MUCC、『惡』シークレットトラックは“小樽の奇跡”完成形＋自身初デイリーチャート1位を記録

6月10日に発売されたMUCCのアルバム『惡』が自身初のオリコンデイリーチャート1位を記録するなど好調だ。同アルバムにシークレットトラックが収録されていたことが公表された。

◆MUCC 画像 / 動画

約2年間にわたる曲作りからレコーディング期間を経て完成したアルバムは、大ボリュームの全16曲収録がアナウンスされていた。これに加えてもう1曲、シークレットトラックとして収録されていたナンバーが「Terrace」だ。同曲は2018年6月9日、約2年間にわたって各都道府県を巡った＜収監ツアー＞第一弾となる＜MUCC 2018 Lock on snipe Tour #1「北海道型収監6days」＞の小樽GOLDSTONE公演にて初披露されたもの。“ムックの日”企画として放送されたニコ生番組内コーナーで「よく夢で見る“ライヴの本番中に自分の知らない新曲が演奏される”というバンドマンあるあるが現実に起こったらどうなるのか？」というYUKKE発案のドッキリをSATOちに仕掛けた時のナンバーだった。

その放送前日にYUKKEが書き上げてデモ音源を他のメンバーに送った同曲は、ニコ生放送中、SATOちの目を盗んで簡単な構成確認を行ったのみだったという。実際にライブで同曲が始まると、動揺を隠せないSATOちは「この曲は何ですか？」と背後にいるスタッフに質問するも、スタッフからも「だからテラス！」と言い切られるという場面もあったそうだ。しかし、動物的なカンをもとにアドリブのリズムパターンで楽曲についていき、見事アウトロまで演奏しきったSATOちに、オーディエンスもニコ生の視聴者も爆笑。その姿に最後は謎の感動が生まれ、ドッキリは大成功した。そして、この一件はファンの間で“小樽の奇跡”と呼ばれるようになったという。

この日のライヴ演奏とYUKKEのデモ音源は後にシングル「時限爆弾」の初回限定盤と通常盤のボーナストラックとして収録。封入のエムカードにライヴ映像も期間限定で届けられた。

また、この日だけのネタで終わるはずだったものの、ファンからの人気も高い同楽曲は、その後ライヴで何度か演奏されていた。たとえば、＜収監ツアー＞ファイナルとなった2020年2月24日の小樽GOLD STONE公演＜壊れたピアノとリビングデッド収監 Japan Tour GRAND FINAL ～収監始まりの地で大団円～＞にて、それまで1コーラス程度しかなかった同曲のフルバージョンを演奏。この時のアレンジを完成形として、サポート参加していた吉田トオル(Key)がいる状態で音源を残したいと、新たに録音が行われていたという。しかしアルバム『惡』の世界観とは著しく異なるため、シークレットトラックとして収録されたというわけだ。同楽曲は、サブスクリプションなどのデジタルサービスでは聴けないレア音源となる。

MUCCは6月21日、無観客有料配信ライヴ＜～Fight against COVID-19 #2～『惡-THE BROKEN RESUSCITATION』＞を控えているほか、漫画家の伊藤潤二描き下ろしジャケットによる限定シングル「娼婦2020」の受注生産限定リリース、タワーレコードカフェ表参道店とコラボカフェも展開中だ。