【対談連載】ASH DA HEROの“TALKING BLUES” 第7回ゲスト:JUON

ポスト

■そこもシンクロしちゃったんだね
■僕らだけだよ、MTR使ってるのは──ASH DA HERO

ASH:いや、だからあの日のセッションをして、そうじゃないなと思ったよ(笑)。だってセッションでは、レッド・ツェッペリンをやって、ニルヴァーナ、オアシス、あとボン・ジョヴィとかエアロスミスとか。ほぼ永遠にハードロック・パーティだったからね。最後のほうとか適当に弾き始めた曲に合わせて、俺達は永遠にハイトーン・シャウトをやり続けるってことになって(笑)。

JUON:あのセッションで、エアロスミスのアルマゲドンの曲やったじゃない?

ASH:「I Don't Want To Miss A Thing」ね。


JUON:客は僕らしかいないのに、ASHがマイクを掲げているとき、その横でジョー・ペリーか!?っていう感じで俺が歌ったりしてね(笑)。

ASH:JUONくんの前にもマイクあるのに、わざわざ1本のマイクで絡んでハモるという(笑)。

JUON:自分達のことを俯瞰で見たら、おもしろかった(笑)。やっぱ初めて会ったときからASHは真っ直ぐな人で、信念貫き通すのがマックスで溢れていて、すごいDNAの世界だなって。

ASH:DNAの世界って(笑)。

JUON:だから、あんだけセッションも盛り上がる。それにASHの曲を聴いていると、強くなれるんだよね。それを最初に思った。何でもできる気がするというか。“あっ、だからASH DA HERO”と名乗っているんだと思って。聴く側もHEROの疑似体験できるというか、何でもやれるかもって、ちょっと免疫上がるというか(笑)。

ASH:生きて腸まで届く乳酸菌的なね(笑)。

JUON:そうそう(笑)。全部、ASHが歌で言ってくれるから。誤解のないように、片側の考えだけで言わないっていうか。

ASH:黒でもないし、白でもないからアッシュなわけで。だからブラックなことも言うけど、ビックリするぐらいピュアホワイトなことも同時に歌うというのが、僕の歌の世界のセオリーかもしれない。

JUON:あと、この前、話をしたとき、どこかレゲエが入ってるのをASHが言っていて。その後に曲を聴き返したら、言葉の譜割りにロックのスピーディな中にレゲエ調が入ってきていて、そういうことかと。カッコいい融合の仕方なんだなって。

ASH:もともとのルーツに僕にはロックがないからだと思う。幼少期に聴いていたのは、母親が好きなブラックミュージック寄りのAORで。ファンクやソウルもいっぱい流れていたから。それで小学校4〜5年ぐらいからヒップホップにのめり込んで。だから初めて作ったオリジナル曲はヒップホップ。当時、シングルにはカップリングでカラオケが入ってたでしょ? カラオケ音源をCDラジカセで流して、その前にカセットテープのラジカセを置いて、録音ボタンをガシャンと。カラオケをバックに“YO!”とかラップを歌って、それが僕の初レコーディング(笑)。

JUON:マジで(笑)!!

ASH:そう、ラジカセ2台を前にしてラップして録ったから。

JUON:しかも、けっこうアナログ出身なんだね。俺も曲を作るとき、未だにアナログのレコーダー使うから(笑)。

ASH:僕は未だにパソコンじゃなくて、MTRを作曲で使ってるから。

JUON:マジで!! そこも一緒だ(笑)。やったーやったぞー!

ASH:やったー!

──どういう意味の歓喜の歓声だ(笑)。

JUON:もう、いないからね、今どきは(笑)。すごい共通ぶりでしょ(笑)。

ASH:僕はBOSSのBR-1200CDってやつを使ってんだけど、どこのを使ってるの?

JUON:AIWAだね、俺は。

ASH:AIWAのMTR? 今や化石じゃん、ヤバイよ、それは(笑)。

JUON:ヤバイっしょ(笑)。24チャンネルあるんだけどね。

ASH:今では貴重だわ、それは。僕のはもうちょいハイテクで、12トラックしかないけど、エフェクトもいろいろ掛けられるし、マスタリングもできる。

JUON:へぇ〜、でも凄いね。MTRを使ってる人はもういないかと思ってた。

ASH:そこもシンクロしちゃったんだね。多分、僕らだけだよ、MTR使ってるのは。

JUON:もう需要がなさ過ぎるでしょ。でも自分に合ってるというだけで使っているんだよね。

ASH:そうそう、アナログ出身だから使いやすいんだよね。パソコンで波形見てると、気持ち悪くなっちゃうもん。

JUON:よく言われているのが、パソコンを立ち上げて、トラックを作るために下作業をやっている間に、曲のアイデアを忘れたりする。そうじゃなくて、パパンとボタン押してすぐ録音したいじゃん。

ASH:そうそう、瞬発力で(笑)。電源ボタン押して、録音ボタン押して、アアーって歌いだせばいいんだから、MTRは。


JUON:だから、携帯のボイスメモにはメロディがいっぱい入ってる。簡単に録音できちゃうから(笑)。

ASH:分かる分かる。昨日、ちょうど曲作ってたので。でも僕はボイスメモじゃなくて、ムービーにするの。ムービーのほうが空間鳴ってる音がちゃんと録れるんだよ。

JUON:あっ、エアーの音がちゃんと?(笑)。

ASH:そうそう。ほら、この感じ(と言いつつ、ムービーで録った原曲を流す)。

JUON:ああ、分かる。ボイスメモだと、音がちょっとケミカルになっちゃうよね。

ASH:そう。ピッチ感もフィルタリングされちゃうから、半音の違いが分かりづらくなっちゃうんだよ。ムービーだと音程がハッキリ録れるから。

──アナログ派なのに、携帯アプリの使い勝手や音質にこだわるふたりですか(笑)。

JUON:アプリと言えば、こんな僕らでもLINEはするんですよ(笑)。

ASH:あのLINEは最高だったよ。超おもしろい(笑)。4人のグループLINEがあるんです。女子っぽく作ってるんですよ、僕らも一応(笑)。

JUON:少しは主張もしておかないとね、LINEもやってます、現代人ですよって(笑)。

◆対談(4)へ
◆対談(2)へ戻る
この記事をポスト

この記事の関連情報