MISIA、20周年記念公演ファイナル「私を歌手にしてくれてありがとう」

MISIAのデビュー20周年記念公演＜20th Anniversary THE SUPER TOUR OF MISIA -Girls just wanna have fun-＞が、4月28日（土）、神奈川・横浜アリーナにてファイナルを迎えた。

◆＜THE SUPER TOUR OF MISIA＞画像

同公演は、大阪城ホールと横浜アリーナの2会場で全4公演を行なうアニバーサリーツアーとして開催されたものだ。ツアーファイナルでは、自身の歴史を彩る代表曲の数々を、タイトルの通り“SUPER”な演出のもと約2時間半にわたって惜しみなく披露。息を呑むほどダイナミックで彩り豊かなステージで、20周年を迎えてなお進化し続ける歌姫の姿を印象づけた。

時刻は17時。ターンテーブルに見立てたメインステージでDJ EMMAがオープニングを盛り上げ、場内をビームライトが飛び交う中、会場中央に設置された巨大な垂れ幕にスポットが当たる。1998年当時のMISIAのビジュアルを描いた幕がSEとともに勢いよく下ろされると、中から出現したタワーの頂上にはMISIA本人の姿が。ハイトーンボイスで歌い上げる「INTO THE LIGHT」のオープニングに、場内は一瞬時間が止まったかのような衝撃に包まれるが、MISIAの「横浜アリーナ!!」の声で観客は我に返ったかのように大きな歓声を上げ、幕開けから会場のボルテージは最高潮に達する。


アニバーサリーにふさわしく、新旧楽曲を織り交ぜた構成で進行していったこの日のライブ。最新曲「君のそばにいるよ」や1998年発表の「陽のあたる場所」など歴代の名曲に加えて、未発表曲「LADY FUNKY」も披露された。強い女性像を歌い上げたこの新曲は、ツアーのサブタイトルに掲げられた“Girls just wanna have fun”にも重なる、女性にもっと人生を楽しんでほしいというメッセージが伝わってくるような楽曲だ。

また、「逢いたくていま」ではスペシャルゲストとしてダンサーの菅原小春が登場し、歌詞の内容に沿って振り付けられたコンテンポラリーダンスとのコラボレーションで圧巻のパフォーマンスを展開。さらに前半戦のブレイクでも、辻本知彦の振り付けによるコンテンポラリーダンスとストリングスによる共演が繰り広げられ、会場は一気に幻想的な世界へ引き込まれた。



続いてライブはバラードセクションへと突入し、蒼い月が浮かぶ神秘的な空間がステージに広がると、白一色の妖艶な衣装に身を包んだMISIAが登場。粉雪が舞い散る中で「SNOW SONG」を届け、ダンサーたちと共に花道からセンターステージへゆっくりと歩みながら、続けて「飛び方を忘れた小さな鳥」「Everything」を歌い上げる。小さな体で唯一無二の歌声を響かせるMISIAと楽曲の世界観を体いっぱいに表現するダンサー陣の渾身のパフォーマンスに、思わず涙する観客も多く見られた。

後半では「THE GLORY DAY」「MAWARE MAWARE」など名曲の数々が怒涛のように披露され、ラストは1998年2月21日、MISIAがシンガーとしての人生の始まりを刻んだデビュー曲「つつみ込むように･･･」へ。「私を歌手にしてくれてありがとう！」と涙をこらえながら語るMISIAの姿とともに、大きな感動に包まれてアニバーサリーライブは幕を閉じた。

MISIAはこの後6月17日（日）から＜星空のライヴ＞の全国ツアーを開催し、7月には＜FUJI ROCK FESTIVAL '18＞にも出演。年内にオリジナルアルバムのリリースも予定されているという。

Photos by Santin Aki/Brain Chen