ラスト・イン・ライン、ディオ黄金期のパッションを再び
ディオ黄金期のメンバー、ヴィヴィアン・キャンベル、ヴィニー・アピス、そしてジミー・ベインによるラスト・イン・ラインがついにデビュー作『ヘヴィ・クラウン』をリリースする。2016年2月3日、ここ日本で世界最速先行発売だ。
◆ラスト・イン・ライン画像
2010年5月16日にこの世を去ったロニー・ジェイムズ・ディオは、レインボーやブラック・サバスを経て自ら率いるディオを結成、『情念の炎~ホーリー・ダイヴァー』(1983)、『ラスト・イン・ライン』(1984)、『セイクレッド・ハート』(1985)はハード・ロック/ヘヴィ・メタルの歴史的名盤として聴き継がれているが、その3作でプレイしていたのが、ヴィヴィアン・キャンベル(ギター/デフ・レパード、元ホワイトスネイク)、ヴィニー・アピス(ドラムス/元ブラック・サバス)そしてジミー・ベイン(ベース/元レインボー)の3人だった。
現在ではデフ・レパードの一員として活動、2015年11月のデフ・レパード来日公演でもあらためて存在感を示したヴィヴィアン・キャンベルだが、ラスト・イン・ラインとして始動するきっかけとなったのは、「もっとギターを弾きまくりたい!」という欲求だったという。2011年初め、シン・リジィのツアーに参加した彼は、久しぶりにハードなギター・プレイの快感に浸り、ツアーを終えてかつての盟友だったヴィニーとジミーに連絡を取り、ディオ時代のナンバーを演奏するリハーサルを開始した。また新バンドのシンガーとして元リンチ・モブのアンドリュー・フリーマンを起用、伸びやかなシャウトを聴かせるヴォーカルはあえてロニーと異なる声質ということで迎えられた。
そうしてスタートをきったラスト・イン・ラインは、ツアーを開始し<ラウド・パーク13>で来日、ディオの名曲の数々を披露している。往年のクラシックスに新たな生命を吹き込んだ彼らだが、さらなる前進を図るべくスタジオに入り、やはりディオの元メンバーでありドッケンの一員であるジェフ・ピルソンをプロデューサーに迎えて制作したのが、本作『ヘヴィ・クラウン』となる。
「サウンド的には初期のクラシックなディオに近いよ。『Holy Diver』とかをもうちょっとモダンにした感じとでも言うかな。曲によってではあるけど、アルバムの半分くらいは『Holy Diver』に入ってても違和感ないような曲だ。アルバムのレコーディングやミキシングについても、今の時代の当たり前のやり方じゃなく、『Holy Diver』と同じ手法にこだわったんだ。最近のレコーディングって結構コンプレッサーがキツいだろ?その点僕らのアルバムは十分にスペースを取って、空気感みたいなものを感じさせるように心がけたんだ。だからアルバムを聴く時には是非ヴォリュームをできるだけ大きくして欲しいね。ドラムにもベースにもギターにもヴォーカルにも、周囲を取り巻く空気みたいなものが感じられるサウンドにしたかった」──ヴィヴィアン・キャンベル
リードトラック「デヴィル・イン・ミー」を筆頭に、ヘヴィでダイナミック、そしてメロディアスなサウンドが襲いくる全12曲は、ディオの精神を受け継ぎ、その魂に敬意を表したものだ。もちろん過去への郷愁のみで成り立っているのではない。ヴィヴィアンのテクニカルなギター、ヴィニーとジミーの鉄壁のリズム・セクション、そしてアンドリューのヴォーカルは、1980年代のディオにあった情念を現代に蘇らせたものとも言える。
Photo by Ross Halfin
【メンバー】
ヴィヴィアン・キャンベル(ギター)
ジミー・ベイン(ベース)
ヴィニー・アピス(ドラムス)
アンドリュー・フリーマン(ヴォーカル)
ラスト・イン・ライン『ヘヴィ・クラウン』
【初回限定盤CD+DVD/日本盤限定ボーナストラック追加収録/歌詞対訳付/日本語解説書封入】3,800円+税
【通常盤CD/日本盤限定ボーナストラック追加収録/歌詞対訳付/日本語解説書封入】2,700円+税
1.デヴィル・イン・ミー
2.マーター
3.スターメーカー
4.バーン・ディス・ハウス・ダウン
5.アイ・アム・レヴォリューション
6.ブレイム・イット・オン・ミー
7.イン・フレイムス(ボーナス・トラック)
8.オールレディ・デッド
9.カース・ザ・デイ
10.オレンジ・グロウ
11.ヘヴィ・クラウン
12.ザ・シックネス
13.ヘヴィ・クラウン(アコースティック・リミックス)*日本盤限定ボーナス・トラック
DVD
メイキング・オブ・ヘヴィ・クラウン(日本語字幕付き)
「デヴィル・イン・ミー」ビデオクリップ
「スターメーカー」ビデオクリップ
◆ラスト・イン・ライン『ヘヴィ・クラウン』オフィシャルページ
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