【インタビュー】KO KIMURA「DJのプレイに身を委ねてみると最高の時間を過ごせると思う」
■ナイトクラブは初対面同士の意気投合や
■情報交換がでいるというところも魅力
──KOさんから見た、DJにむいている人とは?
KO 例えば、学校や会社、友達の中でも、新しい音楽や流行りの何かを見つけてきて、人に教えてあげるのが好きな人、あの子に聞けば何でも今イケてるものが分かる!というアンテナが常に立っているタイプの人、友達に自分の好きなものをお勧めするのが好きな人は、DJに向いていると言えると思います。自分だけで音楽を聴いて満足するタイプ人は、普通の音楽ファンだと思うので。あとは、CDを3枚買う人っているじゃないですか? “自分用に1枚”、“保存用に1枚”、“布教用に1枚”という具合。これをしてる人は、とてもDJに向いていると思います(笑)。
──DJの素質がある人、スターDJになれる人の特徴とは?
KO DJの素質は、自分が見つけてきた素晴らしい音楽や曲の良さを、DJプレイというものに魂としてのせていくということでもあるんです。料理人もそうで、素晴らしい食材で自分独自の調理方法とアレンジを勉強し探求して、人に新しいカタチとしてお勧めして提供することに喜びを感じる人も素質があると言えますよね。また音楽とリンクしたカルチャーが好きという部分も意外と重要だったりすると思います。
──ナイトクラブのいいところ、その魅力とは?
KO 最近は、みんなが平均化して飛び抜けたがらない時代。つまり人よりかっこいいとか目立つ、頭ひとつ抜きに出るということが好まれない、暗に歓迎されない、されにくい時代ですよね。みんな普段の生活に疲れていたりして、SNSなんかでも情報が溢れすぎていて、逆に触発されにくいというか。情報が情報にどんどん埋もれていってしまうというか……人は買い物に行った時、選択肢が多すぎると選べなくってしまって結果買わないで帰ったりするのと同じ。でも、ナイトクラブに行くと、同じ音楽やファッションが好きな人たちが集まったり、どちらかというと異端児体質だったり(笑)、目立ちたがりだったり、尖ったタイプの人たちも集まったり……とにかくカウンターカルチャーやサブカルチャーに対するアンテナが立っている人が多く訪れる場所でもあるで、情報は精査されたもの、ある一定のジャンルのものが集中しやすかったりする環境なので、情報交換もスムーズにでき、日本の道端や街中では絶対にできない、初対面同士の意気投合や情報交換がでいるというところも魅力のひとつだと思いますね。もちろん、世界で最新のイケてる音楽にも出会えるわけですから。
KO KIMURAが考えるナイトクラブの魅力とクラブ遊びの心得
◆普段家では聞くことのできない音量やサウンドシステムで音楽を聴くことができる
◆自分にあった音楽のジャンルを知り、掴むところから入ってみよう
◆遊びに行きたいナイトクラブの傾向をつかもう(このジャンルのパーティーが多い/こんなお客さんが多いなど/ピークタイムの時間等)
▲世界のレストラン番付一位のコペンハーゲンのnomaのオーナーシェフ“レネ・レゼピ”とシェフチーム、リッチー・ホウティン、ダブファイアらと
──いいDJを見分けるポイントは?
KO 笑顔じゃなくても、心から楽しくプレイしているDJはいいDJだと思いますね。テクニックの面で言及するのは難しいです。というのも今は、機材が進化していて大抵のことを機材やPCがやってくれるので、ボリューム感とかは見極めるポイントのひとつと言えるかもしれないですね。あとは曲を理解していいるDJはいいDJ。また、この曲は歌詞で繋がっているとか、ノリは違うけど同じプロデューサーのリミックスだとか、同じアーティストの曲だとか……いわゆるダンスミュージック・リテラシーを重要とするDJもいますが、それは理解すれば面白い部分ですが、それがなくてももちろんいいDJはいますね。
KO KIMURAが考える“いいDJ”とは
◆1時間はディナーコースと同じ。フルコースなら、スープ、前菜があって、メインディッシュが出て、綺麗にデザートで締めるという...カタチがベスト。今日は美味しいコースが堪能できて満足だなと思わせてくれる、そんな1日を提供できるできるDJはいいDJ。
──最後に、まだナイトクラブに行ったことがない、DJプレイを体感したことがないBARKS読者にメッセージを。
KO プロのDJは、仕事としてはもちろんですが、自分の大好きな音楽を、遊びに来てくれたお客さんに聴いてもらいたいという気持ちでやってきているので、そのDJが選曲する音楽を聴いてあげようという気持ちで積極的に楽しんでもらえれば、自ずといいDJも見つかると思いますし、ナイトクラブに遊びに行った時には、そのDJのプレイに身を委ねてみると、最高の時間を過ごせると思います。
例えばそうでなくて、あらかじめ知っている曲や期待通りの展開だけで盛り上がりたい人は、いわゆるアーティストDJ(有名人や芸能人でDJをしている人)のいるパーティに行ってみればいいと思います。それぞれが思う楽しみ方をしてくれると嬉しいですよね!
KO KIMURAから、まだなナイトクラブに行ったことがない人へ
◆ウエイウエイ言って盛り上がるだけがナイトクラブの楽しみ方ではない
◆自分が好きな音楽やジャンルを自己リサーチしてみよう
◆ナイトクラブとは、お気に入りのファッションを着ておしゃれしていく場所。遊びに行くこと自体が自己表現になる
◆同じようなことを考えている人が沢山いるから仲間やチャンスを見つけられるかも
◆曲をかける順番を考えるのがDJでもあるので、youtubeやネットメディアで聴く以外の音楽の楽しみ方に出会おう
◆ナイトクラブのサウンドシステムは、ダンスミュージックのためにできているので、上下左右の音の動きの3D感は、家では味わえない楽しさがあるので体感してみて(ナイトクラブで音の動きを感じて初めて出会える音楽や楽曲の姿もある)
取材・文:NazChris
◆KO KIMURA オフィシャルサイト
この記事の関連情報
新潟を代表するDJ KAIのアルバムにKO KIMURA、SUGIURUMN、A.Mochiらが参加
【連載】KO KIMURA「Underdigic」vol.7「ダンスミュージックとアニメ音楽と」
【連載】KO KIMURA「Underdigic」vol.6「ハウス/テクノなどのDJ系ダンスミュージックの楽しみ方3」
【連載】KO KIMURA「Underdigic」vol.5「ハウス/テクノなどのDJ系ダンスミュージックの楽しみ方2」
【連載】KO KIMURA「Underdigic」vol.4「ハウス/テクノなどのDJ系ダンスミュージックの楽しみ方」
【連載】KO KIMURA「Underdigic」vol.3「最新最速!世界のダンスミュージック事情 2018 SUMMER!」
【連載】KO KIMURA「Underdigic」vol.2 「フェテ・ド・ラ・ミュージック - パリでもっとも長い1日 - 」
【連載】KO KIMURA、キャリア33年を誇るDJによるコラム 「Underdigic」
KO KIMURAのDJ 30周年イベントにTOWA TEI、大沢伸一、☆Taku、マーク・パンサーら集結