【対談連載】ASH DA HEROの“TALKING BLUES” 第7回ゲスト:JUON
■次の音楽シーンに響いてフォーマットになれる
■そういうところに行けたらいいな──JUON
──ちなみにLINEでどんなやりとりを?
JUON:DURANや圭クンの4人でグループLINE作って、ボイスメモで録って送ったりしててね。この前、いきなり送った曲が「WE ARE FAMILY」ってやつで(笑)。
ASH:久しぶりにJUONくんがグループLINEに、“WE ARE FAMILY〜今度会ったらハグしよう〜”って謎のメッセージを送ってきて(笑)。こっちは“ハッ…?”ってなるじゃないですか。既読もすぐに2つぐらい付いて。JUONくんはどうしたんだろうな?と思っていたら、急にMP3がバンと貼り付けられて(笑)。そしたら“♪WE ARE FAMILY〜今度会ったらハグしよう〜”っていう曲だった(笑)。
JUON:アコギの弾き語りで。
ASH:それが超クオリティ高い曲で(笑)。
JUON:曲を貼り付けたら、すぐにASHからアンサーソングじゃないけど、「WE ARE FAMILY 2」が貼り付けられた(笑)。ヤバイよね(笑)。
ASH:僕はヒップホップ畑出身だし、すぐにアンサーしなきゃなと。カントリーとかモータウン調で来たから、僕はロック調にソウルフルな弾き語りで(と両曲をスマホから聴かせる)。
JUON:両手を広げて歌い上げるような感じのいい曲でしょ、これ(笑)。歌詞に“YOU ARE MY TREASURE”って入っちゃってる(笑)。
ASH:そう、君は僕の宝だ、出会いは宝だっていう歌詞のアンサーソング。そしたらDURANは“なんだ、なんだ。このグループLINEで何が始まったんだ”ってメッセージを貼り付けてくれて(笑)。
JUON:しかもアンサーソングが返ってくるまでに、わずか2分ぐらいしか掛かってなかった、ヤバイでしょ、このレスポンスとか(笑)。おもしろ過ぎる、グルーヴィー過ぎるっていう(笑)。
ASH:あるかな(笑)。いや、4人だけのグループLINEだからね(笑)。そうそう、今後のロックシーンについても話してみたいんだけど、そういうのは意識する?
JUON:一応だけど、最新の音楽とか、マルーン5やコールドプレイが新曲を出したときは、1回は聴くようにしていて。やっぱり日々、まだメロディが進化をしてるんだよね。EDMながらアヴィーチーとかZeddとか、ダンスミュージックのメロディ観をカルヴィン・ハリスとかが使っていることに、ウオッ!って驚いて、それが自分でソロを始めるきっかけの最初のポイントにもなったんだよね。
ASH:分かる。アヴィーチーの「Wake Me Up」を聴いたとき、へぇーと思って。
JUON:自分の癖でメロディを作っちゃいがちなところから外れて、新しいメロディを発信しているミュージシャンが増えてきた。ロックシーンや音楽シーンは、まだこれから新しいメロディが来るんじゃないかなと思っていて。
ASH:僕もそう思う。
JUON:歌詞とメロディは一緒に訪れるものではあると思うから、この言い回しに聴いたことのないメロディがプラスされて、新鮮に聴こえるものが、2018年や2019年の音楽が生まれていくんじゃないかな。そんな感じがしてて。
ASH:止まることを知らずに進化しているっていうのは、すごく感じる。エド・シーランとかもその代表のひとりだと思うし。あとザ・ウィークエンドが、僕はすごくおもしろいと思ってて。マイケル・ジャクソンみたいだし、曲もおしゃれなんだけど、でも歌詞がすごく暗くない? ニルヴァーナの世界じゃないけど、退廃的でアナーキーな感じもしてて。だけど、すごくポピュラリティのある曲。その組み合わせの気持ち悪さも、ちょっと気持良く感じたりしてるんだよね。僕は『グラミーアワード』を必ず観るようにしているんだけど、この前はブルーノ・マーズが賞を獲りまくっていたでしょ。でも僕に突き刺さってきたのはラッパーのロジックの曲「1-800-273-8255」。いじめ自殺の曲で、言語が違ってもブチ刺さってくるものがすごくあったし。賞は獲れなかったけど、人の心にしっかり残る。そういうアーティストもいるし、ブルーノ・マーズのように自分の愛してた音楽を現代音楽として進化させて料理しちゃう人も出てくるし。楽しみだよね、今後の音楽シーンは。
JUON:うん。でもズルいっていうか、ヤバイって思わされるよね。マルーン5、コールドプレイ、ブルーノ・マーズの最先端のアンテナの張り方は、やっぱヤバイんじゃないかって。あの人達が曲を出したら、それが一旦、ベーシックになっちゃうところがあるし。
ASH:そう、ひとつのフォーマットに。コールドプレイとか、ほんとにそうだからね。
JUON:そういうフォーマット作るようになりたいよね。
ASH:そっち側のミュージシャンになりたい。それはすごくある。
ASH:Macを買えばガレージバンドというアプリが入っていて、ギターさえあれば曲が作れちゃう。なんなら携帯のムービーで弾き語りだって録れちゃう(笑)。誰もが作曲できる時代になってきて、誰でもクリエーターになれる時代だと思うから。
JUON:そういう意味で現代の音楽を考えると、米津玄師さんは時代を象徴するようなアーティストだなと思って。
ASH:すごくカッコいいよね、曲とか。ビックリするぐらい。ヒップホップ用語になるけど、ナードなミュージシャンだと思う。部屋にこもって、誰にも知られざる実験をものすごくしているんだろうなって。そうじゃないと、あんなにトリップホップっぽいリズムに対して、あの歌詞やメロディをはめられないだろうし。
JUON:米津さんも、サウンドはもちろん、歌を大切にする度合いは変わらないと思う。そう考えると、俺とかASHとか、同じところを重視していると思うからね。
ASH:根幹の部分は絶対にそうだよね。歌う人達は、やっぱり歌いたいことがあるから歌っているわけで。歌いたい何かや訴えたい何かや、誰かの代弁をしたいという何かがあるんだと思うよね。
JUON:ずっとやっていると新しいものがどんどんできてくるし、明日思うことで新しい曲が生まれるし、それが次の音楽シーンに響いてフォーマットになれるような。そういうところに行けたらいいなって野望は尽きないよね。
ASH:新しい世代や価値観を持った人達が出てくるのは当然だし、そういう人達からどんどん吸収したいなって欲もメチャクチャある。
JUON:そうだよね、常にスポンジでいなきゃダメだよね。
ASH:そう思う。頭の中のクリエイティブな部分は、永遠に小学生とか幼稚園児のままでいいと思っているから。他の音楽や新しい音楽に対して、アングリーな気持ちとかよりはハングリーな気持ち。そうでいたいというか、自分はそういうタイプだからね。
JUON:曲はいっぱい作りたいからね。そうするとインプットが大事になってくる。いろんな世界を見たほうがいいし、いろんな人と出会ったほうがいいからね。
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