【速レポ】<京都大作戦2017>、10-FEET「10周年やけど、今年も飛ばすよ」
10周年を迎えた<京都大作戦2017>、1日目もトリの10-FEETを残すのみとなった。だが、SiMの終演後、音が鳴り止むと同時に、またしても土砂降りの雨が降りはじめた。
◆10-FEET 画像
いよいよこの後は雨模様になってしまうのかと思っていたが、10-FEETの開演前には雨が上がり、陽が差し込んでくるというミラクルな天気に。10周年で初の3日間開催という挑戦は、とてもドラマティックな幕開けとなった。大音量でSEがかかり、バンドや<大作戦>のタオルが会場を埋め尽くす光景も、いちだんとグッとくる。
TAKUMA(Vo&G)、NAOKI(B&Vo)、KOUICHI(Dr&Cho)の登場で歓喜に沸く観客に向けての第一声は、「ありがとうございました!」そして「いくで! いくで! いくで!!」という、TAKUMAの絶叫。すでに、声がかれ気味に感じるのは気のせいか。1曲目は、「RIVER」。大きなコールを巻き起こし、ぬかるみも気にせずにジャンプする観客の興奮や熱にも負けないくらいに、3人の気持ちが前に出ている。感情を溢れるに任せたエモーショナルなプレイに、叫び倒しのヴォーカルで、どんどんハスキーになっていくのがわかる。それでも、この1曲で何度“YEAH!!”と“楽しい”と言ったかわからないほど、TAKUMAは大声で叫びをあげ続ける。
「俺らは毎年、2日目でいつもポンコツになる。今年は、1日目でポンコツになりにきました。3日間持たない、ガス欠です」──TAKUMA
そう言いながらも観客に何度も呼びかけて、「俺らたったの3人やぞ。お前らまとめてかかってこい」(TAKUMA)と、「JUST A FALSE! JUST A HOLE!」でロックンロールし、「VIBES BY VIBES」ではNAOKIがステージ中を跳ねまわり、高くジャンプしながらサウンドを躍動させた。
「10周年やけど、今年も飛ばすよ。10周年やけど、8年目も9年目も、2年目も3年目も大事やったし、今年もこれが最後やと思って頑張るで。明日明後日できひんくらいの、1日目にするって決めてきました。よろしく!」とTAKUMA。どうやらペース配分というものはないらしい。<京都大作戦>は10年、バンドは20年を迎える。ベテランと呼んでもいいキャリアを重ねてきた今なお、気持ちが前に飛び出たがむしゃら感、楽しいという興奮を、こんな大舞台にドンと乗せられるバンドも、なかなかいない。この泥臭さや、包み隠さない(隠せない)正直さが、観客や多くのバンドも惹きつけているのだろう。
「火とリズム」から「アンテナラスト」、そして「1sec.」へと定番曲で繋いでいく中盤だが、今日の、今のこの感情を通したアウトプットは聞こえ方も、刺さり方も違う。とにかく今日は壮絶だ。
「うまいこと心を育てろ。油断するな、どんどん賢くなっていくぞ。油断するな。正しいことがいつも正しいとは限らん。優しくすることが、優しいことにならへんこともある。完璧と思う時ほど、油断するなよ。遊ぼう、遊ぼう、遊ぼう。失敗したら、なんぼでもやり直せよ。ビビっても、怖くても、とりあえず行ってこいよ。間違ったら、大急ぎでまた戻ってこいよ」──TAKUMA
一息に叫んで、最後はグズグズだった。「去年も言ったけど、俺は、いちばん大事なところで噛みます。一度でいいから、いちばん気持ちが入ってる時ビシッと決めたい。でも決まらない。でも一生懸命やります」と言って披露したのは、7月19日にリリースされるシングルから「太陽4号」。ピアノを入れた編成で聴かせるミディアムなナンバーを、観客は1ミリも聞き漏らさないように食らいついていく。「行こう、行こう、もっと行こう」という言葉から「その向こうへ」で迎えたエンディングは、3人も観客も真っ向からぶつかっていく覚悟で声を上げ続け、コブシをあげ続けた。
その死闘を経て、アンコールではお約束のKOUICHIの「TRUE LOVE」カバーが披露された。しかも、先日藤井フミヤ氏本人と歌ってきたという、夢を叶えた「TRUE LOVE」。NAOKIがギターを、TAKUMAがベースを、そして途中からSiMのGODRiがドラムを叩くというスペシャル編成で大いに盛り上がった。
またSiMが10-FEETと出会った頃にやっていた古い曲を披露していたことから、「俺らも、間違えそうなくらい古いのやってみる?」(TAKUMA)と、「BE FRIENDS AGAIN」(2001年)で、観客を興奮の渦に叩きこみ、「ミラクル起こそうぜ」と会場一面をハンドクラップの海にした「4REST」で、1日目を無事に“終幕”した。
取材・文◎吉羽さおり
撮影◎HayachiN/みやざきまゆみ
【10-FEET セットリスト】
02.JUST A FALSE! JUST A HOLE!
03.VIBES BY VIBES
04.火とリズム
05.アンテナラスト
06.1sec.
07.太陽4号
08.その向こうへ
encore
en01.TRUE LOVE
en02.BE FRIENDS AGAIN
en03.4REST
■<京都大作戦2017 ~心の10電!10執念!10横無尽にはしゃぎな祭!~>
2017年7月8日(土) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
2017年7月9日(日) 京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
▼開場
7月7日 開場:11:30 / 7月8日, 9日 開場:9:30
▼開演
7月7日 開演:13:00 / 7月8日, 9日 開演:11:00
【出演アーティスト ※50音順】
▼7月7日(金)
【源氏ノ舞台】サンボマスター、SiM、竹原ピストル、10-FEET、Nothing's Carved In Stone、My Hair is Bad
【牛若ノ舞台】打首獄門同好会、Creepy Nuts、四星球、ヤバイTシャツ屋さん、夜の本気ダンス
▼7月8日(土)
【源氏ノ舞台】Ken Yokoyama、The BONEZ、湘南乃風、10-FEET、東京スカパラダイスオーケストラ、Dragon Ash、FIRE BALL with HOME GROWN、RADWIMPS
【牛若ノ舞台】藍坊主、Age Factory、GOOD4NOTHING、Crystal Lake、NAMBA69、NUBO、yonige
▼7月9日(日)
【源氏ノ舞台】氣志團、SUPER BEAVER、dustbox、10-FEET、マキシマム ザ ホルモン、MAN WITH A MISSION、ROTTENGRAFFTY、WANIMA
【牛若ノ舞台】ENTH、OVER ARM THROW、ガガガSP、SIX LOUNGE、SHANK、G-FREAK FACTORY、Dizzy Sunfist
【鞍馬ノ間】
7月7日(金):大阪籠球会、京都ハンナリーズとのバスケットボール体験やエキシビションマッチ
7月8日(土)、9日(日):下記8チームによるバスケットボールのトーナメント戦「京都大作戦杯2017」を開催
AKT LOCA、UNDER DOG、OSAKA YOUNG GUNS、大阪籠球会、SOMECITY OSAKA選抜、TEAM-S、東京籠球会、HIGH WEST BALLERS
この記事の関連情報
10-FEET、バンド史上屋内最大規模のライブ映像作品を12月発売決定。全31曲・約2時間半のライブ+ドキュメンタリー映像も
【舞台裏インタビュー】<山人音楽祭2024>10-FEET、「ジャンルの壁や境界がない」
【ライブレポート】フェスの改革と変化。音楽フェス文化を次世代へつなぐ<フジロック>の現在地
【速レポ】<京都大作戦2024>10-FEET、今年も新たな伝説の1ページを加え閉幕「ほんまかっこよかったから、ライブもみんなも!」
【速レポ】<京都大作戦2024>SUPER BEAVER、「おまえの時間だぞ! 音楽しようぜ、大作戦!!」
【photo_gallery】<京都大作戦2024>牛若ノ舞台、Age Factory
【速レポ】<京都大作戦2024>マキシマム ザ ホルモン、「今年はanoちゃんと一緒に翔んで騒いで遊びな祭!」
【速レポ】<京都大作戦2024>Dragon Ash、「俺たちにとってこんないい日はないわ」
【photo_gallery】<京都大作戦2024>牛若ノ舞台、Paledusk