【イベントレポート】セントチヒロ・チッチ(BiSH)「変態ですね。みんなも変態でしょ?」

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『IDOL AND READ 005』発売記念トークショー&サイン会が、12月14日セントチヒロ・チッチ(BiSH)を迎えてタワーレコード新宿店にて開催された。立ち見満員の場内、まず司会進行の平賀哲雄、BiSHマネージャーの渡辺淳之介が登場、イベントのスタートを切った。

◆セントチヒロ・チッチ(BiSH)画像

平賀:実は、今回一人で公の場に出るということでふだんと勝手が違って、チッチは楽屋でかなりドキドキ緊張してましたけど、最近渡辺さんの中でチッチはどうですか?

渡辺:可愛くなったよね(場内爆笑)。いや、ほんと。BiSH出して半年くらいですけど、メンバー全員ドンドン可愛くなるなって。デビューしてちょっとだけ有名になって、ちょっとだけ有名なフェスとかにも出て、でも今日は初の単独イベントなので楽屋でも喋ってなくて。チッチってこういうときオーラ出すよね。

平賀:“喋りかけんな”オーラ。

渡辺:今も多分そうとう不機嫌な顔して。

平賀:“なんでこんな話をしてるんだ”って(笑)。

渡辺:いやぁ、“早くチッチを出せ!”ってヤジが来たら呼ぼうかと思ってたんだけど…(場内から“早く出せ!”の声)

平賀:まぁ、トーク・イベントですからね、呼びましょうか。

渡辺:呼びましょう。

平賀:では、本日のゲスト、セントチヒロ・チッチです。

(“可愛いい~~!”の大歓声大拍手の中、チッチ壇上へ)


チッチ:恥ずかしいですね(笑)、ありがとうございます。

平賀:ではチッチさん、初の単独イベントの意気込みを。

チッチ:初めてのソロ・イベントなので、めっちゃ緊張してるんですけど…、私のこと知って帰ってください!以上(笑)。

渡辺:なんでも聞いていいの?

チッチ:なんでもいいですよ。

渡辺:じゃ、ちょっとずつ丸裸にしていこう(笑)。

平賀:『IDOL AND READ 005』では10,000字インタビューで色々と話してますが、チッチは生まれたから今日までの話をこんなにしたことはなかった?

チッチ:なかったですね。初めて家族のこととか自分がどこで生まれてどこで育ったとか話したんですけど。(場内に)覚えました私の出身地?

(場内から“八王子!”の声)

チッチ:そう、私、八王子の観光大使を狙ってるんで。

平賀:ファンモン(FUNKY MONKY BABYS)がやったやつ。

渡辺:(『IDOL AND READ 005』を読みながら)オレも初めて知ったよ、一歳からコスプレーヤーだったのね。

チッチ:いや、だからそれはピンキー(でんぱ組.inc藤咲彩音)でしょ。(場内大爆笑)

平賀:ちなみにこのネタは、さっき楽屋でやってました(笑)。

平賀:『IDOL AND READ 005』では家族のことをばんばん話してますが、お父さんが?

チッチ:ろくでなしですね。

平賀:あと、お母さんが浮き名を流してたり、弟が彼女ができなかったり…(笑)。家族は読んだんですか?

チッチ:赤裸々に語りすぎたので、ちょっと読まれるの恥ずかしいなと思って見せるのはためらってたんですけど、お母さんが勝手に見ていて、“こんなに言っちゃうんだね、あんた”って。でもけっこう大らかなお母さんなので、私が載ったことの方がうれしかったみたい。

渡辺:BiSHの「ALL YOU NEED IS LOVE」のPVの中でチッチがお母さんにおんぶされて走ってるシーンがあって、あのおかんめっちゃ可愛いよね。

チッチ:可愛いでしょ。

渡辺:あの時代に出会いたかったな(笑)。

チッチ:どういう意味ですか?、今も可愛いですよ。

渡辺:昔の写真とか見るとチッチは太ってて。

チッチ:ホントに太ってたんですよ、ボンレスハムみたいな子どもだった。

平賀:クラスで一番のデブ。

チッチ:そうそうそう。

渡辺:いつまでそうだった?

チッチ:デブだったのは小6くらいまで。

渡辺:それまでは告白されたこととかないでしょ。

チッチ:ないです、ないです。

渡辺:中学になって、今みたいに?

チッチ:人間って成長するに連れてスリムになるじゃないですか。私は自然とこうなり(タテに伸びる仕草)ました。

渡辺:オレの中で、チッチの小学校時代は“不遇の時代”って呼んでるんだけど、その時代ってイヤなヤツだったんでしょ?

チッチ:イヤなヤツでしたね。小学校のときの“イヤなヤツ”の私は、人のことをいじり過ぎて、それに気付けずに嫌われていく。

平賀:“おめぇもデブじゃねぇか”って言われて。

チッチ:それで気付いた。

平賀:だんだん友だちがいなくなって。

渡辺:八王子って、だいたい小学校の同級生は同じ中学校に行くでしょ、ヤバいじゃん。

チッチ:ヤバいですよ。でも、中1で痩せて可愛くなったので、ちょっとフワッと。小学校から中学になるときって、色んな小学校から来るでしょ、だから別の小学校から来た人の方に行ってました。

渡辺:それからはあんまりデブとか言わないようにして。

チッチ:そう、思っても。

渡辺:デブのヤツにも心の中でデブだなと思うだけで。

チッチ:思うだけで、言わない。


平賀:学校の中でスケバンみたいなのにいじめられたっていうのは?

チッチ:それは中2くらい。ロッカーに壁ドンされて。

渡辺:“お前の席ねぇから!”って。

チッチ:そんな感じ。リアルなやつ(笑)。

平賀:そういうとき心の中では。

チッチ:絶対、こいつらよりいい人生をおくってやる!(笑)。

平賀:凄いね!なかなかそういうときに思わない。

渡辺:今もそうだけどさ、チッチって基本ネガティヴだよね。悔しいときに“こいつに負けないように頑張らなきゃ、私、やってやる!”っていうんじゃなくて、“あ、ヤバい、これダメ、絶対負ける、無理だわ…”って声が裏返る(笑)。

チッチ:今、現在ね。なんでそういうこと言っちゃうんですか。

渡辺:今日は裸にしていいって言ったじゃない。

チッチ:いいですよ(笑)。

平賀:それだけムカついたパワーがあったから今に至る…みたいな話ですよね。

チッチ:そうですよ。

平賀:“あの女、絶対ぶっ潰してやる!”という気持ちでここまで這い上がってきた。

チッチ:そうそう、そうですよ、勝った!~みたいな(笑)。

平賀:チッチの人生的には絶好調って感じなんですか?あの頃の自分に対して。

チッチ:そうですね。そうだと思います。

渡辺:これ、アイドルに対してすごい重大なことなんですけど、チッチは今すごく努力してるから好きなんだけど、アイドルってさ、何かカンニングみたいなものだね。

チッチ:カンニング?

渡辺:見返してやる!ってとこ、例えばマンガ家で例えていえば、ふつうアシスタントに入って頑張ってマンガを学んで、下積みを何年間かやって、編集の人とも仲良くなって、ネーム見てもらって、“じゃあ狙ってみる?”って言われるまで5年くらいかかるストーリーがあるじゃん。それに例えるとアイドルになるって、少年ジャンプに投稿して月例賞出して大賞穫って連載デビュー…ってそういう感じ。なんか楽しようとしてる…。

チッチ:違いますよ。アイドルはアイドルで、こっちも色々あるんですよ。

渡辺:それはウラで聞こうかな(笑)。

チッチ:ここに来るまでに(指折り数えながら)、努力してるんですよ。

渡辺:何努力したの?

チッチ:強がりセンセーション(以前加入していたアイドルグループ)とか

渡辺:(爆笑)

平賀:だけ? そういう話をさんざん『IDOL AND READ 005』でしたでしょ(笑)

渡辺:その後努力すればいいと思うし、その結果どれだけ有名になるかも決まるから、それは全然いいと思うんですけど。でも、オーディションの時はけっこう一攫千金のヤツが多かったな…と思ったの。

この後、渡辺マネージャーからオーディションのときの話や、かって在籍したメンバーのエピソードなどが語られた。続いてBiSHの今後のテーマから、チッチのキャッチフレーズといった話題へ。


渡辺:ボクは前にBiSっていうアイドルをマネージメントしてたので、そのときの常識でもってBiSHに何かやらせようとすると、これが違ったんです。プー・ルイ(元BiS、現LUI FRONTiC赤羽JAPAN)ってリーダーは何回“痩せろ”って言っても痩せないんですよ、言うことをきかない。でもハグ・ミィ(BiSH)は“5キロ痩せろ”って言えば痩せてきて、それを2ヶ月くらい維持してる。あと、最近は少しだらけてきたけど、締め切りとかってちゃんと守るし、遅刻するのはオレだけ(笑)。制作のスタッフからも“BiSHは誰も迎えにいく必要がないからいいね”って言われる。

平賀:BiSHはいろんなドラマがありましたけど、現状いい感じで仕上がってきてるのでしょうか?

渡辺:悪い雰囲気はないよね。

チッチ:はい(きっぱり)。

渡辺:今の目、なんか怖い。波乱が起きるよ…。

チッチ:仲いいですよ、すごく。昨日も夜中まで語り合いました。

平賀:何について語りあったの?

チッチ:それは秘密ですよ。

平賀:前向きな語り合い?

チッチ:ええ、とても健全な語り合い。

渡辺:今、BiSHやって半年。来年1月には恵比寿のリキッドルームをやるじゃないですか。ボクはBiSのときは1年かけてリキッドルームをやったんですよ。それでも早いって言われたけど、キミたちBiSHは半年でやってのけるわけでしょ。

平賀:チケットも完売して。

渡辺:BiSのときは完売してなかったですからね。(例えて言うなら)いきなり強がりセンセーションっていう男からBiSHっていう男に乗り換えて(笑)、お客さんがいっぱい来ることの難しさとか感じる?

チッチ:めっちゃ感じますよ。

渡辺:500人の壁ってよく言われるんですけど、そういうCLUB QUATTROとか渋谷WWWとかのキャパをフッと裕に超えて1,000人キャパのリキッドに行ってしまった。そのプレッシャーを一番感じてるのってチッチだよね。

チッチ:プレッシャーって一生ついて来ますよね。

渡辺:ステップアップするごとにね。

チッチ:何なんですかね、気にし過ぎ?

渡辺:でも気持ちいいでしょ。

チッチ:そう、プレッシャーを感じてる自分を好きだ、みたいなところはあります。(場内から“ヘンタイ!”の声)

渡辺:変態なの?

チッチ:変態ですね。(場内爆笑)

平賀:じゃあ相性いいですね。マネージャーはドSですから。

チッチ:そうですね。

渡辺:そんなSじゃないよ。

チッチ:でも変態ですね。みんなも変態でしょ?

渡辺:チッチは性的にどの辺が変態なの?軽い方でいいよ。

平賀:タワーレコードで言える範囲で。

チッチ:痛いのが好き。(場内大爆笑)

渡辺:次のチェキ会からは、ちょっとつねって(笑)


平賀:残り3分なので、それは楽屋で話してもらうとして(笑)。BiSHは今絶好調なんですけど、さっき楽屋で、このままじゃPOP(ピーオーピー/同じ事務所所属のアイドルグループ)に追い抜かれるんじゃないかって話をしてたので、せっかくですから公の場でその話題を。この間のイベントのPOPのライヴはすごくよかったし。

チッチ:私はちょっと離れた所で真剣に見てたんですけど。

渡辺:え、寝てたじゃん。

チッチ:見てます(笑)。いやぁ、正直ここまで来たかって思いましたね。全然敵じゃないなって思ってたので。(場内からオオっ~とかけ声)

渡辺:これがほんとのチッチ!、意外と闘志むき出しなんですよね。

チッチ:ここまで来たか。ヤベェなBiSHって正直思った。だからメンバーにもそう感じて欲しいなと思うんです。言われないでも感じて欲しい。

渡辺:でも圧倒的な立ち位置にいるうちに、ヤベェって思うことはなかなか出来ないと思うよ、それはすごくいいことだよね。

チッチ:そうですね。全力が売りですから、私の。

渡辺:そうだ、キャッチコピーは「全力キャプテン」だった。でもそういう割に全力感を感じたことあまりないんだけど。

チッチ:ウソでしょ?めっちゃ全力じゃないですか。

渡辺:じゃ最後に、ここにいる皆がBiSHに対して完全に涙して感動する一言を全力でお願いします。(笑)まず、全力の人は立つでしょ。

チッチ:(立ち上がって)え~~何、何、何(しばし絶句)、どうしよう、え~っと…。

渡辺:全力で行けよ、全力で!

チッチ:わかった、行くよ、“オレについて来い!!”(場内からオオっ~とかけ声)

この後、場内に集まった満員の観客一人一人にサイン&握手会が行われた。



『IDOL AND READ 005』
A5判/240頁/本体1,200円+税
ISBN:978-4-401-77139-4
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