【インタビュー】wyse、メジャーデビューアルバム完成「僕らが僕らであることを問われた作品」

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■13年ぶり、しかもデビューアルバムを出して
■そういう意味でもただのツアーじゃない

──配布された音源「Primal」はwyseが再結成した時の想いを綴った曲なのかなと感じました。

TAKUMA:おっしゃる通りです。15周年の区切りのライブにどんな形でもいいから新曲を届けたいと思って、ライブに来てくださった方々にプレゼントさせてもらった曲です。15年やってきた自分たちの想い、ファンのことを曲として残せたらなって。歌詞ではメンバーを色に例えて“混ざり合えずに進んだ4色の空は”って表現しているんですけど、解散してからの空白の時間が合わさって今になっているんだよって。それはファンも一緒だし、そういう時間も未来に必要だったと歌ったとても大事な1曲です。

──これまでの歴史も詰まっているというのは、そういうことでもあるんですね。

TAKUMA:悲しいこともありましたし、ファンの方にそういう想いもさせてしまいましたけど、そんな時代があってこそ今はもっと幸せにしてあげられるよ、とか、素敵な時間が作れるんだよって。アルバムタイトルは“呼吸”とか“伊吹”という意味なんですけど、今の僕らが表現されているアルバムだから『Breathe』にしました。

──今のwyseの歌と演奏のスキルも楽しめるアルバムですね。

MORI:HIROのギターソロの話じゃないけど、同じフレーズを弾いても違いますからね。同じことを歌っていても説得力があるし、楽器も年数が音に出るんやろうなと思います。

──バンドアンサンブルを聴いていても気持ちいいです。

TAKUMA:音楽だけは真剣なので(笑)。

HIRO:だけは?(笑)。

──それと、連載で触れられていましたが、インストアイベントでアルバムを購入するとwyseの新旧楽曲をピアノアレンジで月森くんが歌い上げる作品『月森 with.Piano Ver』が特典として付いてくるとか。

月森:すごく歌いました。

HIRO:夏休みの思い出か(笑)?

月森:ははは。最初はwyseの特典なのに俺だけが歌っているのはどうなんだろう?と思ったけど、これをやることでwyseも俺も新たな発見があるだろうし、また違う方向からも曲の良さを伝えられたらなって。ちょっと懐かしい曲も歌ったので、また面白い方向に転がっていくかなと思いました。

TAKUMA:僕ら、アコースティックライブをやったことがあって、「アコースティックな作品を作りたいね」って話をしたこともあったんですよ。今回は“月森の歌の良さがより伝わる形は何だろう”と考えて、ピアノをバックに歌うのは聴く人にとっても新鮮だろうし、本人も進化するだろうし、新しい何かに繋がっていくだろうという気持ちもあったんです。僕らは演奏してないですけど、ピアニストとのやりとりはもちろんしていて、出来上がりを聴いてみたらやって良かったなって。さっき月森が「wyseの曲を客観的に聴ける」と言ってましたけど、特典音源については逆で僕らが客観的に聴ける。未来が見えるものになったと思います。

──では最後に、13年ぶりの全国ツアーについてメッセージを。

MORI:この4人が顔を揃えて行くのは本当に久々の土地が多いんですよ。

TAKUMA:僕ら解散する前から8ヵ所のツアーをやっていて、再結成してからも「絶対、8ヵ所行くね」って公言していたんですけど、行けないままだったからね。東名阪、仙台、福岡は行ったんですけど。

月森:6年かけてね(笑)。

TAKUMA:そう(笑)。それしか行けなかったので今回は全部行くぞって。

MORI:仙台は今回のアルバムに入っている曲「RinNe」を配布して以来ですからね。今までは本来、こっちから足を運ぶべき場所なのになかなか実現できなかったので、今回はアルバムも完成して、自信を持って行けるなと。

月森:ツアー自体、13年ぶりですからね。

MORI:メンバーと一緒に土地を廻ること自体、久しぶり。今から「何、食べよっか」って(笑)。

HIRO:あそこで食べれるね、とか。

月森:何食べるかで、喧嘩になりそうだったもん(笑)。

TAKUMA:まぁ、食事ももちろん楽しみではありますけどね。13年ぶり、しかもデビューアルバム『Breathe』を出して。そういう意味でも今回のツアーはただのツアーじゃないのでね。各土地のファンの方々には、これまでずっと東京に来てもらう形ばかりだったので。今回は僕らから行くよ!っていうね。各地で最高のライブをして、待っていてくれたコたちが「やっぱり待っててよかった!」と思ってくれるように。1本1本を大切に確実に繋げて12月10日のファイナルの新宿ReNYでは、ツアーを廻ってきたからこそ出来る、人生で一番の、wyseのこれまでのどの時間どのライヴとも比べものにならないくらいに一番のライブをしたいと思っています。

取材・文◎山本弘子

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