るように「SEASONS」などの2000年の3部作を投下する。慈しむように発する温かみある声は曲の深みを増大させ、ライトを背負い映る姿は荘厳。また一瞬、涙を流すような動きには思わずドキリとなる。
無論コメント欄には“神セトリ”といった声が続くが、中盤に浴衣にお色直しして再登場すると、ここからは「Greatful days」や「You & Me」を連ねる9分以上のメドレーで夏気分を全開に。最高のスマイルやおどけた表情など“かわいい”と言わざるを得ない場面の連続には、“お茶の間特等席”で良かったと思えてくる。だが最後の最後まで見どころは尽きず、「BLUE BIRD」&「July 1st」の夏ソングダブルパンチへ。会場にいるのと変わらずつい手を振りたくなる豪華で躍動感あるパフォーマンスは多幸感も満足感も生み、背景スクリーンに花火も上がってついに大団円。十分過ぎる元気をくれた “あゆ”に、いくつもの“ありがとう”の言葉が惜しみなく贈られた。
文◎服田昌子
■「a-nation online 2020」Blue Stage
Amuyi(呂薔)/浜崎あゆみ/EMPiRE/FAKY/Fei(王霏霏)/GEmma(吳映潔)/GENIC/安斉かれん/倖田來未/広瀬香美/豆柴の大群/Naomi(王菊)/Novelbright/大塚紗英/SuperM/VOGUE5
◆<a-nation>オフィシャルサイト
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