【ライブレポート】SLAYERとGOJIRA、激熱ステージに東京炎上
いよいよこの週末、10月10日と11日の二日間にわたって、さいたまスーパーアリーナにて開催される<LOUD PARK 15>。それに先がけ、10月8日には東京・新木場STUDIO COASTにてSLAYERの単独公演が実施された。同6日に行なわれた大阪での公演と同様、彼らと同じマネージメントに所属するフランス出身のGOJIRAもサポート・アクトとして登場し、両バンドの熱演にフロアを埋め尽くしたオーディエンスは熱狂。すさまじく濃密な一夜となった。
◆SLAYER&GOJIRA画像
詳しい演奏内容などに関しては<LOUD PARK 15>でのステージを楽しみにしている読者のためにも伏せておこうと思うが、まず開演時刻とほぼ時を同じくして登場したGOJIRAは、約60分の演奏を披露。1996年に結成されたこのバンドにとっては今回が正真正銘の初来日となるが、“まだ見ぬ大器”との評判にたがわぬ研ぎ澄まされた演奏ぶりには、時間の経過を忘れさせるような力があった。
開演前にはこのバンドのフロントマンであるジョセフ・デュプランティエにインタビューする機会があったのだが、彼は「ずっと憧れてきた日本にようやく来ることができて、大阪公演では必要以上に何度も“初めての日本なんだ!”と言ってしまったよ(笑)。今はちょうど最新アルバムに伴う長いツアーの最後にあたる。正確に言うと日本の後にイスラエルでの公演が1本だけあるんだけど、この日本ですべてのエネルギーを出し尽くすつもりでいるから、今夜の機会を逸した人たちにも是非<LOUD PARK 15>での俺たちのステージは見逃して欲しくないところだね」と語っていた。ちなみに彼はここ数年、ニューヨークで暮らしており、なんとレコーディング・スタジオまで設立。2012年に発表された現時点での最新作『ランファン・ソヴァージュ~野生の少年~』に続く次作の制作も、その場で着々と進められているとのことなので、こちらについても今から楽しみにしておきたいところだ。
そして、そんなGOJIRAのパフォーマンスだけでも充分な満足感を得られたというのに、それを経て登場したSLAYERは、敢えて言うならやはり格の違いを見せつけてくれた。ジェフ・ハンネマン(G)の他界を経て制作された最新アルバム『レペントレス』は、新旧双方のファンから高い支持を集めながら、世界各国で快調な動きをみせている。とにかくこの作品に張り詰めるテンションのすさまじさには特筆すべきものがあるが、やはりこのバンドはライヴにおいていっそう凄みを増す。90分を超える演奏には一切の中だるみもなく、これといった演出が伴っているわけでもないのにSLAYER然とした切れ味のいいリフの応酬は、観る者をまったく飽きさせることがない。オーディエンスに語りかけるたびに笑みを浮かべるフロントマン、トム・アラヤの“優しい威厳”とでもいうべきものも含め、とにかくそこには限界ギリギリのスリルと、ある種の余裕を伴った風格が同時に感じられた。
SLAYERに関してもごく近いうちに、最新肉声をお届けできることになっているし、GOJIRAのインタビューについても近日中にたっぷりとお読みいただける予定だ。そして何よりも必見のバンドばかりが集結する<LOUD PARK 15>が楽しみなところだが、この2組のステージはやはり見逃すわけにはいかないだろう。10日と11日はさいたまスーパーアリーナに集結せよ!
文:増田勇一
撮影:野田雅之