【インタビュー】BREAKERZ、20thシングル完成「改めて“ロックバンドっていいな”と」
BREAKERZが9月4日、20thシングル「闇夜に舞う青い鳥」をリリースする。タイトル曲は初期の彼らに通じる疾走ロックチューンでありながら、憂いを帯びた美しいメロディが光る新境地。BREAKERZらしさを軸にキャリアを重ねた今の3人だから表現できる深みや人生観が加わり、リピートすればしただけ味わいが増す仕上がり。結成当初のように3人がスタジオでアイデアを交わしながらレコーディングしたというエピソードや、DAIGOが“俳優の師匠”と慕う山本耕史をゲストに迎えて撮影したミュージックビデオの裏話など、ひとつの作品が完成するまでの制作過程に裏付けられたのは、デビュー13年目、シングル20作目を迎えてなお揺るがない3人の絆だ。
◆BREAKERZ 画像
そして今作には、DAIGO、SHINPEI、AKIHIDEそれぞれのバースデーライブで初披露された書き下ろしの新曲もパッケージ。新しい時代の幕開けに大切なメッセージをこめたDAIGOによるバラード、怒りをテーマにしたSHINPEIらしいヘヴィロックチューン、AKIHIDEによるロマンティックな癒しのナンバーなど、3者3様の個性がBREAKERZのフィルターを通して表現され、シングルといえども中身は濃厚だ。クリエイティヴな作品に込められた想いをたっぷり語ってもらったロングインタビューをお届けしたい。
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■進み続けることによって
■また幸せの青い鳥に出会える
──シングル「闇夜に舞う青い鳥」はアッパーなナンバーですが、メロディが美しくメロウで衣装やアートワークに使われているブルーがピッタリな曲だと思いました。今作制作にあたって3人で話したことは?
DAIGO:20枚目のシングルということもあって、どういう曲にしようかって。最初は僕が「冒険しよう」っていう意見を出して、各自が楽曲を作りつつ、選曲会でそれを出し合ったんですよ。でも、結果、選ばれたのはAKIHIDEさんが昔作った曲でした。「闇夜に舞う青い鳥」の原型を作ったのって、いつ頃だったかな?
AKIHIDE:2年以上前だと思う。当時、DAIGOくんから「この曲、フルアレンジしませんか?」っていうメールが来たのはよく覚えてます。たぶん、その時からひっかかるポイントがあったんでしょうね。でも、世に出ることはなく、そのまま眠っていた曲なんです。
DAIGO:そうそう。楽曲として素晴らしかったので、リリースタイミングをうかがっていたんですよ。
▲DAIGO(Vo) |
DAIGO:今回、打ち込み系の曲とか、新曲をいろいろ作ったんですけど、結果、BREAKERZらしいキャッチーさとロック感がある曲に着地したんです。自分で「冒険しよう」とか言っておきながら、「やっぱり、こういう曲のほうが好きだな」みたいな(笑)。リフってロックの大事な要素だと思うんですけど、この曲はまずリフがカッコよかった。シングルではこれまで、こういうシェイクのリズムも取り入れたことがなかったし、いいんじゃないかって。
──AKIHIDEさんは作った当時のことを覚えていますか?
AKIHIDE:ずいぶん前なのでおぼろげですけど、DAIGOくんが歌って僕とSHINPEIのツインギターを活かすBREAKERZらしいロックな曲を作ろうと思ったことは覚えています。歌って演奏する絵が見えるような“僕にとってBREAKERZってこんな感じだな”っていう初期衝動から生まれた曲だったんですよね。
──近年のBREAKERZのソリッドで熱くて疾走感のあるギターサウンドとは少しテイストが違いますよね。
AKIHIDE:そうですね。確か作ったタイミングでリズムの話もしたんじゃないかな。それが「闇夜に舞う青い鳥」の原型だったと思います。何年か寝かせたことによって、いまがいちばんいい聴きどきになったというか。ワインに例えたら熟成された感じがしますね。
SHINPEI:当時とはいい意味で曲の表情が変わって響きましたね。さっきDAIGOさんが言ったように、今回のシングルは「打ち込み重視でギターが入っていない曲を作ってみよう」とか、いろいろなトライをしたんです。さまざまな曲の方向性を探ってみたからこそ、改めて「闇夜に舞う青い鳥」を聴いたときに、“やっぱり俺たちにはこういう曲がしっくりくるよね”って思えたんでしょうね。
DAIGO:さんざん方向転換しようとしたあとにね(笑)。きっと当時は歌詞も“どういう内容にすればいいのかな”って、まだ自分が追いついていない面があったんですよ。それが、いまだったら書けそうだなって。メロディもポップというより憂いを帯びたキャッチーさがあって、少し大人なBREAKERZの雰囲気を持っている。20枚目を気負って作ったというよりも、自然にこうなった感じですね。
──「闇夜に舞う青い鳥」というタイトルからして綺麗ですが、歌詞も映像的、絵画的でありながら挫折を経た“人生”を思わせます。
DAIGO:そうですね。“青い鳥”は“幸せの象徴”として描いているんですが、あきらめないで前に進み続けることによって、自分が追い求めていた夢だったり幸せの形ではなかったとしても、違う鳥に出会う可能性もあるっていうことを書きたかったんです。学生でも社会人でも年代関係なく、もう少しで夢を掴みかけていたのにチャンスをモノにできなかった経験ってあると思うんですよね。それでも、苦悩したり葛藤しながら進んでいって、やり続けることによってまた青い鳥に出会えるかもしれないっていうのがテーマですね。タイトルに関しては確かAKIHIDEさんが元々仮のメロディを英語で歌っていて。
AKIHIDE:あ〜、そうだったね。
DAIGO:その部分のメロディにインスパイアされて僕が言葉を詰めさせてもらって、「闇夜に舞う青い鳥」にしました。この曲は英語を使わないほうがいいと思ったので、元のメロディを少し変えさせてもらったりもしましたね。
▲「闇夜に舞う青い鳥」初回限定盤A |
AKIHIDE:アレンジがけっこうシンプルなので、洋楽的と感じるのかもしれないですね。最近、ギター録りはSHINPEIと2人でスタジオに入ることが多かったんですけど、この曲はDAIGOくんの中に、イントロのリフだったりいろいろとヴィジョンがあったので「じゃあ、一緒にやろう」って3人でスタジオに入って、「こっちのフレーズのほうがいい」とかやりとりしながらアレンジを固めていったんです。ギターに関する曲の組み立て方は結成当時に戻った感じでした。
──AKIHIDEさん、SHINPEIさんのギターの掛け合いもカッコいいですもんね。
SHINPEI:2人の掛け合いのあとのAKIHIDEさんのギターソロはアドリブなんです。マスタリング前のギリギリのタイミングで今回のテイクになったんですよ。
AKIHIDE:3人でスタジオに入ったときにね。
DAIGO:ミュージックビデオのイメージが湧く中、曲への思い入れもどんどん深まっていったんです。最初のAKIHIDEさんのソロもカッコよかったんですけど、自分の中にヴィジョンがあって。そのヴィジョンは“LINEのやり取りじゃ伝わらないな”と思ったから直接伝えようと思って、スタジオで「ギターソロ、カーンといけますか?」って。そうしたら、音階を無視するぐらいにアグレッシヴに弾いてくれました。
AKIHIDE:“高くて、3フレットぐらい足りない!”みたいな(笑)。
DAIGO:その感じがヒリヒリしていてロックでしたね。アドリブだから「また同じの弾いて」って言われても──。
AKIHIDE:絶対、無理だね(笑)。
DAIGO:それぐらい一球入魂のギターソロでした。僕も久しぶりにギター録りに立ち会って、“ロックバンドっていいな”って改めて思いましたね。楽しかったです。
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