【鼎談】“CRAZY”COOL-JOE × SAKURA × RIKIJIが語る、恒例イベントとDEAD END「あいつ自身が楽しみにしてたはず」
■追悼のためのイベントではないけど
■その機会を無くしてしまいたくない
──それはそうでしょうね。ところでYOUさんの他界については、やはりSAKURAさんもまだ実感が湧かないというところでしょうか?
SAKURA:そうですね。実は……今回、この<Vol.4>を開催するにあたって、まずこの3人で集まって話をしたんですよ。JOEから「今回、RIKIJIってやつにも手伝ってもらおうと思ってるんだけど、一度3人で集まろうや」って言われて、「いや、実は我々、付き合い古いんですけど」「あ、そうやったん?」みたいな(笑)。この界隈の中でも実はいちばん関係性が古いのがRIKIJIだったりもするんで。で、あれは1月だったかな。3人で集まって話をして、その時の写真はJOEや俺のインスタにも新年会と称して上がってるんですけど、その時に「こういうメンツでこういう概要でやりたい」っていうのをJOEの口から聞きつつ、興行としての方法論はこれから一緒に練っていくとして、やること自体は決定だから4月の時点でもう開催情報は解禁にしましょう、という話になって。そこで世の中がコロナ禍になり、出演者の方々のそれぞれの事情もあるはずだからということで、実際に開催できるかどうかという問題も出てくるから発表も待ちましょう、と。そこで俺は、個人的にはイベント開催自体を見送ったほうがいいかな、と思ってたんですよ、今年は。社会的にもネガティヴなムードというか、良くない雲行きしか感じられなかったから、そこで強引に何かやるっていうのもどうかな、というのがあったし、いっそのことそのまま来年にずらしたほうがいいんじゃないか、というのもあったし。ところが今回……YOUちゃんのことがあって……。亡くなってから少し経った頃にJOEに改めて連絡をしたんです。イベント云々というのもあるけど、ちょっとJOEと呑みたいし話したいなというのがあったから。それでもう一回集まりましょうということになって、そこでJOEの気持ちを再確認させてもらって。これは決してYOUちゃんのためとかそういうことではないんだけど、計画通りやることにしましょう、と。
JOE:うん。追悼のためのイベントではないけど、それを理由に中止にするのは違うかな、と思ったからね。というのも、あいつ自身がこのイベントを楽しみにしてたはずだから。自分ではそう思うてるから、その機会を無くしてしまいたくない、という気持ちがあって。
SAKURA:JOEのその気持ちを確認できた時点で、これはもう、やるしかないと思えたし。しかもね、コロナの件で開催をどうするかわからないという状況になりつつあった時、JOEからみんなに一斉にメッセージを送ったら、いちばんレスが早かったのがYOUちゃんだったらしいんですよ。
JOE:そうそうそう。その後、いったん落ち着きかけてた状況がまた悪くなりそうやったから、もう一度あいつに電話したんよ。それが、亡くなってしまうほんの1ヵ月ぐらい前のことで。
SAKURA:そうだなあ……ここで口にすることはできるけど、文字にしたらマズいことはいっぱいある(笑)。
JOE:ふふふふ。
──なんか今日の取材、そういう話ばかりになってますが(笑)。
SAKURA:正直、YOUちゃんの遊び心に振り回されたこととかもありましたよ。ただ、ホントに愉快で気さくな人なんです。あと、俺にとってはYOUちゃん個人というより、“あの4人のDEAD ENDのメンバーのひとり”という意味合いが強いというか、それが自分にとっていかに特別か、ということなんです。そのなかでもやっぱり自分はドラマーだから、湊雅史という人間に対しては、他の3人に比べると特殊なところがありはするんですけど。あの4人のDEAD END、TAKAHIROさんやTANOさんではなく、あの4人という成り立ちが自分にとっては格別で。だからYOUちゃんについても“四天王のひとり”みたいな感覚なんですよね(笑)。で、当然のように足立祐二サウンドの洗礼というのを十代の頃に受けちゃってるから、他のギタリストに対してあんまり凄味を感じにくいっていう時期もあったかもしれない。YOUちゃんみたいな構築感のあるリフ、メロディ・ラインとかコードワークというのを、みんな普通に持ってるべきものだと思ってたわけで。
──しかもそうして自分のなかで当たり前になっていたことのすごさというのを、のちに年齢や経験を重ねながら、さまざまなミュージシャンと出会っていく過程のなかで、よりいっそう痛感させられることになるわけですよね。
SAKURA:うん、その偉大さ、特異さというのをね。何よりも、口ずさめるギター・フレーズってすごいですよね。しかも、口ずさめるってことは単音のメロディであるはずなんだけど、自分のなかでは勝手に和音が聴こえてくるんですよ。それってすごいことだな、と思う。
──ええ、同感です。さて、SAKURAさんとRIKIJIさんの関係については、さきほどRIKIJIさん側から一方的に聞きましたけど……SAKURAさん側からすると、RIKIJIさんの第一印象というのはどんな感じでしたか?
SAKURA:最初に会った頃のRIKIJIは長髪で、前髪も顔が全部隠れてるぐらい長くて、顔がよくわかんなかった(笑)。ある日、自分がローディとして付いてたUNCHAINというバンドのギタリストの人に連れてこられたのが彼で、それからは一緒にケーブル巻いたり機材運んだりするようになって……。俺はまだ高校生で髪の毛も短かったんだけど、それまで“中卒でしかも長髪のやつ”というのに出会ったことがなかったんですよ。その見た目のせいで最初は年上かと思ったんだけど、話を聞いてみたら一個下だし、喋ってみると全然普通で(笑)。一時期は浦和のナルシス界隈でよくつるんでましたね。RIKIJIの実家にも何回も泊まりに行ったし。
JOE:ああ、それほどの深い付き合いやったんか。
RIKIJI:とにかく当時は金がなくて。ナルシスの隣りにスーパーがあって、その一階がパン屋さんだったんですけど、そこで“いかにタダでパンをもらうか”っていうのがあって。いや、万引きするわけじゃないんですよ(笑)。閉店間際に、すっごくお腹すいて弱ってる感じで行って「すみません。もしも処分するパンがあるならば……」とか言って。で、何人かで交互に行って、その収穫をみんなでナルシスで食べるっていう(笑)。
SAKURA:そんなこともあったね。ただ、それはまだ可愛いほうで、当時はここでは書けないような悪いことばかり2人でしてて。しかも金がないと人間っていろいろ工夫するもので、「アレが手に入らないならコレでどうにかならないかな?」とか考えるようになるんですよね。具体的に言うわけにはいかないんですけど(笑)。
JOE:いや、なんも変わんないよ(笑)。
SAKURA:むしろ評価、上がったもしれない(笑)。
RIKIJI:なんていうか、当時から多分、2人とも“抜けてた”と思うんですよ。垢抜けてるのかずば抜けてるのかわからないけど(笑)、まわりのやつらと比べて抜きん出てるところがあったんだと思う。
SAKURA:まあね。ちょっと自画自賛になっちゃうかもしれないけど、そんな俺たちだからこそ今もこの界隈に居続けてるのかもしれないね。そういえばね、俺が知り合った当初のRIKIJIは、ベーシストじゃなくてギタリストだったんですよ。
RIKIJI:実はそうだったんです、元々は。
SAKURA:だからローディ時代のRIKIJIはギターまわりのこと、俺はベースとドラムまわりのことをやってたし。
──なるほど。そう考えてみると、この3人で組んで音を出すことも可能じゃないですか。
JOE:あ、そうやね。そういえばこの3人で一緒にやったことはないな。
──それも面白いかもしれないし、<“CRAZY” Rock Night>では本当に誰と誰が組むことになるのか、どんなことが起きるのかが予想できない。いろいろと想像しながら当日を楽しみにしていますし、何よりもその頃までに、無事にイベントを開催できる状況が整っていることを願っています。
JOE:ありがとう。なんか今日の話は書かれへんことも多いと思うけど、信頼しとるから上手くまとめといてや(笑)。
取材・文◎増田勇一
撮影◎緒車寿一
取材協力◎下北沢GARDEN
■<COOL-JOE, CHICKEN GEORGE & GARDEN Presents “CRAZY” Rock Night Vol.4>
10月23日(金) 下北沢GARDEN
・open19:15 / start20:00
10月24日(土) 下北沢GARDEN
・1部:open15:15 / start16:00
・2部:open19:15 / start20:00
https://eplus.jp/sf/detail/3298520001-P0030001
▼神戸公演
10月30日(金) 神戸CHICKEN GEORGE
・open19:15 / start20:00
10月31日(土) 神戸CHICKEN GEORGE
・1部:open15:15 / start16:00
・2部:open19:15 / start20:00
https://eplus.jp/sf/word/0000116969
▼チケット料金
¥10,000 (税込/グッズ付・D別)
発売日:2020年8月1日(土)10:00
プレイガイド:e+ (https://eplus.jp/)
(問)GARDEN 03-3410-3431 / CHICKEN GEORGE 078-332-0156
▼出演者
“CRAZY"COOL-JOE (DEAD END)
Vo:BAKI (GASTUNK) / 木村世治(ZEPPET STORE) / 髙野哲(nil, THE JUNEJULYAUGUST, THE BLACK COMET CLUB BAND, ZIGZO)
G:澄田健(VooDoo Hawaiians, Takeshi Sumida Group, TH eROCKERS, Chappy’s) / HIRO (La'cryma Christi) / KENTARO(DAIDA LAIDA, ex.Gargoyle)
B:RIKIJI (OBLIVION DUST, IMOCD!)
Dr:湊雅史 / 村田彼方(WHY SO NERVOUS, The Front Row, ZIZOZ) / Sakura (Rayflower, ZIGZO, gibkiy gibkiy gibkiy)
Key:DIE (Ra:IN) / 藤原マヒト
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