【インタビュー】wyse、メジャーデビューアルバム完成「僕らが僕らであることを問われた作品」

■みんな“これが最後になってもいい”
■って言ってますけど、俺は嫌です

──この4人で制作すると、どんな曲もwyseになる？

TAKUMA：そうですね。僕は曲を多く書いているので、どういうポイントから話せばいいのか難しいんですけど、大事な時期の最高の作品であり、今までと違うアルバムになったとも思っています。HIROが言ったように今回に限らず、毎回、これが最後かもしれないと思ってライブをやって作品を作ってきたんですけど、作品は残るものですからね。バラエティに富んだ曲の寄せ集めではなく、僕らが僕らであることを問われた作品だということを前提に作ったものであり、今までのwyseを知っている人が「ずっと見てきて良かった！」と思えるアルバム。僕らが解散して離れていった人も「やっぱりwyseいいやん」と思ってくれるだろうし、今までの僕たちと今の僕たち、つまり「wyseとは？」という答えがこのアルバムに入っていると思います。だからこそ、もしこれが最後のアルバムになったとしても納得のいく作品になった。

▲MORI（G）

──数多く書いた曲の中からあえてピックアップすると？

TAKUMA：僕は「With…」かな。さっき、「あの頃の思い出が蘇る」っておっしゃってくれましたが、僕らもそういうことを感じてほしくて入れた曲なんです。ずっとwyseを見てくれた人にはリテイクをしているので新たなバージョンとして聴いてほしい。「With…」は上京した時のことを歌った曲で、この曲で僕らは出会いが広がったんです。だからこそ、メジャーデビューアルバムに入れる意味があると思ったし、もう一度みんなに聴いてもらえる機会を作りたかったんです。

──先ほどお母さんの話も出ましたが、「With…」は実家を離れる時のお母さんへの想いを歌った曲ですものね。

TAKUMA：そうなんです。年を重ねてあの時の気持ちに向き合って、成長したからこそ伝えられるものがあると思うんです。思い出がある曲だからこそアレンジをガラッと変えるのはやめました。レコーディングのときにHIROが全然違うギターソロ弾いたんですけど、「オマエ、何やってんねん？」って。

HIRO：ははは。怒られました（笑）。

TAKUMA：あの音から始まるソロをみんな期待してるわけで。

HIRO：「成長した姿を見てくれ」と言わんばかりに弾いてみたら「そんなの誰も望んでないぞ」と（笑）。

月森：ははははは。みんなの話を聞いていると、考えてることがこんなに似通ってるのかと思うんですけど。僕は曲作りしてないという意味でも一番最初にwyseの曲を客観的に聴ける人間だと思うんですよ。今まで追いかけてくれた人たち、再結成したことを知らない人たち、これから新たに聴く人たちもいると思うんです。久々に聴く人も「いいじゃん。懐かしい！」で終わらない。この時代に現役で活動しているバンドが力強く表現されていて、「ちゃんとここに生きてるよ！」っていうアルバムになったのがすごく嬉しいですね。だからこそ、みんなこれが最後になってもいいって言ってますけど、俺は嫌です。

──むしろ、このアルバムをきっかけに。

月森：正直、アルバムを聴いて「もっとできるだろう」と俺は思いました。さっきHIROが言ったギターソロで出したかった今の気持ちもわかるし、この人たち、もっといろいろなことができるだろうなと思うので、僕はこれで終わってしまうのは納得できない。

HIRO：褒めても何も出えへんで（笑）。

▲TAKUMA（Vo&B）

──月森くんが曲をピックアップするなら？

月森：「Heart」も好きなんですけど、あえて、ミュージックビデオを撮った「Glorious Story」にします。自分で何度も見てしまったんですけど、ミュージックビデオがあると曲のイメージがより膨らみやすいと思うんです。全曲、撮ればよかったな（笑）。もし、見る機会があったらぜひ見てほしいし、その後でまた曲を聴いたら何かが変わるだろうと思う。

TAKUMA：僕、まだフルバージョンを見てないんですよ。

HIRO：いや、完全版送られてきたやろ？

──私は16秒バージョンしか見てないんです。

TAKUMA：僕も、その16秒を見ました（笑）。

HIRO：じゃあ、TAKUMAさんは会場でフルバージョンをご購入ください（笑）。

──完全版見てる人から見どころをお願いします。

MORI：演奏シーンとは別に、プライベートショットがあるんですよ。机を囲んでたわいのない話をしたり、普段の感じも出てると思います。

HIRO：けん玉やラジコン、トランプが置いてあって「これで遊んでください」って言われたりな。

MORI：まぁ、どれだけしゃべっても見どころは演奏シーンですけどね（笑）。

TAKUMA：演奏シーンにもじっくり見ないと気づかない仕掛けがしてあるんですよ。部屋の中に、とあるフィギュアが置いてあるんですが、それが……。

HIRO：引きの映像の時に気がつく人もいると思うんだけど、さっきまで置いてあった場所に…あれ！？（笑）で、最後のほうにはまたとある映像が（笑）。

TAKUMA：これで3回は見てくれるな（笑）。

──そんなことを仕込んでいるとは（笑）。「Glorious Story」の歌詞は幸せな感じがしますね。

TAKUMA：そうですね。個人的には、結婚する僕の友人への想いも込めつつ、それとはまた別で、曲の軸として、今までの自分たちとファンのみんなと一緒に過ごした時間、思い出、また未来に向けた想いを込めました。いろいろなことがあったけれど、今後に繋がっていければなって。前向きでありつつ、常に現在進行形であるような歌詞になればと。未来ではこの曲も思い出になるけど、1つ1つのワードがその時の心境とシンクロするような歌詞にしたかったんですね。

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