【鼎談】“CRAZY”COOL-JOE × SAKURA × RIKIJIが語る、恒例イベントとDEAD END「あいつ自身が楽しみにしてたはず」

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■“MINATOさん、毎年出てくれてるんだ”とか
■“YOUちゃんも出るようになってたんだ”って

──ちなみに、どうやらSAKURAさんがそろそろ到着するようなので、本題であるイベントの話に戻ろうかと思うんですが、その前に、今の日常についてはどう感じていますか? ライヴ活動が思うようにできにくい状況にあるなか、おふたりとも“ステージに立つ機会がないと張り合いがない”というタイプじゃないかと思うんですが。

JOE:まあ、そうだね。ずーっとこの延長線上の状況が続くのかなと思うと、なんか、ちょっと寂しいよね。一昨日ぐらいかな。初めて配信ライヴというのを観たんよ。ああ、こんな感じでやって、こういうふうに観られることになんのか、と思った。結構難しいもんだなあって。よっぽど思い入れがあったりするなら問題ないのかもしれないけど、そうでもない限りちょっと微妙な感じになるんちゃうかな、と。どういう気持ちでやって、どういうふうに観ればいいのかっていうのは、自分ではまだちょっとわからない。

RIKIJI:俺もまだ配信ライヴはやったことがないんですけど、正直、あんまり深く考えてはいないというか。まあ、食うためにやらなきゃいけないんであれば、やらざるを得ないかな、という話ですよね。職業がミュージシャンなわけで。ただ、ライヴができないからイラつくとか、そういうことはないんですよ。そこはもう、この職業に就いた時点で腹括ってたというか。こんな状況ではあってもやっぱ、文句言ったら負けじゃないですか。ロックンローラー、ロック・ミュージシャンって、こういう状況でもさらっとクールにこなしてる、というのが俺は好きなので。だからべつに悲観的にはなってないんです、全然。というのも、みんな同じ状況に置かれてるわけだから。ただ、若いやつらがかわいそうだとは思いますね。

JOE:今回のイベントについてもね、実はすごく悩んだのよ、やるべきかどうかって。この状況がここまで長引くとは思ってへんかったし、一度は収まりかけてきたかと思ったらまた拡がってきてたりもするみたいだし。だけど、とりあえずできる範囲でやってみようか、と。みんなきっと退屈してるんやろうし(笑)。そんなふうに考えて決定に踏み切ったところもあるんやけどね。

──今よりも悪い状況になることはないはずだと信じたいし、できることなら従来と近い状況を取り戻したい。そこで細心の注意を払いながら実施することで前に進めたら、ということですよね?

JOE:うん。なんかね、ホンマにもう何とも言われへんというか、どないしようもない部分もある。あんまり軽々しく「みんな気軽に集まってきて」とか呼びかけにくいところもあるしね。でも、そこで俺らが楽しんでるところを観てもらうことで、観に来てくれる人たちにも楽しんでもらえるんじゃないかと思うから。

RIKIJI:徐々に制限付きでライヴができるようになってきて、ある意味、篩(ふるい)にかけられ始めてるようなところがあるじゃないですか。ガイドラインがあるなかで、それに従ってライヴをやるんだけど、そこで失敗できないわけですよね。だからホントにロック・バンド、ロック・ミュージシャンとしてのあり方が問われる機会だとも思っていて。

──従来のような状況を取り戻すためには、ガイドラインに沿いながらライヴをやって、成功実績を重ねていくしかない。そこで何か間違いが起きれば、まだ振出しに戻ってしまうことになり兼ねないわけですもんね。しかしイベント開催時期までに少しでも規制が緩んでいることを願いたいものです。できればステージは、ビニールやアクリル板越しではない形で観たいものですし。

JOE:うん。それはこっちにとっても同じことで。

RIKIJI:俺もそれは嫌だな。JOEさんがフェイスシールド付けて演奏してる姿とか、観たくないですもん(笑)。

JOE:ふふふっ。でもホンマに、やるほうもお客さんも、この状況のせいで変にピリピリしながらやらなきゃならないのは、なんか嫌だよね。それは俺も、すごく思う。

──ええ。そして……あ、壁の向こうから足音が聞こえてきました。

SAKURA:遅くなりました。申し訳ありません!

JOE:やっと着いたか。

──では、このへんでお開きにしましょうか(笑)。冗談はともかく、SAKURAさんに関するお話は、お2人からすでにたっぷりと聞いていますんで。

SAKURA:いわゆる欠席裁判ってやつですか(笑)?

RIKIJI:俺と一緒にやってたバンドの話とかも、しといたから。

SAKURA:うわあ……(笑)。

──ここでSAKURAさんには、ここまでの経緯について話を少し補ってもらいましょう。そもそもこのイベントが最初に開催された時はSAKURAさんがJOEさんとともに大きな部分を担っていたわけですが、その後はちょっと離れていましたよね?

SAKURA:そうですね。2回目、3回目は参加してないんだけども、その間にもJOEのなかで思ってたものが進化を遂げてきていて、今回はこうして呼び戻される形になって。しかも俺が不参加で知らずにいた過程を他でもないRIKIJIが見てるわけで。そこでふたたび俺に声をかけてくるJOEの人選の妙みたいなものも感じるんですよね。しかも、前々回、前回と不参加だったのは、単純に、俺が引っ越したからでもあったんです。それによってJOEは俺の連絡先がわからなくなってて、それで彼が困ってたという話を、実は高野哲から聞いたんです。「連絡してあげてよ」って。

──面白いですね。哲さんは、RIKIJIさんともかつて一緒にバンドをやっていた間柄だし、SAKURAさんとは当然ながらZIGZOに一緒にいるわけで、間に誰かを挟めば全員繋がるようなところがある。

SAKURA:うん。ただ逆に、彼とJOEがすごく近いところに居るかっていえばそんなこともなく、むしろこのイベントでしか接点がないくらいのところもあるわけで。ただ、ある時、「JOEさんがSAKURAの連絡先がわかんなくなっちゃったって言ってたよ」というのを聞いて。

──JOEさんの側からすれば、いきなりSAKURAさんが行方不明になったみたいに感じますもんね。突然、連絡が取れなくなったりすれば。

JOE:ふふふふ。まあね。

SAKURA:要はただ引っ越して連絡先がすべて変わってしまっただけなんですけどね。しかしどうあれ、第2回、第3回の流れというのもなんとなく小耳に挟んでたし、自分が離れてた間にずいぶんスケールアップしてたというか、お祭り感が強くなってたんだなあというのが正直なところで。一回目をやった時はホントに手探りでしたからね。結果的にMINATOさんが皆勤賞になってることについては「ああ、毎年出てくれてるんだ」というのもあるし、「あれ? YOUちゃんも出るようになってたんだ」と気付かされもしたし。

──いちばん皆勤賞から縁遠そうなMINATOさんが毎回出ているというのも面白いですよね。

JOE:そうそうそう(笑)。

SAKURA:まあ一応、第一回を立ち上げるところから見てきた者として言うと、やっぱJOEとMINATOさんの間柄って、ちょっと他に例えようのない特別なものなんじゃないかと見てるところが俺にはあって。実際、第一回の時に、JOEから「MINATOを出したいんやけど」っていう話があった時、まず僕のほうでMINATOさんに「JOEがこんなこと言ってますけど、どうします?」って打診してみたわけですよ。で、その時点では「うーん。あんま興味ないな」とかって言ってたんだけど、いざJOEに会わせてみたら「わかった、出るよ!」みたいなことになって(笑)。

──読めないですねー、流れが(笑)。

SAKURA:うん(笑)。当時の俺としては、そういう読み切れない部分があるのも踏まえたうえで、ふたりを一度直接合わせたほうが話が早いだろうな、というのがあったわけです。俺が間に入って交渉するとかじゃなくて。それで、MINATOさんがよく行く飲み屋的なところにJOEを連れてったら、そこでもう話がまとまって。

──SAKURAさんは少し前に連載コラム『櫻澤の本気 II』の第7回として『櫻澤の半分はDEAD ENDで出来ています』という記事をBARKSに寄稿していて、そこで改めてDEAD ENDとの関わりの深さについても綴られていますが……

SAKURA:ええ。まあそのタイトルは「バファリンの半分はやさしさで出来ています」から拝借したものなんですけどね(笑)。

──完全にそれですよね。で、面白いなと思うのはDEAD ENDのメンバーに対する呼び方の違いなんです。MORRIE、JOE、YOUちゃん、そしてMINATOさん。最年少だったMINATOさんにだけ“さん”が付いてるんですよね。

SAKURA:これはもう、当時からのそのままなんです。増田さんは当時のDEAD ENDと俺も知ってるからわかると思うんですけど、さすがにMINATOさんを呼び捨てにはできないというか(笑)。

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