<RockCorps 2019>、DA PUMPがヘッドライナーを務める「福島、ごきげんだぜっ!」

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9月7日、<RockCorps supported by JT 2019>の最後を締めくくる音楽ライブイベント<セレブレーション>が、 福島県白河市・白河文化交流館コミネスで開催された。

◆ライブ画像

<RockCorps>は、4時間のボランティア活動をすることで音楽ライブイベント<セレブレーション>に参加できるという企画。チケットはお金では購入することができず、<セレブレーション>には出演アーティストも含めすべての人がボランティア活動を行うことでしか参加・入場できない仕組みになっている。

過去にはレディー・ガガやリアーナ、カーリー・レイ・ジェプセン、エリー・ゴールディングら人気アーティストも参加しており、日本では2014年に福島県で初開催。 2017年度、2018年度の幕張メッセでの開催を経て、今回3年ぶりに福島県に戻ってきた。

開場時間の15時前にはすでに多くの人が集まっており、目当てのアーティストを楽しみにするだけでなく、ボランティアに携わったことで参加者の表情に達成感があるのも同イベントの特徴的なシーンと言える。


開場時間になると、DJ NANASHIMAが雰囲気を作るべくプレイを開始。1997年にDJをはじめ、2000年には地元・福島でCLUB NEOを立ち上げたDJ NANASHIMA は、DANCE MUSICの幅広いジャンルからTECH HOUSE、 BREAKSを中心に旬な曲を用いて動きのある展開を構築する。彼のプレイに、1階最前列から2階後部座席までファンが立ち上がり、 音に合わせて体をゆらす姿がみられた。


そしていよいよ<RockCorps>がスタート。まず登場したのはerica。彼女は山梨県出身のシンガーソングライターで、高校卒業後に上京し、路上ライブをしながら音楽活動を続けた。その多くが「告白」「失恋」「片思い」をテーマにしており、本人もそれを「告うた」と呼んでいる。erica自身も今回、ボランティアを体験し「ひとりずつの生活はバラバラですが、ボランティアというテーマで色んな人が集まり、点だったものが線になって、またそれが円になって……そんな皆が集まるボランティアの空間が新鮮でした」と振り返った。


聴かせる告うたでしっとりさせたericaの次は、地元・福島出身のアーティストである山猿がスペシャルゲストとして登場。音楽を通じて「愛」「絆」「勇気」をたくさん伝えたいという想いで歌う山猿。登場すると「全然静か!」と観客をあおり、会場を盛り上げる。 手を叩いたり、手をあげたり、コールアンドレスポンスがある曲も多く、「め組のひと_forLIVE」では、 踊りを参加者と練習してから歌うなど、 会場が一つになっていた。本人も被災したエピソードを交えながら、最後の曲となった「3090~愛のうた~」を披露する際には、「手はあげなくていいので、 心で聴いてください」と伝え、それに応えるように観客席では涙をぬぐいながら聴く人の姿も。


ヘッドライナーとして登場したのは、DA PUMP。会場総立ちの中、早速ヒット曲「U.S.A.」を 披露。 参加者の体も自然と動く。MCではKENZOがフランスでの大会について振り返った。当初、大会に出る予定はなく現地入りしたようだが、挑戦することに意義を感じて急遽参加。勝ち負けよりも一生懸命踊ったことで得た結果であることを教えてくれた。「P.A.R.T.Y.~ユニバース・フェスティバル」では、 参加者と踊りを練習し 一体感が生まれる。 アンコールでは再び「U.S.A.」を披露。今日一番の盛り上がりの中、ステージを降りたメンバーは参加者とハイタッチし、目の前で「U.S.A.」のダンスを踊る場面もあった。


白河での<RockCorps>は無事、 終了を迎えた。 ここにいる全員がボランティアの参加者。会場が一つになるのにそう時間がかからなかったのは、共通の体験をもつ仲間であるからだろう。<RockCorps>は、一度体験するとまた参加したいと思うプロジェクトでもある。そしてリピーターとして複数回参加している人が多いのも<RockCorps>の特徴だ。次回はどんなボランティア仲間ができて、どんなアーティストがセレブレーションに登場するのかが気になる。

出演者インタビュー

■DJ NANASHIMA

──今日はボランティアの方々が福島県白河市に集まりましたが、いかがでしたか?

DJ NANASHIMA:たくさんの人が福島に来てくれることを嬉しく思います。またみなさんがボランティアと言う一つのことを行った後に、<セレブレーション>でまた同じ体験をした人が集まるというのが毎回いいなと思います。

──ボランティアの方々と実際に一緒に活動してみてどうでしたか?

DJ NANASHIMA:今回5回目の参加でしたが、 今まで畑仕事のような体を動かす活動が多かったのですが、今回はカッターと積み木を使ったボランティアで黙々と頭を使うボランティアで楽しかったです。何時間でもできそうでした。

──今年のテーマは、 「Homecoming(帰郷)」でしたが、 あなたにとってHomecomingとは?

DJ NANASHIMA:前々回に出た時は幕張メッセでの開催でしたので、今回福島での開催となると少しホッとした感じがありました。それくらい<RockCorps>に思い入れがあるというか、やっぱり福島での開催は嬉しく思います。

■erica

──今日は普段のお客さんと違ってボランティアの方々が集まりましたが、いかがでしたか?

erica:とっても楽しかったです。とてもお客さんが盛り上がっていたので、自分も初めての人とか初めてじゃない人とか関係なく、音楽をただただ楽しめたらいいなという感覚で歌っていました。本当に「音」を楽しめたライブだったなと思います。

──ボランティアの方々と実際に一緒に活動してみてどうでしたか?

erica:楽しくてボランティアをしている気分ではありませんでした。もっと時間があったらという感覚でした。あと三時間くらいできました(笑)。すごく楽しくて、ボランティアと言う感覚がなかったですね。結果的にボランティアになっていたという感じで自分としてはすごく楽しくて、そんなふうに参加できるなんてすごく素敵だなと思いました。

──ご参加者の皆様に、 一言お願い致します。

erica:私の席はみんなでおしゃべりしながらやっていて、素敵な出会いをさせてもらえたなと思います。ボランティアでお会いしていない人もたくさんいて、ライブをした時に皆さんとお会いできたんですが、歌っているときとボランティアをしてる時の気持ちが全く同じだったなって思いました。会っただけで一瞬で仲間になっちゃたなというか、それって思っているものが一つあるから底の部分がブレなければやっぱり国とか、人とか、歳とか関係ないんだなって思いました。ありがとうございました。

■山猿

──今日はボランティアの方々が福島県白河市に集まりましたが、いかがでしたか?

山猿: 僕自身も午前中にボランティアをやらせてもらって、ボランティアって難しいことなのかなってずっと思っていたんですけど、少し勇気を出すだけで、参加した女子学生さんとか、名前も出身もわからない人と打ち解けることができることがわかりました。最初はみなさん緊張して会話が正直なかったんですが、だんだん時間が経つにつれて「どこから来たんですか?」みたいに会話が生まれて、ボランティアってひとりじゃないんだなって思って、みんなと何かをやることに本当に意味があるんだなと感じました。 今日一日ライブもやらせてもらってすごい楽しかったですね。

──ボランティアの方々と一緒に実際に活動してみてどうでしたか?

山猿: 木に色を付けていくボランティアをやらせてもらったんですが、それ以外にも白河の街をまわってゴミ拾いしたりもしていて、一緒にやっていたスタッフたちもだんだん笑顔になっていくというか、知らない土地でみんなでやれるっていうのは嬉しいことだなと思いました。

──今年は「Homecoming(帰郷)」がテーマでしたが、福島に帰ってきたということはどうお考えですか?

山猿: <RockCorps>って年代問わずというか、年配の方とかたくさんいらっしゃって地元のみんなと楽しいライブができてよかったなと思います。

──最後にひと言お願い致します。

山猿: ボランティアっていうイベントだけじゃなくて、ゴミ拾いだったりとか毎日できることだと想うので、僕自身続けていきたいなって思いましたね。

■DA PUMP

──今日はボランティアの方々が福島県白河市に集まりましたが、 いかがでしたか?

ISSA: ボランティアされた方々がたくさんいたのでテンションもすごく良くライブもかなり盛り上がってくれたので楽しく終えることができました。

──ボランティアの方々と実際に一緒に活動してみてどうでしたか?

TOMO: 思った以上に楽しくて時間がちょっと足りないくらいでした。 もっとやりたかったです。

KIMI: 色んな国の方々と交流できて、DA PUMPを聴いているなんて話もしてくれてとても嬉しかったです。

──ご参加者の皆様に、ひと言お願い致します。

DAICHI : 福島、ごきげんだぜ!(笑)

──福島は東日本大震災から今も復興に向けての最中なのですが 福島県の皆さんにメッセージをお願いできますでしょうか。

ISSA: 事務所のボスが福島県出身ということもあって、デビュー当時から何度も足を運んでいるんですけれども 3.11の時に地震があって、その後すぐチャリティーライブをさせてもらって、その収益を物資に変えて届けに行ったりだとか。それからずっと気にしています。少しずつですけど復興に向けて皆さん頑張られているので、僕らはライブというカタチでしか応援できないんですが、またライブで足を運んで、みなさんと一緒に明るく楽しく盛り上がっていけたらなと思います。
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