【インタビュー】歌手・上白石萌音、2016年の飛躍。「全部繋がっていると思います」
■私は感情が先走っちゃうタイプなので、歌っているとどんどん溢れていってしまうんです(笑)
──『chouchou』に収録された曲はどうやって決まったんですか?
上白石:今回は私から出した曲とスタッフさんから出して頂いた曲で仮のレコーディングをしてその中から決めました。候補は沢山あったんですけど、声に合うものだったりアルバムの中での立ち位置だったりを吟味して決めた厳選された6曲です。
──全曲音数の少ないアコースティックなオケで歌われていますがこれは制作前のコンセプトとしてあったものなんですか?
上白石:アレンジャーさんが作って下さったものと「こういう雰囲気で歌いたいな」って私が勝手に思っていたものが不思議とマッチしていました。一番驚いたのは「366日」なんですけど、まさに私が思い描いていた通りの感じだったので「伝わってたー!」と。だから最初からしっくり来て「あぁ、これなら歌える」って思ったんです。でも私はCDで歌っているのとライブでの歌い方は変えたいと思っているんです。レコーディングでこその歌い方と、生の空気感を大事にする歌い方があると思うので、ライブなどでは、CDの歌声にはあまりとらわれずに歌っていますね。
──それはライブで歌ってみてそう思った?
上白石:レコーディングしている時に思いました。「366日」が一番わかりやすい例で、この曲をレコーディングした時、結構抑えて歌ったんです。私は感情が先走っちゃうタイプなので、歌っているとどんどん溢れていってしまうんです(笑)。だからアレンジャーさんと相談して「もうちょっと感情抑え目で声もあまり出さずに行きましょう」ってなったんですけど、その時に「ライブだったらさっきのテイクでいいよね」って話が出たので、「あ、ライブとレコーディングは変えていいんだ」って思って「早くライブしたい」ってなって(笑)。でも今回レコーディングで初めて控えめな感情で歌い続ける歌い方をして、出来上がったものを聴いた時に「あ、正解だった」って感じたので、新しい歌い方を教えて頂けて良かったです。
──アルバムを聴いた時に歌詞が凄く入って来る歌い方だったので、物語を読み聞かせしてもらっているようにも感じました。
上白石:あぁー嬉しいー!それが本当にやりたい事だったんです。言葉を届けたいって凄く思っていて、お芝居をするって言葉のやり取りだし、今までも言葉を大切にする役が続いていたので、歌う時も言葉を伝えたかったんです。あと、それだけじゃなくて、その奥にはらんでいる雰囲気みたいなものも届けたいと思って、一言一言を大切に歌ったつもりなので、そう言って頂けると本当に嬉しいです。
──歌う時頭の中に風景が浮かぶという発言を過去にされていますが、このアルバムの曲を歌っていた時はどうでしたか?
上白石:曲が映画音楽なので、元々曲と一緒に景色があるものなんですけど、それだけじゃなくてアレンジされた曲を自分が聴いた時に浮かんだ景色とか、そういうものを最後まで大切に持って歌った所もありました。それとは別に、歌いながらどんどん浮かんできた景色もあったので、そういうのは初めての経験でした。
──個人的に気に入った曲を聴いた時もすぐに風景が浮かんだりする人?
上白石:はい、結構浮かぶ事があります。聴いた時に夜の道を歩いている感じとか、朝起き抜けのカーテンを開けた光の感じとかが無意識に浮かぶ曲が沢山あって、そういう曲が好きです。
──今作では「変わらないもの」をピアノの弾き語りで歌われていますが、今後の展開としてご自身での作曲や作詞というのにも興味があったりしますか?
上白石:まだ形になったものはないんですけど、実はちょっとずつやってます。私はドライヤーをしている時に浮かぶ事が多いので「あっ!」って思って半乾きの髪で部屋に行って、ノートにガーッて書いて…またドライヤーしてっていうのが最近はよくありますね(笑)。ドライヤーをしている時って周りの音がかき消されるから無になれる気がするんです。でも難しいですねー…好きな音楽に似ちゃったりするんですよ。なんか聴いたことある曲だなって思ったら同じ曲だったりして「あ、ダメじゃん!」って(笑)。
▲『chouchou』ジャケット |
上白石:年内には、書いている詞に音をつけたものを1曲は完成させたいです(笑)。それと歌がまだまだなので、私の中でそれをもっとこうしたいっていうのがあります。歌っていても、足りない足りないって思う事ばかりで、でもそれはきっと一生終わらないと思っているから、それを埋めようと頑張るのが凄く楽しいんです。だからこれからも、初めてアルバムが出た今の気持ちを忘れないようにどんどんステップアップしていけたらいいなって思っています。
──ライブはどうですか?
上白石:したいです。フリーライブが凄く楽しかったんですよ。お客さんと目が合ったり、頷いて聴いて下さる方、目を閉じて聴いて下さる方といろんな方がいたし、途中話しかけたら反応を返してくれたので、なんて楽しい空間なんだろうと。一つになるのを感じたんです。だからもっといろんな場所で生の声が届けられたらいいなって思いますし、そのために頑張ろうって思います。
──個人的にはアッパーな曲も聴いてみたいなと思うのですが。
上白石:はい!私もやりたいです!(笑)。普段聴くのはそういう曲も多いんですよ。なんかイメージ的にバラードとかって思われがちなんですけど、好きなのでやってみたいですね。
取材・文◎山村哲也
■出演番組
フジテレビ 『2016 FNS歌謡祭 第1夜』
2016年12月7日(水)19:00〜
■出演映画
公開中『君の名は。』(東宝)宮水三葉役
公開中『溺れるナイフ』(ギャガ)松永カナ役
■<Girls Pop Collection>出演
【日程】 2016年12月27日(火) OPEN 18:30 START 19:00
【出演】 瀬川あやか/majiko/上白石萌音
【会場】 青山RizM
〒107-0061 東京都港区北青山1-4-5 VORT青山一丁目Dual`s B1
http://www.ruido.org/rizm/access.html
【チケット】 ¥3,800(税込) ※ドリンク代¥600別
《受付URL》 http://w.pia.jp/t/girls-pc/
《Pコード》 318-080
【お問合せ】 ポニーキャニオン ライブエンタテインメントDiv.
03-5521-8077 (平日13:00~18:00)
■<rockin’on presents COUNTDOWN JAPAN 16/17>出演決定
千葉県・幕張メッセ国際展示場
12月28日(水) 16:00〜 COSMO STAGE
チケット等、詳細はCOUNTDOWN JAPAN 16/17 公式サイトをご確認下さい。
http://countdownjapan.jp
2016年10月5日発売
PCCA-04426 /¥1,800(tax in)
[収録カバー曲]
M1 366 日 (映画「赤い糸」主題歌)
M2 Woman "Wの悲劇“より (映画「Wの悲劇」主題歌)
M3 変わらないもの (劇場版アニメーション「時をかける少女」挿入歌)
M4 On My Own (映画「レ・ミゼラブル」劇中歌)
M5 なんでもないや(movie ver.)(映画「君の名は。」主題歌)
M6 SMILE (映画「Modern Times」挿入歌)
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