【音楽ギョーカイ片隅コラム】Vo.39「MONOを日本から追っかける!(2)~モノって誰?編~」
MONOというバンドをご存知ですか?まだご存知ない日本の音楽ファンの方々にこのバンドの存在を知ってほしい、その音に触れてほしい、ライブを体験してほしい、そして、こうしている今MONOがどこで何をしているのかを知りたいという筆者の勝手な思い入れによって始まった新企画『MONOを日本から追っかける!』。
第2弾の今回、まずはバンドの情報基本から見ていきましょう。
MONOはTakaakira "Taka" Goto(guitar)、Tamaki(bass,piano)、Yoda(guitar)、Yasunori Takada(drums)の4人の日本人メンバーで構成されている日本のバンドで、1999年に東京で結成以降、活動当初から海外にも進出。これまで年に最低1度はワールドツアーを継続してきており、最初は数人しかいなかったオーディエンスを、数百人、千人へとツアー毎に小屋のサイズを押し上げながら活動しているライブバンドです。
このことはオフィシャルサイト内のTOURページを見ると明らかで、昨年(2015年)の公演履歴では1年のうち、2月3月を除く10か月間は何かしらのライブ活動をしていて、そのほとんどが海外公演であることがわかります。
US、UKなど音楽文化が盛んである国々では数カ所~10箇所以上で公演しながらその国や大陸を横断縦断することもあれば、サラエボ(ボスニア)、リエカ(クロアチア)、ブエノスアイレス(アルゼンチン)といった日本のバンドがなかなかそこまでは行かない(「行けない」というのが正しい言い方かも)都市にも出向いてライブを精力的に行うなど、その活動領域は正に世界規模。
2009年にはオーケストラを率いてのニューヨーク公演を大成功に収めるなどの独自街道をひた走る傍ら、2001年のSXSW Music Festival出演を皮切りに各国の名だたるフェスにも出演してきたこの正真正銘のライブバンドである彼ら。おそらく現役日本人バンドの中で最も広いエリアで活動し、壮大な旅をしているのがMONOでしょう。
続いてMONOの音楽性について触れてみましょう。
ポストロックとカテゴライズされているのをよく目にしますが、それだとどうもしっくりこないので言葉で表現してみますと、<嵐のように激しく鳴らされた重厚なエレキサウンドの渦の中にクラッシック音楽を彷彿させる美しくも脆くて儚げな旋律を共存させ、そのフラジャイルなメロディーによって見えない何かを聴き手の心へと運び、その琴線を激しく揺さぶると同時に全身が得体の知れない優しさに包み込まれながら音と体が一体化するような、他では感じることのできない唯一無二のサウンドを放つ摩訶不思議な快感を与える力を持つバンド>という印象です。
しかしながら、感受性は十人十色。この表現が正しいかどうかはわかりませんので実際のところはご自身の体で感じていただければ幸いです。
それから、MONOを語る上で忘れてはならないのが海外での認知度や海外音楽関連メディアからの評価の高さでしょう。海外では日本人バンドとして群を抜く高評価を得ているのにもかかわらず、日本では今もなお‘知る人ぞ知る'という程度。母国と海外での人気・知名度のバランスが全く伴っていないインストゥルメンタル・バンドなのです。
日本ではMONOのような歌なしのバンドはメインストリームに登りにくいとか、顔が見えないから外タレかと思ったとか、ほとんど日本で活動してないじゃんとか、ネガティブに成りうる要素もあることは事実。しかしながら、世界中にはMONOの音に胸を熱くする多くの人たちが彼らの凱旋公演を待ちわびているというのに、日本ではその素晴らしさがあまり響いていないという状況にはどうにも歯がゆさを感じてしまうのです。
だからこそ日本で応援しようと、せねばならんと、鼻息荒くして、日本のまだMONO未体験の音楽ファンにMONOワールドに触れて欲しい一念で、不定期ながら追っかけスタイルで続けていく所存です。よろしければお付き合いくださいませ。
Photo:MItsuyo Miyazaki, Yoshiharu Ota
◆早乙女“ドラミ”ゆうこの【音楽ギョーカイ片隅コラム】
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