【インタビュー】代官山UNITがスタートする二本のプロジェクト第二弾 「アーティストのキャンセル料負担0円に!<「Help Me!! Help You!!!>」スタート
「独自のライブ配信システム<MUSIC NON STOP !>」に続いて、代官山UNITが立ち上げたもうひとつのプロジェクト<HELP ME!! HELP YOU !!!>について、前回同様、代官山UNITのディレクター鈴木俊介氏に話を聞いていこう。新型コロナウィルスの影響により全国のライブハウスが大打撃を受けてはいるが、事態収束後には、新しいライブの行い方/在り方が誕生するかもしれない。
鈴木俊介(以下、鈴木) コロナウイルス騒動の昨今、イベント主催者やアーティスト、われわれ会場側とイベントに関わる皆が困窮を極める状況になっていて……僕らとしてもキャンセル料をいただかねば生活が成り立たないし、この状況下ですから、キャンセル料の支払いはたとえ大手さんでも厳しいと思いますが、アーティストや個人主催者と直接やり取りする案件も多いので、工面できない、工面するのが厳しい方々もたくさんいらっしゃる。それなら、すべてのキャンセル料を音楽を愛するご理解のある方々にご判断、ご協力いただき、返金作業や会場対応に追われている主催者やアーティストの負担をなんとかゼロ%に近づけようという目的のクラウドファンディングです。
──このクラウドファンディングは、アーティスト単体ではなく、UNITさん主体で動かしていくのですか?
鈴木 そうですね。2月末以降キャンセルになったものに対しての主催者やアーティスト救済のために我々が考えるファンディングです。なので、それぞれ個々の公演に対して幾ら支援してください、ということではないですね。アーティスト/公演それぞれ単体についての募集になるとネームバリューをはじめ支援に差が出ることになるので、どの主催者やアーティストにも均等に支援金を分配したいという思いがあります。また、このプロジェクトは3月末までに発生したアーティストや主催者のキャンセル料の負担金をゼロにするというものですが、4月以降も同じ状況になるかもしれないので、考えたくはないですが、厳しい状況が続くとわたしたちが最大の努力をしても力が及ばずで、さらなる皆様のご厚意にすがることになるのかもしれません。成長段階のアーティストの方々にも、できるだけ良い音楽環境を提供させていただくのも我々の大切な仕事だと考えています。
※プロジェクト支援アーティスト「パソコン音楽クラブ」のふたり
──暗い話になってしまうかもしれないですが、今後どうなると思いますか?
鈴木 正直4月からは日常に戻ってもらいたい、という強い願いはあります。主催者やアーティストも皆同じ気持ちでしょう……。あとは業界自体が4月も動かなくなってしまうと……全く先が読めないですね。そんな中で今できることをやらなければいけない。4月もできないんだったら、UNITだったら信念をもってこういった貢献ができます!という具体的な提案が<MUSIC NON STOP !>、<HELP ME!! HELP YOU !!!>なんです。
2020年3月22日(日)READY FORにてスタート
UNIT主催支援プロジェクト「Help Me!! Help You!!!」
◆https://readyfor.jp/projects/unit
◆代官山UNIT オフィシャルサイト
◆代官山UNIT YouTubeオフィシャルチャンネル
この記事の関連情報
【コラム】BARKS烏丸哲也の音楽業界裏話037「生成AIが生み出す音楽は、人間が作る音楽を超えるのか?」
【コラム】BARKS烏丸哲也の音楽業界裏話036「推し活してますか?」
【コラム】BARKS烏丸哲也の音楽業界裏話035「LuckyFes'25」
【コラム】BARKS烏丸哲也の音楽業界裏話034「動体聴力」
【コラム】BARKS烏丸哲也の音楽業界裏話033「ライブの真空パック」
【コラム】BARKS烏丸哲也の音楽業界裏話032「フェイクもファクトもありゃしない」
【コラム】BARKS烏丸哲也の音楽業界裏話031「音楽は、動植物のみならず微生物にも必要なのです」
【コラム】BARKS烏丸哲也の音楽業界裏話030「音楽リスニングに大事なのは、お作法だと思うのです」
【コラム】BARKS烏丸哲也の音楽業界裏話029「洋楽に邦題を付ける文化」