【インタビュー】バーニング・ウィッチーズ「現代的なタッチの1980年代メタルよ」
スイスから現れた新星バーニング・ウィッチーズのニューアルバム『ヘクセンハンマー』が2018年12月19日に発売となった。デストラクションのシュミーアから全面的なバックアップを受けているというバーニング・ウィッチーズは、現代的なタッチの1980年代メタルを響かせる、ハイクオリティな正統派女性メタルバンドだ。
◆バーニング・ウィッチーズ映像&画像
ニュークリア・ブラストからリリースされたセカンド・アルバム『ヘクセンハンマー』について、ドラマーのララに話を聞いた。
──ニュー・アルバム『ヘクセンハンマー』は、デビュー・アルバムと比べてどのような点が進歩しているでしょう。
ララ:このアルバムは、あらゆる点において成長していると思うわ。聴いてもらえばわかると思うけど、アレンジも曲自体も良くなっている。演奏も歌もすべてよ。音質も良くなっているし。
──なるほど、すべてですね。とても素晴らしいアルバムですよね。
ララ:ドウモアリガトウ。
──日本語を勉強しているのですか?
ララ:実は日本に9年住んでいたことがあるの。シゴトシテタ。でもニホンゴワスレマシタ(笑)。
──バンド名がバーニング・ウィッチーズで、アルバム・タイトルが『ヘクセンハンマー』…と、魔女というコンセプトにこだわりがあるようですが。
ララ:すべてがウィッチクラフトについてというわけではないわ。戦争や破壊、人々の行動、人種差別に対して目を開かせると言うような内容もある。「ドント・クライ・マイ・ティアーズ」は鬱について。タイトル曲は『Hexenhammer(魔女に与える鉄槌)』と言う本を書いたハインリヒ・クラーマーについて。「デッド・エンダー」も彼についてよ。「エクセキューテッド」はスイスの最後の魔女について。だから、魔女を扱った歌詞もあるけれどすべてというわけではない。歌詞はセレイナが書いているの。
──今回のアルバムには、ディオのカヴァー「ホーリー・ダイヴァー」が収録されていますね。デビュー作にはジューダス・プリースト「ジョーブレイカー」が入っていましたが。
ララ:「ホーリー・ダイヴァー」は、私たちが初めてジャムをした曲なの。本当に美しい曲だし演奏するのも大好き。ライヴでも何度もプレイしていてお客さんもみんなとても気に入ってくれたし、いつも大合唱になるの。あの曲を知らない人なんていないでしょ?メタルの最高のアンセムのひとつだもの。それで、せっかくだからセカンド・アルバムに入れましょうって。次は「ホーリー・ダイヴァー」を入れてほしいと言われることもあったから。この曲はライヴ・アルバムにも入っているのよ。
──アイアン・メイデンズのコートニー・コックスがゲストで参加していますね。
ララ:コートニーとロマーナが友達で、アイアン・メイデンズと一緒にスイスとオーストリアで1回ずつプレイしたことがあるの。「メイデン・オブ・スチール」は100%メタルなスペシャルな曲だから彼女に参加してもらった。とても素晴らしいプレイをしてくれたわ。彼女は本当に凄いギタリストよね。最高のギタリストのひとりよ。
──新しいギタリスト、ソニアとはどのようにして出会ったのですか?
ララ:ロマーナがFacebookで見つけたの。おそらく2人はもともと繋がっていたんじゃないかしら。ソニアはソーシャル・メディアではよく知られていて多くの人がフォローしているのよ。だからロマーナは簡単に彼女を見つけられたのだと思う。ロマーナが誘ってみたら「私はバーニング・ウィッチーズのファンなの。ぜひ参加させて」って。すぐにうまく行った。若くて才能のあるオランダの女性よ(笑)。人間的にも素晴らしいし。
──やはりメンバーは女性?男性が加入する可能性はなかった?
ララ:それはないわ。全員女性のバンドをやるのがロマーナの夢だったから。単に全員女性というだけでなく、本物のヘヴィメタルをプレイして、ステージを燃え上がらせることができるバンドをやることがね。彼女はアトラス・アンド・アクシスというバンドもやっているけど、そこでは女性は彼女だけなの。
──バーニング・ウィッチーズは、どのようなバンドから影響を受けているのでしょう。
ララ:間違いなく私たちのヒーローであるアイアン・メイデンとジューダス・プリーストね。何しろ彼らは今でも現役バリバリでしょ?エネルギーに溢れていてとても大きな影響を受けるわ。パンクやハードコアのバンドであっても、彼らから影響を受けないなんて不可能よ。それから、もちろんディオ。素晴らしいアーティストだわ。残念ながら彼に会うことはできなかったけれど。
──では最後に、日本のファンへのメッセージを。
ララ:日本には素晴らしいバンドがたくさんいることを知っているわ。バーニング・ウィッチーズをぜひサポートしてね。ニュー・アルバム『ヘクセンハンマー』を聴いてみて。現代的なタッチの1980年代メタルが好きならば、このアルバムを気に入ってもらえるはずよ。それから、ぜひ日本でプレイしてみたいわ。9年間住んでいた日本に行ってショウをやれたら泣いてしまうかも(笑)。私の夢ね。日本人は本当に素晴らしいし。日本はすべてが素晴らしいわ。
取材・文:川嶋未来
写真:Martin Rahn
バーニング・ウィッチーズ『ヘクセンハンマー』
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※日本語解説書封入/歌詞対訳付き
1.ザ・ウィッチ・サークル
2.エクセキューテッド
3.ローズ・オブ・ウォー
4.オープン・ユア・マインド
5.ドント・クライ・マイ・ティアーズ
6.メイデン・オブ・スチール
7.ダンジョン・オブ・インファミー
8.デッド・エンダー
9.ヘクセンハンマー
10.ポゼッション
11.マンイーター
12.ホーリー・ダイヴァー(ディオ カヴァー)
[ボーナストラック]
13.セルフ・サクリファイス
14.ドント・クライ・マイ・ティアーズ(アコースティック)
【メンバー】
セレイナ(ヴォーカル)
ロマーナ(ギター)
ソニア(ギター)
ジェイ(ベース)
ララ(ドラム)
◆バーニング・ウィッチーズ・レーベルサイト