【コラム】『FF3』に初挑戦してみた 〜BARKS編集部の「おうち時間」Vol.033
最近、初めてのコトやモノに興味津々だ。歴史小説を買ってみたり、触れたことのなかったジャンルの音楽を聴いてみたりと、少しでも新鮮な気持ちで「おうち時間」を過ごせるように、気になったらとりあえずやってみることにしている。
そんななかで、そういえば……と思い出したのが、数年前にビンゴの景品として手に入れた『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ』の存在。30タイトルものゲームが内蔵されていて、カセットを交換することなく楽しむことができるという特徴を持つゲーム機だ。
「ゴールデンウィークも始まるし、ゲームでもやるか」ということで、このミニファミコンを引っ張り出してきたのが5月2日のことだった。名作タイトル揃いとはいえども、私はファミコン世代ではないため、「マリオはやったことがあるけど……」といった程度。はじめは、全部プレイして感想を書こうかと思ったが、そもそもゲームが下手なうえにレトロゲームの難易度が高いこともあって途中で心が折れてしまった。特に『ロックマン2』がつらい。ロックマンはすぐに死ぬ。
RPGならなんとかなるかもと思い、30タイトルのなかからセレクトしたのが『ファイナルファンタジーIII』だ。
▲ミニファミコンの箱の裏
FFシリーズに挑戦するのは今回が初めて。2020年4月27日にファミコン版の発売から30周年を迎えたそうなので、タイミングとしてもバッチリだろう。
まず、オープニングテーマが流れたときに「聞き覚えがある気がする」と思った。レベルアップのときに鳴る効果音を聞いたときには「これ知ってる! FFのだったのか!」とびっくりして、チョコボが出てきたシーンでは「あの「チョコボのテーマ」が流れている……」と、ちょっと感動した。ゲームをやったことがなくても音楽は知っているってすごいことだと思う。
▲ファミコン版『FF3』(1980年)
↓30年後。たったの3音で構成されていた音楽はオーケストラによる演奏へ
▲Steam版『FF3』(2020年)
▲DS版『FF3』のサウンドトラック
肝心の本編だが、説明書を見なくてもまあいけるでしょうとなめてかかったら、大変なことになってしまった。
様々なアイテムが登場するけれど、説明が表示されないアイテムが多いため用途がわからない。戦闘で使ってみて確認しても、「こうかがなかった」とメッセージが流れることが多いので、攻撃として無意味なのか、ただはずれただけなのかが確認できない。用途が謎の魔法もそう。MPは無情に消費され、HPがすり減っていく。
また、新しい町や村、人間の情報がやたらと追加されるためメモは必須だし、どこに行ったらいいのか、何をしたらいいのかの順番がよくわからない。ついでにマップも見づらい。
インターネットで検索すれば、攻略までの手順をまとめたサイトがいくらでも出てくるだろう。しかし、ここまでくるともはや意地。この不便さも含めて楽しみたいという欲望がわいてきた。
セーブ前にいきなりボス戦になだれ込み、絶望のなか最後の最後まで諦めずに戦って勝った瞬間の興奮。無駄な戦闘を避けるために、さっさとダンジョンを通り抜けたいと思いつつも、寄り道して開けた宝箱から強力な武器が出てきたときの喜び。謎のアイテム/魔法の使用方法の正解を見つけたときの達成感。これらの感情は、攻略サイトを見ながらのプレイだったら半減していたはずだ。
難しいけど楽しい。「不便」って案外悪くない。なんだか人生に似てるなとも感じた。自分の能力は使ってみないとわからないし、周りからのヒントはもらえるけど、何を優先して進めていくかは自分次第だから。そんなこんなで、『FF3』にしっかりハマっている。本当におもしろい。
さて、そろそろゲームがやりたくなってきたので、このあたりで失礼します。クリアするぞー。
文◎高橋ひとみ(BARKS)
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