【インタビュー】chay、ニューSGは「幸せについて書くという挑戦」
■ “引いていく”のはすごく勇気がいることでした
chay:これも楽曲と同じく、私にとっては挑戦でした。これまではカラフルでポップで明るいジャケットだったので、そこから“引いていく”のはすごく勇気がいることでした。でもこれは自分のターニングポイントになる曲だと思ったので、やるからには中途半端ではなく振り切ったものにしたかったんです。
──女性としてはかなり思い切った決断だったと思いますが、このノーメークというコンセプトも、いつもどおりご自身でアイデアを出したんですか?
chay:今回は自分のイメージよりも、楽曲のテイストに合うことがいちばんだと思ったので、流れに身を任せるというか、いろんな方の意見を大事にしました。ありのままの自分を信じて歩いていくという歌詞ですし、早子先生もそういうナチュラルなイメージですからね。
──いざやってみてどうでした?
chay:何より楽曲に合っているなと思えたし、自分の幅もすごく広がりました。今まで勝手に自分で狭めていた視野が、今回をきっかけにガッと広がったんです。次ももっと違うことに挑戦したいとか、もっと何か出来るんじゃないかって思えるようになりました。
──PVにも、素敵なこだわりがちりばめられてるそうですね。
chay:今回のアレンジは、Queenのオマージュになっています。スタジオでみんなと「やるならとことんやりたいね!」という話になり、(Queenのギタリストである)Brian Mayモデルの「レッド・スペシャル」を、彼と同じように6ペンスコインで弾いているんです。コインで弾くのは本当に難しいんですけどね(笑)。あとVOXのアンプやシールドなども、全部当時のものにこだわって使っています。クイーン世代の方には目でも楽しんでもらいたいし、そうでない人には、楽曲を聴いてみようかなって思うきっかけだったり、何か架け橋のような存在になれたらなという思いも込めました。
──ではカップリングについても伺いたいのですが、「ずるいひと」はchayさん作詞・作曲です。
chay:これは3年ほど前に書いた曲です。それこそカラフルでポップで明るいイメージの楽曲が多かったんですが、ちょっとタイプの違う曲ができたのでストックしていました。今回のシングルは、表題曲が自分にとって挑戦となるものだし、雰囲気も今までとは違うものだったので、この曲がいいと思い選曲しました。
──「それでしあわせ」が出来たから書き下ろされたのかなと思うくらい、流れとしてもすごくマッチしてる曲ですよね。
chay:私はいつもメロディを作る時に色を思い浮かべるんです。この「ずるいひと」のテーマカラーは真っ黒。今回多保さんに作曲していただいた「それでしあわせ」には真っ白なイメージが浮かんできたので、この真逆な感じもいいかなと思ったんです。
──歌詞の内容も対照的ですね。些細な幸せに気付く余裕もないくらい、終わったはずの恋を引きずっています。
chay:友達が実際に経験した話なんです。長く付き合っていた彼にフラれちゃったんですけど、今更「忘れられない」だなんて、なんてひどいんだ、なんてずるいんだと思って、もうこれは曲にしよう!と。常に伏線張っていて、ほんとずるい人。でも友達の話を聞いて、すごく共感したんです。そんなの本気じゃないってわかっているし、優しくされると悔しいけど、やっぱり忘れられなくて待っちゃう。同じ経験はしていないけど、自分が失恋した時の経験なんかも織り交ぜながら書きました。
──そしてもう1曲は、恒例のカバー。今回はDes’reeが1994年に発表して大ヒットした「YOU GOTTA BE」の弾き語りですが、chayさんの声や雰囲気にピッタリでしたね。
chay:うれしい!ありがとうございます。これ、もともと大好きな曲だったんです。
──いつかは歌ってみたいと思ってたんですか?
chay:これまでシングルで、自分の好きな楽曲を弾き語りでカバーしてきましたが、今回で5作目になるんです。もともと80’sの洋楽が大好きだったことからWham!やCyndi Lauperなどをカバーしてきましたが、こういうブラックミュージックって、歌ってみたいけどすごくハードルが高いと思っていたんです。
──それはどうしてだったんでしょう。
chay:やっぱりブラックミュージック独特のグルーヴとかリズム感は、なかなか難しくて。もちろん好きで聴くのですが、それを弾き語りでカバーするとなると、挑戦したくても勝手に怯んじゃってた部分があったんです。でも今回のシングルはいろんな意味で挑戦している1枚なので、カップリングも何か挑戦がしたいなと。それで、やるなら今だと思ったんです。やっぱり難しかったですけどね(笑)。
──オリジナルも素晴らしいですが、chayさんのバージョンを聴いてあらためてこの曲を好きになる方も多いと思いますよ。
chay:ありがとうございます。弾き語りって何度も録り直すより、その時の流れとか空気感も大事にしたいなと思ったので、出来るだけそのままの形で仕上げました。ギターのアレンジも自分でやっていて、リズムをちょっと叩きながら弾くっていう手法を取り入れたんです。ブラックミュージックに挑戦してよかったし、この曲を選曲してよかったなってあらためて思いました。ギターも歌も、自分の中で成長出来る1曲になりました。
◆ ◆ ◆
取材・文=山田邦子
2016年5月25日発売
WPCL-12303 ¥1,000+税
[収録楽曲]
1.それでしあわせ(フジテレビ系ドラマ、木曜劇場『早子先生、結婚するって本当ですか?』主題歌)
2.ずるいひと
3.YOU GOTTA BE(弾き語り) ※Des'reeのカバー
2016年5月25日発売
[初回限定盤]
WPBL-90379 ¥5,000(+税)
[通常盤]
WPBL-90381 ¥4,000(+税)
収録内容
1.Twinkle Days
2.恋のとなりから
3.恋はスペシャル
4.ハートクチュール
5.Weekend!
6.笑顔のグラデーション
7.Wishes
8.I am
9.Singin' In The Rain
10.Celebrate You
11.You tell me
12.Winter! Winter! Magic
13.X’mas medley
メリクリ~クリスマス・イブ~恋人はサンタクロース
14.Forever
15.Half Moon
16.DREAM SNIPER
17.Summer Darling
18.好きで好きで好きすぎて
19.あなたに恋をしてみました
アンコール
E1.はじめての気持ち
E2.nineteen
特典映像:【special movie】メリクリツアー2015東京公演ドキュメント映像
初回限定盤には豪華フォトブック付
●2016年5月28日(土)13:00~START
大阪:あべのキューズモール3Fスカイコート
●2016年5月29日(日)14:00~START
神奈川:ラゾーナ川崎プラザ 2Fルーファ広場 グランドステージ
【内容】ミニライブ&握手会・2ショットチェキ会
※イベント詳細:http://wmg.jp/artist/chay/news_69763.html
◆インタビュー(1)へ戻る
◆chay オフィシャルサイト
この記事の関連情報
ゼマイティス、シンガーソングライター“chay”プロデュースの白を基調としたエレアコ2タイプ
chay、約3年ぶり新曲「Beautiful Days」を配信リリース
【フェスレポート】MINMI、Hilcrhyme、田中聖、広瀬香美など12組出演<DIAMOND FES 2021>、「コロナになんか負けてたまるか」
GW開催<DIAMOND FES>、MINMI、田中聖、chay、Hilcrhymeほか豪華ゲストも
広瀬香美、ニューALで鬼龍院翔、百田夏菜子、眉村ちあき、chay、HAN-KUNとコラボ
chay、結婚式の映像を使った「Wedding Movie(Song By 「永遠の針」)」公開
chay、ベストアルバム発売記念ライブが決定。オンライン配信も
chay、“素の表情”が満載の「花束」MV公開
chay、ファンへの感謝の気持ちを込めた「Together」MV公開