【インタビュー】西村まさ彦の音楽活動の実態と信念に迫る、ライブ映像も特別公開
福山翔大主演の青春音楽映画『JK☆ROCK』にて、ロックカフェの店長・照雄役を好演する西村まさ彦。映画でも熱量溢れる歌唱を披露しているが、それもそのはず、彼は数年前から音楽活動を行っているのだ。1年に一度のペースで行われる<西村のライブ>の形態はツアーであったり、単発のライブであったりと様々。2018年は東京にて演劇と音楽の2部構成で2デイズ開催された。彼の音楽活動の実態と信念に迫るべく、インタビューを行った。
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■良ければ人は集まるし、いいものは残っていく
──音楽活動を始めたきっかけとは?
西村:12、3年前、舞台が終わったあと、共演者と飲んでいる時に「バンドをやりませんか?」と声を掛けられたのがそもそもの始まりですね。3人で組んだものの、なかなか全員がイメージしている方向に行かず、バンドは解散して。そのあとご縁があり、脚本家の金子茂樹さんに詞を、金子さんのご友人の羽井一彰さんに曲を書いていただきました。
──ご縁と言いますと?
西村:バンドを組むよりも前に金子さんのお書きになった作品に出させてもらって、それからつかず離れずみたいな感じで交流があったんです。それで彼と飲んでいる時に「ライブやりたいんだけど、詞を書いてくれないか」と僕からお願いした……という流れだったような気がしますね。そしたら「いいですよ。じゃあ僕の友人が曲も書けるしピアノも弾けるから一緒にやったらどうですか?」と提案してくださって。
──では西村さんと金子さんと羽井さんの3人で音楽グループを組んで始めたということなのですね。
西村:そうですね。金子さんは厳しいんですよ。1回グループ解散の危機がありました(笑)。吉祥寺のライブハウスで、本番直前のことでしたね。金子さんも僕も真剣にやっていたんですけど、彼が求めるレベルと僕のやっていることの次元に、あまりにもずれがありすぎて「こんなんじゃやってられない!」とご立腹なさいました(笑)。でも、それを乗り越えたんです。
──どのようにして乗り越えたのでしょう?
西村:僕が頑張ったんです。ハートで叫んだんですよ。音楽はやっぱりそこが大事ですよね。もちろん技術的なことも大事なんですけど、いちばん大事なのはハートだと思います。それから1年に1回くらいのペースでひっそりと、<西村のライブ>というタイトルのライブやツアーをしています。
──その「ひっそり」というのにはどんな理由が?
西村:それしか方法がなかったからですね。宣伝を大々的にうてばいいってもんじゃない!良ければ人は集まるし、いいものは残っていく。より多くの人に楽しんでもらいたいという気持ちは持っているんですが、地道な活動を継続させてひとりでも多くの人に聴いてもらえることになればいいなと思っているんです。今できることをできる範囲でやっていく。この地道なライブ活動が現在のスタンスです。
──場所と趣向を変えて毎年開催されている<西村のライブ>、2018年は演劇と音楽の2部構成でした。
西村:俳優を目指している人たちが自分を表現する場はなかなかないので、その力になれたらいいなという想いから、音楽をテーマにした30分くらいの作品を作っていただいて、演劇と音楽の2部構成にしました。2018年のライブは久しぶりに羽井さんと一緒に音楽をやるといううれしさもありまして、去年のライブはリハでだいぶ歌い込みました。だから本番でいい意味で叫べましたね。僕の歌は叫びなので。
──叫び、ですか。
西村:この前TVを観ていたら、ドリアン助川さんの特集が放送されていて。その番組で流れた「叫ぶ詩人の会」というバンドをしていた時代の映像を観ました。綺麗に歌おうとしていない、想いを音に乗せてメッセージを伝えているという印象を受けたんです。伝える!それは自分のスタイルと似てるなと感じましたね。
──羽井さんのピアノに乗せて、喜劇的な歌詞を歌うというスタイルは、3人で話し合いのうえお決めになるのでしょうか?
西村:いえ、楽曲の方向性はふたりに任せているので僕から意見は一切言いません。ふたりとも「西村にはこれがいいだろう」と考えて作ってくださっているので、「ああ、金子さんは僕のことをこう見ているんだな」と詞を通してわかるという感じですね。今おっしゃった喜劇的というのは、ある意味そうかもしれませんが、すべてではないと思いますよ。
──なるほど。
西村:僕も金子さんの歌詞にどれだけメッセージ性があるかどうかはわからないですけどね(笑)。でもそれでいいんです。メッセージの伝え方は人それぞれですからね。
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