【インタビュー】綾小路 翔 (氣志團)、VAMPSと10-FEETとの対戦型フェスを語る「今は恐怖であり、希望であり」
■たとえば2ステージ方式で、それぞれのフェスを
■ただやっているということにはならないですよ
──なるほど、抗争勃発だと。
綾小路:しかし、この時点ですでにドラマはもう生まれてるんですよ。言ってみれば、漫画『キン肉マン』の“王位争奪編”みたいな、歴戦の相手だった超人達がいるわけですよ。たとえばロビンマスクやラーメンマン、テリーマンと共にキン肉マンは試合に出るはずだったのに、彼らにもいろいろ立場があって出れなくなって。しまいにはアイツらしかいないと思って声を掛けたら、盟友であるブロッケン・ジュニアやバッファローマンまでもがソルジャー・チームに入って……。
──團長、團長!
綾小路:はい、はい!?
──すいません、『キン肉マン』のあらすじ紹介は求めてません。
綾小路:なに!? バカ野郎、それこそが今回のドラマにつながってるんだよ!!
──どういうことですか?
綾小路:まず、“VAMPARK FEST軍”におけるOKAMOTO'Sですよ。“同じ事務所の後輩なのに、オマエらはそっちかい!”と(笑)。さらには、“10・リーグ”における湘南乃風はデビュー当時からの仲間だし、東京スカパラダイスオーケストラ先輩は同じ事務所の先輩。俺達は16年後輩としてお世話になってるんですよ。なのに、“スカパラ先輩、10-FEET側ですか!?”と。これはすなわち、バッファローマンとブロッケン・ジュニアが相手チームにいっちゃったようなもんですよ。もちろん、湘南乃風と10-FEETは超仲いいし、一緒に曲やセッションもやってる。スカパラも10-FEETとコラボで曲も出している。俺も男です。百歩譲って、そこはしょうがないとのんだんです。しかし、フミヤさんですよ。“どういうことですか?フミヤさん!?”と。俺の知っている限りでは、10-FEETのKOUICHI先生がライヴで勝手に藤井フミヤさんの曲を歌っているくらいで、なんのつながりもないはずなんですよ。ちなみに俺はフミヤさんには公私ともにお世話になってるし、なんならメールとかもしょっちゅうしてるんです。にもかかわらず、「なんで、俺のフミヤはそっちへ行った!?」と。
──それ、メールで聞きました?
綾小路:逆に答えを聴くのが怖くてメールできてないですよ(笑)。
──團長の心の中は、すでに怒りや失望と新たな欲望と……いろんなものが渦巻いちゃってる。そんな表情してますね、今。
綾小路:これは由々しき事態ですから。でも、ワクワクしてるんです。武者震いの連続です。氣志團はずっと孤立無援でやってきたバンドで。10-FEETとDragon AshとかRIZE、ROTTENGRAFFTYとかが仲間同士で切磋琢磨しながらのし上がって来た感じとかが、俺、羨ましかったんです。ひとバンドも友達がいなかった氣志團が<氣志團万博>をやり続けていたら、“氣志團万博ファミリー”ができた。もちろん誰もそんな事は言ってなくて、自分達で勝手にそう思ってるだけですけど(笑)。ももクロだったり仙台貨物、VAMPSとか毎年<氣志團万博>に出てくださっている。なんならスカパラもファミリーですよ、本来は。
──“ついに俺達にもファミリーができた! ファミリー持っているバンドと戦争じゃ!”と?
綾小路:まさに。結成20周年だぞ、今年ぐらいはやりたい!と。誰もやったことないだろ、『フェスvsフェス』みたいなフェスは!と。アーティスト主宰の憧れのフェスに、自ら挑戦状を叩きつけたわけです。その直後から、俺はもうバチバチですから。憧れであり、仲間でもあり、しかしライバルでもあって。そこで何が生まれるのかが、今は恐怖であり、希望であり。団体対抗戦というのは今までなかったと思うんですよね。
──対抗戦ということは、各陣営の出演順もかなり戦略立てないと。
綾小路:最強のメンバーで挑みます。俺はプレイヤー兼監督みたいな立場なんで、采配を間違えたら、自分達のために一肌脱いでくれる仲間達に恥をかかせることになっちゃう。しっかり考えてやりたいと思ってます。
──楽屋裏は、これまでのアーティスト主宰フェスとはまるで違う雰囲気にもなりそうですね。
綾小路:あのね、COMPLEXの東京ドームにおける両者の楽屋ぐらい離しますよ(笑)。俺、あんなに距離の離れた楽屋は見たことなかったですからね(笑)。だからね、“相手チームとはひと言も口を利くなよ”って(笑)、そのぐらいのつもりでいかないと。そもそも音楽には勝ち負けも優劣もありません。ただ、ステージに上がっちゃえば燃えるのがロックンローラーだし、向こうもこっちも最強の人達ばっかり。ファンの皆さんには、そのスリリングなステージをしっかり楽しんでもらえるようにします。たとえば2ステージ方式で、こっちとあっちでそれぞれのフェスをただやっているということにはならないですよ。
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