【レポート】<氣志團万博>最終日、岡崎体育 / 山下達郎「雨風、上等です」

ポスト

<氣志團万博2017 ~房総与太郎爆音マシマシ、ロックンロールチョモランマ~>が9月16日(土)および17日(日)、千葉県・袖ケ浦海浜公園にて開催された。YASSAI STAGEトリ前の山下達郎と、MOSSAI STAGEトリの岡崎体育のレポートをお届けしたい。

◆山下達郎 / 岡崎体育 画像

6月下旬、<氣志團万博>最終出演者として発表されたのが山下達郎だった。なぜ呼べるんだ?なぜ出演を了承したんだ?様々な憶測が飛び交った。また大物過ぎて、山下達郎は実在する人物なのか、という妙な話まで飛び出したほど。



そして当日の18時45分、さっきまで降っていた雨が止み、クリアになった視界に飛び込んできたのは、まちがいなく山下達郎。本当にステージにいた。起こるのはどよめきと歓声。ギターを弾きながら達郎が歌い始めたのは、なんと「ハイティーン・ブギ」だ。誰もが予想し得なかったオープニングナンバーだが、誰もが知っているのがこのナンバー。過去に近藤真彦との共演でこの曲を歌ったことのある團長へのサプライズプレゼントなのかも。いや、團長だけに向けたものではない。会場にいる誰もが鳥肌を立てていた。達郎が1フレーズ歌ったところで、ようやくみんな、現実に起こっていることを理解して、大歓声で興奮と感動を露わにした。2曲を終えたところで達郎が言う。

「台風、なんぼのもんじゃい! 雨風、上等です」

さすが、喧嘩上等の心意気である。アーティスト紹介用の煽りVTRで明らかにされたが、なんと、隠れ氣志團ファンだという。

「2016年に一番聴いたシングルが「幸せにしかしねーから」だから。今日はみなさん、冷えてるだろうからバラードやめました。一気に聴かせるんで温まって帰ってください」


そこから続く曲の数々。達郎のライブを今まで観たことなかったとしても、絶対に聴いたことのある曲ばかり。人によっては自身の淡い思い出が蘇ったり、人生と併走するナンバーだったりするかもしれない。そういうものこそ名曲だ。それに達郎の歌声もバンドの演奏も国宝級の素晴らしさ。そして、女性コーラスのひとりに、なんと竹内まりやがいるじゃないか。贅沢過ぎるライブに、感涙が止まらないオーディエンスも次々に。さらに後半では、センターステージやメインステージ最上段に立ち、ギターのカッティングプレイで攻める達郎。普段のライブとも違うステージ構成がまた贅沢の極みだ。

「みなさんにとって夏の思い出、いかがでしたでしょうか。また呼んでくれたら、出演させていただきたいと思います」

そう穏やかな口調で語って、最後に聴かせるのは「さよなら夏の日」。雨に濡れた夏の終わりという、このシチュエーションにピッタリな歌に包まれながら、最高の時間をいつまでも味わっていたいと誰もが思っていた……。




MOSSAI STAGEの大トリは、岡崎体育。<氣志團万博2016>では、“トリをやらせてくれるなら盆テクパーカーを誕生日にプレゼントしてもいいっすよ”と團長にムチャクチャな条件を付け、MOSSAI STAGEのトリを飾った男だ。その後も常に“お客=お金”という嗅覚を働かせ、人気あるフェスに出まくる男。しかしステージに立てば、笑いも激しさもお祭り騒ぎも起こす、奇才アーティスト。

雨はジャンジャン降っているが、それは彼にとってガソリンのようなものなのか。のっけから「踊れ!踊れ!」と激しく煽り立て、パワー全開の「Stamp」でライブに突入。その勢いで「フェスの楽しみ方のひとつにウォール・オブ・デスっていうの知ってます? でも、僕はそういうキャラちゃうなって。僕なりのウォール・オブ・デスを考えてきたんです」と続いたのは「Walk Of Death」。もちろんガンガンに盛り上がるが、曲後半では「僕の合図で、走らずに歩いて自分の場所に戻ってください。雨やし、滑りやすいし、ケガするし」と、これぞ、ウォーク・オブ・デスな光景も作り出す。次から次へと繰り出すネタと曲に、大爆笑を伴うカオスに。

そして最後に決めるのは、童謡とラウドの強引展開技も冴え渡る「Q-DUB」。岡崎体育も素朴な歌声とデス・ボーカルを轟かせ、オーディエンスを支配する。二度目となる<氣志團万博>でも確実に爪痕を残すライブとなった。

取材・文◎長谷川幸信
撮影◎菊地英二(山下達郎)/青木カズロー(岡崎体育)

■<シミズオクト Presents 氣志團万博2017 〜房総与太郎爆音マシマシ、ロックンロールチョモランマ〜>2017年9月17日(日)@千葉県・袖ケ浦海浜公園セットリスト

【山下達郎】YASSAI STAGE
01.ハイティーン・ブギ
02.SPARKLE
03.BOMBER
04.硝子の少年
05.アトムの子
06.恋のブギ・ウギ・トレイン
07.さよなら夏の日
【岡崎体育】MOSSAI STAGE
01.Stamp
02.Walk Of Death
03.感情のピクセル
04.Q-DUB


■<シミズオクト Presents 氣志團万博2017 〜房総与太郎爆音マシマシ、ロックンロールチョモランマ〜 Supported by イオン銀行>

2017年9月16日(土) 千葉県・袖ケ浦海浜公園
2017年9月17日(日) 千葉県・袖ケ浦海浜公園
9:00開場 / 10:30開演 (20:40終演予定)
▼出演者 ※50音順・敬称略
【9月16日(土)】
VAMPS、氣志團、coldrain、SiM、JAGUAR (OPENING CEREMONY ACT)、私立恵比寿中学、四星球、DJダイノジ、10-FEET、東京スカパラダイスオーケストラ、Dragon Ash、布袋寅泰、マキシマム ザ ホルモン、MUCC、ももいろクローバーZ、LiSA、RIP SLYME
【9月17日(日)】
岡崎体育、岡村靖幸、氣志團、KICK THE CAN CREW、ゴールデンボンバー、米米CLUB、C&K、水曜日のカンパネラ、SCANDAL、BLUE ENCOUNT、BOYS AND MEN、MIYAVI、山下達郎、ユニコーン、UNISON SQUARE GARDEN、レイザーラモンRG (OPENING CEREMONY ACT)、WANIMA



◆BARKS内 氣志團/<氣志團万博>まとめページへ
この記事をポスト

この記事の関連情報