【音楽ギョーカイ片隅コラム】Vo.53「サマソニと私」
ここは幕張海浜駅からほど近いホテルの一室。窓の外は台風。京葉線が止まってしまったので、帰宅できぬままです。そして起床してから24時間以上経過したため、脳内は少し溶け始めてきました。完全に溶けてしまう前に、ちょっとした小咄をさせてください。
8月20日、21日とSUMMER SONIC 2016、夜はHOSTESS CLUB ALL-NIGHTERが開催された千葉・QVCマリンフィールド&幕張メッセには多く方々が来場されました。特に2日目はSOLD OUTだったこともあり、そこここで賑わっていましたね。
私がサマソニで働くようになったのは2009年。サマソニが10周年を迎えた年に新たなプロジェクトが始まるということで、そのアテンドをさせていただいたのが最初でした。それまではオーディエンスとして参加していて、2003年の伝説・RADIOHEADのステージは13年も経った今でも本当に観られて良かったと思うアクトでした。「CREEP」が再び披露された今年もまた素晴らしいショーだったことでしょう。
なぜ私がサマソニで働けることになったのか。それは当時、イギリスから帰国後、洋楽現場で働きたい一心で仕事探しをしていたときに、知り合いの知り合いという構図で紹介していただく機会に恵まれたことにより、クリエイティブマンの制作ボスに辿り着いたのでした。
ご紹介していただいた時に「試しにサマソニで働いてみますか?」という言葉をもらえたのは、他でもない、自己紹介のときにお伝えした「私、ドラミと呼ばれてます!」という一言でした。
その発言によって緊張のあった空気がスパンと途切れ、「面白い!」と笑ってくださった直後に仕事のお話をいただいたのでした。
ニックネームによって勝ち得た仕事は産休で2年離れてもまた手にすることができました。有り難いことです。そして今年は、仕事仲間の皆さんにも久しぶりにお会いすることができましたし、たくさん助けてもいただきました。決して楽な仕事ではありませんが、好きな仕事を手にできるということ=周囲の人のお力添えがあって初めて成り立つものと受け止めています。
何がどう繫がるかまったくわからない。何かが生まれるのは案外そんなことがきっかけなのかもしれません。それが音楽ギョーカイの面白みのひとつなのではないかなと思います。
◆早乙女“ドラミ”ゆうこの【音楽ギョーカイ片隅コラム】
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