【速レポ】<京都大作戦2019>10-FEET、「ぶっ壊れるまで焚きつけていこうと思う」
好天に恵まれた<京都大作戦2019>3日目。10-FEETのステージも今日で3回目となるわけだが、おなじみのSEが鳴ると同時にグラウンド一面から丘の上までびっしりと色とりどりの10-FEETタオルが掲げられて波のように揺れるシーンは何度見ても壮観であり、はじまりの高揚感がある。
◆10-FEET 画像
肩車をするなどすでに臨戦態勢といったオーディエンスにTAKUMAは言葉にならない絶叫を送ると、「ケガする寸前までいくぞ、でもケガすんなよ!」と優しく一声かけてギターをかき鳴らして1曲目の「ヒトリセカイ」を歌い出す。すぐにオーディエンスも大きな声で歌い出して、源氏ノ舞台全体の気温が上がる。
この時を待っていたオーディエンスに、TAKUMAはちょっと歌詞を変えて歌ったり、普段よりもエモーショナルに語りかけるように歌を歌う。続く「super stomper」では、「友達をひとり、ふたり……1匹、2匹呼んでいいかな」(TAKUMA)というと、MAN WITH A MISSIONからTokyo TanakaとJean-Ken Johnnyが登場。KOUICHI(Dr/Cho)、NAOKI(B/Vo)によるしなやかな重低音に、狼2匹がダイナミックに飛び跳ね、歌い、盛り上げていく。今日の源氏ノ舞台は、各ステージでゲストが入り乱れて実に<京都大作戦>らしいかなり賑やかなことになっていたが、その締めくくりとばかりに、このステージでもたくさんの仲間を呼び込みつつ、また10-FEETの3人も全力で、この時間を謳歌する。開放的であり、かなりエモいステージだ。
中盤は、アルバム『Fin』(2017年)の1曲目を飾る「1 size FIT ALL」から7月24日リリースのニューシングル「ハローフィクサー」へと、変幻自在でプログレッシヴな10-FEETの最新形ミクスチャーをつないでいく。ラウドで攻撃的なリフやフレーズからジャズなどの洒落たエッセンスも、歌心も、強靭なグルーヴから直線的なビートまで、多種多様なモチーフで縦横無尽に展開するサウンドの面白さにオーディエンスからは悲鳴のような歓声が上がる。最高の笑顔で楽しむオーディエンスにTAKUMAは、「ありがとう。ありがとうしかない!」と叫ぶ。NAOKIも「ありがとう! めっちゃ晴れてるやん、それだけで今日は幸せです、ありがとう」と続け、MCのバトンを受け取ったKOUICHIは「これだけは言うとくわ……ありがとう! 最後まで楽しめよ」と、惜しみなくありがとうの大放出をした。
「goes on」では「友達をもう一回呼びます」と、この<京都大作戦>で開催されているバスケットボールのトーナメント戦「京都大作戦杯」から、おなじみのチーム 大阪籠球会とコラボレーション。彼らの曲に合わせた華麗なボールさばきで、ボールが高く跳ね上がると同時にオーディエンスもまた高くジャンプし、ダイブする。カルチャーをミックスしたエキサイティングなコラボを見せた。
「すごいね、大阪籠球会。明日もやっているので見に行ってください。ライブもスポーツも、お前らのノリ方もそうだけど、本気ってカッコええな。人間の本気はドキドキするな」とTAKUMA。そして、さらにMCを続ける。「お前らの横にも、隣でめっちゃでかい声で本気で歌ってるやつおるやん? でもきっとなかには心からノレてへんのに、とりあえず大きい声出してるやつもいたりすると思う。これは皮肉じゃなくて、俺もライブでそういう日があるから。全然気持ちがノレへん、だからとりあえず思い切り“イエーーイ!”って叫んで、自分を焚きつけるんよ。一緒やろ、みんなも。努力して勉強するとか、スポーツや楽器の練習するときでも、気分がノルときとノラへんときあると思うねんな。俺らバンドマンはよく、“無敵の日ってありますよね”みたいなことを言うんだけど、そういう時はどんどんノッていけるの。でも、ポンコツな日もある。今日はちょっと興奮しすぎていて、どっちかわからないけど(笑)。わからんけども、ぶっ壊れるまで焚きつけていこうと思うから、よろしく!」(TAKUMA)
さらに、「本気でむき出しの心になれるように俺も本気でやっていきたい」と語って演奏したのが「太陽4号」。いつもよりもエモーショナルに、心からあけすけに出てきた独り言のように歌う「太陽4号」が心に響く……と、しみじみ浸る間も無く、間髪入れず今日はこれで何度目だろうという、「RIVER」へ。しかし何度だって歌うし、何度だってオーディエンスのシンガロングは声が涸れることがない。Dragon AshからKjも登場し、コール&レスポンスで盛り上げたうえに、ステージの照明を消してもらってオーディエンスのかざすスマホの灯りのなか大合唱を指揮するなど、盟友のステージに美しく感動的な光景を演出した。<京都大作戦>皆勤賞のKjだからこその、粋なはからいでもある。本編ラストは「蜃気楼」。怒涛のごとくダイバーが続き、もみくちゃになりながらもシンガロングのボリュームは上がっていく。最後の最後まで、10-FEETの3人もオーディエンスも笑顔だ。
アンコールでは、これも<京都大作戦>のオーディエンスにはおなじみだろう。KOUICHIが「NAOKIと俺の時間や! もうお前ら飽きてると思うけど。よし、ギターいこう!」と言って、NAOKIのギターでKOUICHIが藤井フミヤの「TRUE LOVE」を熱唱。途中、TAKUMAがベースで加わって、NAOKI=ギター、TAKUMA=ベースというスペシャルな「2%」を披露した。オーラスは、本日は出演していないが遊びにきていたROTTENGRAFFTYのN∀OKIとNOBUYAを招き入れて、「その向こうへ」で締めくくった。明日もあるが、出し惜しみのない全開のステージで<京都大作戦>3日目が終幕となった。
取材・文◎吉羽さおり
撮影◎HayachiN
【10-FEET セットリスト】
02. super stomper
03. 1 size FITS ALL
04. ハローフィクサー
05. goes on
06. 太陽4号
07. RIVER
08. 蜃気楼
encore
en1. TRUE LOVE(カバー曲)
en2. 2%
en3.その向こうへ
■<京都大作戦2019 -倍返しです!喰らいな祭->
6月30日(日) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
7月06日(土) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
7月07日(日) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
開場 9:30 / 開演 11:00 / 終演 20:00予定
この記事の関連情報
10-FEET、バンド史上屋内最大規模のライブ映像作品を12月発売決定。全31曲・約2時間半のライブ+ドキュメンタリー映像も
【舞台裏インタビュー】<山人音楽祭2024>10-FEET、「ジャンルの壁や境界がない」
【ライブレポート】フェスの改革と変化。音楽フェス文化を次世代へつなぐ<フジロック>の現在地
【速レポ】<京都大作戦2024>10-FEET、今年も新たな伝説の1ページを加え閉幕「ほんまかっこよかったから、ライブもみんなも!」
【速レポ】<京都大作戦2024>SUPER BEAVER、「おまえの時間だぞ! 音楽しようぜ、大作戦!!」
【photo_gallery】<京都大作戦2024>牛若ノ舞台、Age Factory
【速レポ】<京都大作戦2024>マキシマム ザ ホルモン、「今年はanoちゃんと一緒に翔んで騒いで遊びな祭!」
【速レポ】<京都大作戦2024>Dragon Ash、「俺たちにとってこんないい日はないわ」
【photo_gallery】<京都大作戦2024>牛若ノ舞台、Paledusk