【インタビュー】ALICE IN MENSWEAR、濃密な初ライヴを終えて「命を捧ぐ本気度が伝われば」
■michi.が「歌のない曲が欲しい」と言い出して
■それってボーカリストが言うセリフか!?と(笑)
──ユニットの初ライヴということもあって、どういう楽曲を披露されるか?とても気になっていましたが、蓋を開けてみると全てオリジナル曲でしたね。カバーとかされるのかな?と思ったりもしましたが、ライヴ前に公開されていたアーティスト写真やミュージックビデオを見て、意気込みを感じてからはカバーなどはされないだろうなとも感じたんです。全曲オリジナルというのは拘りましたか?
michi.:1st音源制作の段階で、「ミニアルバムとかではなく、フルアルバムでいこう」という流れがあったからか、2人とも話し合う前から全曲オリジナル曲でのライヴという意思はすでに固まっていましたね。もちろん話し合いはしましたけど、一致して即断即決だったのですぐに制作モードへ移行できました。アルバム制作とはまた少し違った観点というか目標で作曲作詞出来たのも楽しかったですね。ライヴに向けてもっとこんな感じの曲が欲しい、みたいなビジョンが明確に定めやすかったです。
▲<Wonderland For The Lost Children>2019年4月12日@新宿ReNY |
──カバーなど入る余地がありませんね。
KOJI:曲はもちろん、照明や映像などの演出、PAから放たれるサウンド、全てにおいて俺とmichi.の想いを込めて届けたいと思っています。もちろんアルバムを創り終えて、すぐにライヴに向けての準備をしつつ、さらにライヴに向けて曲を創るのはかなり大変でした。とある曲はリハーサルの1週間前くらいにサポートチームに渡すようなギリギリの仕上がりになったりして、サポートメンバーやスタッフの協力なしにライヴは成功できませんでした。でも、俺とmichi.の想いが伝わっていたので、みなさんが強力に力を貸してくれて、本当に感謝しています。
▲<Wonderland For The Lost Children>2019年4月12日@新宿ReNY |
KOJI:普通はそう思うでしょうね。でもこのアイデアはmichi.発案なんです。「オートマタ -鋼鉄少女A-」の制作秘話で、この曲を創る前にどういう曲を作ろうかとミーティングしていた時にmichi.が「歌のない曲が欲しいんだよね」と言い出して、それで曲が完成した経緯があって。俺は驚きましたね。「それってボーカリストがいうセリフか!?」って(笑)。
michi.:理由を説明するとKOJIはすぐに理解してくれるんだけど、こういう発言の度に、KOJIはいつも驚いてますね。
KOJI:普通に驚くよね(笑)。今回もセットリストを決めていく途中でmichi.から出たアイデアに「instrumental」と書かれたセクションがあり、「これ何?」って聞いたら「俺はステージからいなくなるからギターインストやって」って。繰り返しますけど、「それってボーカリストがいうセリフか!」でしたよ(笑)。驚きましたが、michi.なりに“ギターが光を浴びる瞬間を作る”って考えてくれてるんだと思うと、愛を感じたし嬉しかったですよ。それでどういうギターインストを奏でようかと思った時にふと浮かんだ曲があって。先ほど言った「オートマタ -鋼鉄少女A-」にはボツバージョンがあって、当時曲が出来た時にmichi.に聴かせたのは2つバージョンだったんです。
──それぞれどういったところが異なっていたんですか?
KOJI:「オートマタ -鋼鉄少女A-」を作っていく途中でこの曲に対する想いが2つあって、一つは暗闇の世界に生まれ、そして一筋の光を感じながらも暗い世界へ帰っていく、という世界観。これがアルバムに収録されたバージョンです。ボツにしたバージョンは暗闇の世界で生まれて一度光り輝く世界に身を任せ、そしてまた暗闇に帰っていく。同じ暗闇に帰っていくんだけど、その暗闇の中での生き方が全然変わるというシナリオで。そのボツにしたバージョンの世界観もmichi.は気に入ってくれていて、そのギターでメロディを奏でているパートをライヴで演奏しようと思ったんです。偶然にもインストパートは「オートマタ -鋼鉄少女A-」の次だったので自分の中でも世界が繋がるというか、アルバム制作時から想いが繋がっているのかなという気持ちになりました。
michi.:インストセクションはただ僕が個人的に欲しかっただけです(笑)……ってのはジョークで。以前、KOJIのソロを聴いた時から、ギターインストでのKOJIのギターの説得力や構築力に感動した自分がいたので、その感覚をみんなと共有したかったというか。せっかくのお披露目ですし、持てる武器はもったいぶらず、総動員させたかったんですよね。僕は映画音楽やゲーム音楽も大好きで、声にしか出せない説得力ももちろんありますが、インストにしか出せない魅力もあったりして。想像力を掻き立てられる自由さを楽しめるというか。そんな魅力も自分たちのステージでしっかりとアピールしたかったんですよね。
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