コンサートプロモーターズ協会会長が新型コロナウイルス対策に苦悩を吐露「やるも叩かれ、やらないも叩かれ…じゃあ誰が悪いのか」

3月22日、文化放送の音楽情報番組『楽器楽園～ガキパラ～』にて、一般社団法人コンサートプロモーターズ協会の中西健夫会長が出演し、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた政府によるイベントの自粛要請について触れ、「エンタメ業界はいろんな産業を支えてきたと思うんです。それが一気にゼロです」「音楽業界の人間として自分も心が引きちぎれそうになった。やるも叩かれ、やらないも叩かれ…じゃあ誰が悪いのか」と、元状況にあえぐ音楽業界の苦悩を吐露した。

中西会長は、3月17日の時点で、2月26日から3月末にかけて自主的判断による中止・延期が1550公演あり、その損害額が推計450億円に上ると発表したことを改めて取り上げ、その厳しい状況を口にした。

「金額もさることながら、本当にこれだけで食べているフリーランスが食べていけない。また例えばアルバイト会社はアルバイトの発注がないし、お弁当を作っているところはお弁当の発注がないわけです。そういうところまで考えたらエンタメ業界はいろんな産業を支えてきたと思うんです。それが一気にゼロです。人の命に係わる（政府の）要請についてはちゃんとやろうと思いますが、それがいつまでなのか、出口がみえない。それと誰も悪くない。それが閉塞感なんです。怒りのぶつけ先がない。こんな時こそギスギスしないで、すぐネットで叩くというのもやめてほしい」

あわせて、先月実施され一部から批判の上がった東京事変のライブについても触れ、「東京事変が勇気をもってやったことをあんな風に言われるのは、音楽業界の人間として自分も心が引きちぎれそうになった。やるも叩かれ、やらないも叩かれ…じゃあ誰が悪いのか。国を動かす人たちが勇気のあるメッセージを届けてほしいです」と心情を語った。経済の専門家の見地からも対策委員会を組織して欲しいという意見とともに、「笑うことで感染力を弱められる可能性があるのであれば、エンターテイメントはどこかで必要だ」と、その思いが語られた。


番組パーソナリティの武田真治は「人はウイルスでも亡くなりますけど、ハラペコでも亡くなっちゃうんですよね…」と語り、岡部磨知は「私の周りのミュージシャンは閉塞感と生活がどうにもならないということに対峙している人たちばかりです。不安になるばかりで、気持ちが沈んだりイライラしている人も増えてきています」と応えていた。

中西健夫会長はこれまで、株式会社ディスクガレージで、BOØWY、甲斐バンド、HOUND DOG、レベッカ、UNICORN、JUN SKY WALKER(S)、THE BLUE HEARTS、プリンセス プリンセス、THE BOOMなど数々のライブを手掛けてきたコンサートプロモーターで、この日の番組ではBOØWYの解散宣言をしたライブをはじめ、自身が手掛けた伝説的ライブに関する当時の裏話などについても語られた。