【インタビュー】Eins:Vier、30周年記念リユニオンを語る「新曲が生まれたことで転がり始めた」
Eins:Vierがアニバサリーイヤーを記念してプロジェクト『Eins:Vier 30th Anniversary Project』をスタートさせる。1990年に結成、1999年に解散。2011年の再結成以降は断続的な活動を挟みつつ、2018年のセルフカバーアルバムのリリースと、それに伴う全国ツアーをもってバンドとしての展開を休止した。しかし、リユニオンのアナウンスが告げられたのが、結成30周年イヤーとなる2020年1月1日のことだ。
◆Eins:Vier 画像
同プロジェクトの第一弾が、自主企画<KATHARSIS>の25年ぶりの復活となる。これはインディーズ時代に地元大阪で定期開催していたイベントであり、2020年4月1日から3日の3日間、<Eins:Vier PRESENTS “KATHARSIS 2020”>として盟友バンドを各日2組ずつ新宿LOFTに招いて開催するというもの。ところが、新型コロナウイルスの感染拡大による政府の自粛要請によって、開催延期が発表された。
Eins:Vierは先ごろの生配信番組にて、第一弾の開催延期を自身の口から告げたほか、同ライブで発表予定だった“第二弾:新曲リリース”、“第三弾:東阪ワンマン4DAYS”の開催をアナウンス。さらには今後、第四弾も用意されていることが明かされるなど、30周年記念プロジェクトはひた走ることが約束された。
このインタビューを行ったのは3月上旬、第一弾の延期決定前のことだ。今回の再始動の経緯をはじめ、第一弾イベントの意図、新曲の手応え、30周年記念プロジェクトについてが語られたトークセッションには、現在の彼らのリアルが凝縮されている。「結成30周年を楽しい1年間にできれば」とはHirofumiの弁だが、プロジェクト始動を前にした3人のコンディションは極上の仕上がりをみせているようだ。
◆ ◆ ◆
■ライブをもっとやりたいという思いが
■湧き上がった瞬間が昨年のバースデイ公演
──2020年、Eins:Vierは結成30周年を迎えました。それを記念して4月1日から3日に新宿LOFTで主催イベント<Eins:Vier PRESENTS “KATHARSIS 2020”>を行なう予定です。
Luna:そうなんです。ただ新型コロナウイルスの影響で、このインタビューをしている3月上旬現在、4月の主催イベントは開催できるか否か、確定できる状況ではないんですが。でも結成30周年を記念して、Eins:Vierが活動を再始動させたのは事実です。
▲Hirofumi (Vo)
──再始動したのは、やはり“お祝い”という意味が大きいんですか?
Hirofumi:“2020年は結成30周年”ということを2019年夏ぐらいから耳にするし、自分たちも把握していました。でも、ずっと継続しているバンドではないし、解散もしているじゃないですか(笑)。継続してやり続けているバンドこそ、30周年を祝える資格があると僕は思っていたんです。ただ、そういった祝い事の機会でしか自分たちは集まれないような状態でもあって。
Luna:2018年に全国を廻る<Tour 2018 Searching For You>を開催したんですけど、そのときにセルフカバー作『Searching Red Light』をリリースしたり、ツアー自体も札幌から福岡まで廻って、最後は渋谷O-WESTでファイナルを迎えて。僕はそこで完全にやり尽くした感があったので、Eins:Vierはもう十分というか、結着がついたなって感じもあったんです。それに30周年と言われても、僕もHirofumiと同じくピンと来なかった。解散して10数年の間、Eins:Vierとして活動していなかったから。たまたま結成から30年経ったというだけで、“30周年!”みたいな思いもなくて。「2020年は結成30周年だから、なにかやったほうがいい」という周りの意見に、簡単に言うとクドかれたんです。最初はかなり受け身ではあったんですけど、やると決めたからには積極的に動き始めました。
Yoshitsugu:僕も周りからの声や強い要望で、やるのはいいんじゃないかなと思って。求められるのはいいことだと思うので。
Luna:だいたい解散後の再結成は、周りから強く押されたからなんですよ(笑)。1度目の再結成は、さいたまスーパーアリーナのイベント(<V-ROCK FESTIVAL 2011>)だったんですけど、たまたまメンバー3人で飲んでいたときに誘いの電話が掛かってきたんです。横に二人がいたから実現したんだけど、もし一緒にいなかったら断っていたと思う。そこから再結成シリーズ的に何度か再始動(2011年、2012年、2013年、2017年、2018年、2019年)しているんですけど。最初の再結成までは、Hirofumiが一番頑なに断ってました(笑)。
Hirofumi:1回やるまではけっこう(笑)。というのも、自分から脱退したわけじゃないですか。
Luna:でも逆に、再結成シリーズが始まってからは、Hirofumiが一番積極的で(笑)。
Hirofumi:やっぱ楽しくて(笑)。今回も最初は30周年を祝える資格があるバンドなのか悩んでいたけど、さっきも言ったようにそういうことがないと集まれないかなって。“Eins:Vierのライブを観たい”って人たちがまだいっぱいいるうちに、2019年夏ぐらいから“やっておいたほうがええんちゃうか?”って気持ちに個人的になり始めて。二人にも「30周年はやるんやろ?」って話もして。そんななか、Yoshitsuguのバースデイライブ(<中村佳嗣生誕五十年記念祭>2019年11月19日@東京・Veats Shibuya)の話があって、それに参加したんですよ。Eins:Vierの2018年のツアー(<Tour2018 “Searching For You”>)が終わってから期間もだいぶ経っていたけど、ツアーを廻った成果なのか、ライブの完成度や自分たちの充実感もすごくデカくて。“ああ、Eins:Vierのライブをもっとやりたい”と。そういう思いが再び湧き上がった瞬間でもありましたね。“2020年はやるぞ”って気持ちに、すでになっていました(笑)。
▲Eins:Vier
──オリンピックはどうなるか知らんが、俺たちは東京でやるぞと。
Hirofumi:そうは言ってないけど、そういう感じですね(笑)。
──そして最初に決めたライブが、4月1日から開催予定の3DAYS<Eins:Vier PRESENTS“KATHARSIS 2020”>。これまで一緒に共演した経験あるバンドや交流の深いバンドを招いての対バンでもありますね。
Luna:そうですね。Eins:Vierがインディーズ時代に、一緒につるんでいたバンド仲間を呼んで、地元の大阪で<KATHARSIS>というイベントを定期的にやっていたんですよ。それの2020年版です。
──<KATHARSIS>を開催していたのは、インディーズ時代の1992年〜1993年ぐらいですか?
Luna:その時期あたりが一番やっていたと思います。当時、大阪の心斎橋ミューズホールで開催していて、1日に7〜8バンドとか出演してもらったり。ツアーをすでに行なっているような名前の知られたバンドや、地元の若手バンドとかにも出てもらっていたんです。MEDIA YOUTHとかSILVER ROSEとか、あと若かりしPENICILLINとか。
Hirofumi:もともとEins:Vierは、心斎橋バハマというライブハウスに所属みたいな形で活動していたんです。そこから離れて、自分らだけでバンド運営して活動するようになったとき、何かできることはないか?と思って。そこから生まれた企画が<KATHARSIS>という主催イベント。当時、ヴィジュアル系括りのイベントは、大阪ではあまりなかったんですよ。でも、観たいお客さんはいっぱいいる。それで、“大阪でやりたいよね”って、主催イベントをやってみたんですよ。そうしたら、当時のヴィジュアル系バンドの子らも「出してください」って。大阪でやれるのは嬉しかったみたいで、参加希望のバンドもけっこう集まってきたんですよ。
──Eins:Vierのメンバーも、当時そのシーンを盛り上げたいと考えていたんですか?
Hirofumi:大きいシーンは東京にあったかもしれないけど、大阪でも盛り上がっていたから。みんなで集まってライブをやったほうが、もっと楽しいことにもなるだろうし。
Luna:開催すれば、だいたいソールドアウトしたんちゃうかな。
Hirofumi:“大阪のファンもこういうイベントを待っていたんやな”って、実際にやってみて実感しましたね。みんなが喜んでいる感じがダイレクトに伝わってきて。
Luna:規模をちょっと広げて、2DAYSもやったりしたんですよね。
◆インタビュー【2】へ
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