【インタビュー】<りんご音楽祭2015>開催予告 クロストーク「オーディションは恋みたいなものだからね」

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2015年9月26日(土)&27日(日)に開催される<りんご音楽祭>に向け、その出場権をかけた「RINGOOO A GO-GO」なるオーディションライブが全国で展開されている。北海道から沖縄、台湾を含む17都市全52回のオーディションライブから、20~25組が<りんご音楽祭2015>へ選出される予定だ。<りんご音楽祭>は毎年150組を超えるアーティストが出演する長野県を代表するイベントで、現在開催場所は調整中となっている。

◆スリーパー(古川陽介)、ヴィーナス・カワムラユキ、コムアイ画像

<りんご音楽祭>は、長野県松本市で2009年から始まった古川陽介主催の野外音楽フェスだが、これまで7度開催され回を増すごとに盛り上がりを見せている。これに向けて行われるオーディションライブが<RINGOOO A GO-GO 2015>ということで、5月31日(日)までの3か月間にわたって<りんご音楽祭2015>出場をかけ、アーティストたちがしのぎを削ることになる。

ここでは、りんご音楽祭主催者のスリーパー(古川陽介)と、渋谷のウォームアップアップバー「しぶや花魁」プロデューサーでありDJ/作詞家のヴィーナス・カワムラユキ、そこに<RINGOOO A GO-GO>出演経験をもつ水曜日のカンパネラからコムアイを交えてのクロストークをお届けする。

   ◆   ◆   ◆

ヴィーナス:水曜日のカンパネラが「RINGOOO A GO-GO」に出たのは2013年なのだけど、応募のきっかけは?

コムアイ:りんご飴マンかな。何かやろうっていって応募したのがきっかけかな?

スリーパー:りんご飴マンが知ってたの?

コムアイ:いや、私たちもその年、主要なフェスにどれか一つでも出れたらいいなあって思って話し合っていて。それで「りんご音楽祭」出たいねって流れに。前に他のイベント出た時にりんご飴チームと知り合って、「りんご音楽祭」のことを詳しく教えてもらったりしました。

ヴィーナス:なんで「りんご音楽祭」がいいなって思ったの?どの辺が?

コムアイ:名前かな。

ヴィーナス:逆にスリーパーはどの辺に魅力を感じたの?水曜日のカンパネラ。

スリーパー:何か、本物か偽物かどっちかだけど、どっちかな~って思って。ライブが変わってて面白くて。

ヴィーナス:どこで見たの?

コムアイ:渋谷のUNDER DEER LOUNGE

スリーパー:で、今はコムアイがステージが高いと力を発揮するって事が最近わかってきたんだけど、たまたまUNDER DEER LOUNGEステージが超高くて、上から目線の煽りみたいのがすごいくるんだよ、若い女の子が、めちゃめちゃ上から目線で食い込んでくるっていう、で、うちのスタッフと話してて、これどっちだろうねーって。

コムアイ:あのライブの時、すごい笑い声がうるさくて、ライブ中は「うわっ何この人たち」って思ってた。

スリーパー:俺そんなに笑ってた?


▲スリーパー

コムアイ:「やべー」みたいの聞こえて来て。たぶん…スリーパーの声だと思うけど。

スリーパー:声でかくてすいません。

コムアイ:すごい聞こえてきて、あー、あの人達が決めるんだーっと思って(笑)

スリーパー:嫌な感じじゃん(笑)。気をつけよ。

コムアイ:でもそういうのがいいよね、主催者が出過ぎちゃうっていう。

ヴィーナス:どういうタイミングで決めるの?

スリーパー:3つに分かれるかな。ダントツ良いのはその場で決定!って言いたいのはたまにいて、あと全然だめなのもすぐわかる。
でも、いいとこあるけど、足んない部分もあるな~っていうのがそれが半分くらい。

コムアイ:何が足んなくて、何がいいのかすごく聞きたい。

スリーパー:よくあるのが、曲はすごくいいんだけど、演奏も歌もヘタ。あとステージになれてないというパターン。

ヴィーナス:でも曲がいいって素晴らしいね。

スリーパー:若いバンドとか見て、すごい曲はいいけど、ボーカルがきっと自分で歌いたいんだけど、自分で歌いたいのか、この曲で何かを起こしたいのかっていうそれで大きく変わってくると思う。自分の作った曲で世界を変えたいと思って、冷静に判断して、ボーカリストとしては世界を変えられない、でも自分の曲は世界を変えられる。だったら本当は歌いたいけど、っていう考え方ができればいいけれど。

コムアイ:ん~なかなかわかんないよ~、どっちも自信が無いと思う。

ヴィーナス:その辺のアドバイスは?

スリーパー:バンドに聞かれたら言うよ。「RINGOOO A GO-GO」とかだと向上心がある人だと聞いてくるから、そういう人には言うし、でも言われたくない人もいるじゃん?でも、光る物がある人は一応謙遜して言うようにはしてる。たまに言うのは、音楽を芸事として、ステージに登って、お金もらって人に見てもらいたいって言ってやってきたいのか、音楽がただ好きで演奏できればいいっていうのではえらい違いがあって、「RINGOOO A GO-GO」っていうものは、お客さんに見てもらいたいっていう人達にやっている事であって、でもやりたいようにやってる人もすごいいいと思うし理解してるんだけど、自分がどっちをやってるのかっていうのを理解するのはすごい大事だと思うんだよね、だからよく言ってる。いい音をいい音として伝える努力は必要だね。

ヴィーナス:具体的にはどんな内容のアドバイスとかするの?


▲ヴィーナス・カワムラユキ

スリーパー:例えば、俺「この曲ってが凄い深~い感じで青い感じじゃん?!」→バンド「そうですそうです!」→俺「だったら照明に伝えておかないと!」とか。

コムアイ&ヴィーナス:アァーーーーー。めちゃ良いじゃん!

ヴィーナス:音楽を芸事として、お客さんを魅了するって事を自分たちで考えられるようになると素晴らしいわね。

コムアイ:衣装とかもそうだよね。なんか思い出したんだけど、ライブやりたくないなって時期に、自分のライブの映像を見返して、お客さんとか関係者とかに言われる嫌なことは、自分のライブを変えれば全部解決するじゃんっ!ポジティブな感じで気づいて安心した。

ヴィーナス:うんうん。それで、2013年に水曜日のカンパネラが出て来て、りんご音楽祭としてはどんな滑走路を作ってあげられたと思いますか?

コムアイ:全部やってくれたよね!

スリーパー:そんなにやった?

ヴィーナス:今、沖縄にいるじゃない?沖縄のタワレコ総合チャートで水曜日のカンパネラが1位を取ったんでしょ?

スリーパー:それは俺もグッと来た、やっぱりきっかけは俺も関わってるから。沖縄へ最初に誘ったの俺だしね。そんな沖縄の地で今回の対談してるのとかも良いよね。

コムアイ:沖縄にon(古川が経営するDJバー)ができたのと、私が地方に行けるタイミングが重なったから。タイミングが良かったんだよ。

スリーパー:メジャーのそうそうたるメンツの中で総合チャート1位って本当に凄いよね。

ヴィーナス:そういう大衆音楽に個性で食い込んでいったわけだし、そういった中でも沖縄は何か特別なのかな?

コムアイ:寛容だよね、個性に対して。

スリーパー:個性を愛する感じだね。

コムアイ:でも私、人生で一番最悪だったライブがonのライブだな~。

スリーパー;ステージがないのホント苦手だよね~


▲コムアイ(水曜日のカンパネラ)

コムアイ:ライブにならないんだよね~

ヴィーナス:じゃあこれを機にDJに(笑)

コムアイ:DJ? でもDJって果てしなくて怖い!DJが廻してるスピーカーの前で踊ってるだけで楽しいから、私がDJになる必要なくない?

ヴィーナス:「RINGOOO A GO-GO」ってバンド以外も応募来るの?

スリーパー:来るよ、ラップグループとか水曜日のカンパネラみたいにトラックで歌う人とか。弾き語りも来るし、何かね今度ダンサーが応募してもいいかっていうの来たよ。

コムアイ:へ~、面白いね。

スリーパー:色々くるよ~、アイドルとかも来るし。「りんご音楽祭」を全然知らない人も来るし。あと「RINGOOO A GO-GO」とかは、出てくれた人とは色々絡んでいきたいよね~。

ヴィーナス:まぁ、オーディションは恋みたいなものだからね~

コムアイ:それいいね、タイトルそれにしよう、オーディションは恋。(笑)

ヴィーナス:そう、オーディションは恋で、契約は愛よ。

スリーパー:そう、オーディションの評価が全然全てじゃないからね。

ヴィーナス:「RINGOOO A GO-GO」はオーディションであり、ライブであるって事だよね、要はそこでお客さんをロックしてる姿とかも見たいしね。そして、そのオーディションに勝ち抜いたバンドと全国ツアーもしたでしょ?

スリーパー:そう、年末にその年の「RINGOOO A GO-GO」に参加してくれたバンドで、僕がいいなって思うバンドに6組ぐらい集まってもらってゴーゴーアワードっていうのをやって、それでグランプリになった「夕暮れの動物園」ってバンドとツアーをしたんだけど、それがすごいよくて、そういう活動をやっていきたいなってすごい思った。

コムアイ:良ければどこまででも面倒見てくれるよね。

ヴィーナス:でもさ、恋は盲目だしさ、恋は唐突だしさ、恋は事件だから。そのテンションの高まりが、うまくステージにパッケージングできたり、他のイベンターさんへのご縁だとか、CDになったり、何がどうなるかわかんないけど、そういう発展の追い風を吹かせてくれるっていうのが「RINGOOO A GO-GO」なんじゃないかな。

スリーパー:まぁ、うちとかは資本も無いし、やれる事は限られてるけど、りんご音楽祭自体がそうであるように人の繋がりと気持ちでやってるから、そこはいっぱいみんなに繋げてあげたいいんだよね。

ヴィーナス:でも、そういう所にエントリーしていない限り、何かは起こらないじゃない?

コムアイ:そうだよね~、何か絶対受かんなきゃいけないみたいなので、出ても面白くないしね~

ヴィーナス:そこが、メジャーのオーディションと違う特徴だよね、そういうのに共感したり、メジャーの音楽業界が今までのようにやる事が難しい中で、あえて等身大の音楽エンターテイメントを提供していくかっていうのが「RINGOOO A GO-GO」なのかもしれないね。

コムアイ:でも間違いなく新しい時代の風は吹くよね「RINGOOO A GO-GO」がやってる間は。

スリーパー:うん。そういうとこに共感してくれる人が集まって来てる、自然と。

ヴィーナス:若いバンドの志に近いよね、「りんご音楽祭」って」あと「RINGOOO A GO-GO」で出会ったバンドと一緒に育っていきたいって気持ちがあるよね。

コムアイ:そうだね、同期みたいな。


スリーパー:もうそれしかないよね、オーディションもそうだけど、「りんご音楽祭」は一緒に日本の音楽シーンを最高なものにしてこうぜっていう仲間でお祭りやってるだけだから、その意識がわかる人だとばっちりはまって、オーディション後もどんどん一緒にできてる感じだね。なんかオーディション後はりんご音楽祭が全部やってくれるんでしょ?っていう昔ながらのオーディションとはちょっと違うかな。一緒にお祭りできる人を集めてるから、一緒に遊べない人とは、一緒に出来るわけないからね。多分、そういう事が知りたいバンドは打ち上げあったら行きます!みたいな感じで、他のオーディションとの違いを感じてくれてるんだよね。

コムアイ:感がいいんだね。

ヴィーナス:だからステージ以外の部分でもなんかトライしてみるといいんだね。

スリーパー:そうだね「RINGOOO A GO-GO」で知り合ったけど、りんご音楽祭以外の場所で発揮できるとこがあったらどんどん紹介するしね。

ヴィーナス:もしかしたら、りんご音楽祭周辺の音楽業界の人とか何か志してる人との出会いとかもあるかもしれないし、それも含めて「RINGOOO A GO-GO」に参加するのもいいかもね。

コムアイ:独特な雰囲気だよね。

スリーパー:オーディションってわかりやすいから、オーディションって言ってるけど、やっぱり一緒に祭りやる仲間探しだね。

ヴィーナス:そういえば、しぶや花魁スタッフの面接もオーディションって言うしね。笑

スリーパー:それに近いよね。一緒に働けるか、一緒に夢見れるかとかと同じで、善か悪かじゃなくて一緒に祭りできるか。

コムアイ:都会っぽいオーディションと全く違うよね、人間味があるっていうか。

スリーパー:そんなんでオーディションやってるのかよ?って思う人もいると思うけど、うちのやり方はそういう感じだね。でもさ、そこから生まれる物ってかけがえの無いものじゃん?

コムアイ:すごい寒い(笑)

スリーパー:え?そんな事ないよ。だってさ、オーディションから一緒に沖縄行ったりとか発展するとかあまりなくない?

ヴィーナス:とりあえずさ、一生の付き合いの始まりではあるよね。例えば、私とコムアイが今から10年ほど会わなくなっても、10年後にあった時にこの日の事を思い出すわけ。何があるかわからないけど、そういう人生の素敵な出会いがあるかもしれないよね。

スリーパー:なんか俺そういうポジションでいたい。何かここ繋がったら絶対面白いっていう間にいたい。自分の魅力に気づいてない人が多いから、君の魅力はもっとここにあるよ~っていうやつ。

コムアイ:人生の友を探すつもりで来たらいいよね。

スリーパー:「りんご音楽祭」とか「RINGOOO A GO-GO」をきっかけに何かやりたいっていうのはいいけど、「りんご音楽祭」に出たいだけの人は何か違うかな。

コムアイ:結局出たとしても、出たな~で終わっちゃう気がする。

スリーパー:むしろその後が特徴的だからね。

ヴィーナス:逆に言うとさ、やって帰りますみたいなフェスが多いからね。

スリーパー:俺たち、そういうのが嫌いで自分たちでやってるからね。フェスっていうのが商業的になりすぎて本来の祭りっていう部分を飛ばしすぎてる気がする。

ヴィーナス:シンプルな事なんだよね、音楽は音を楽しむですから、まず楽しんで欲しいよね。オーディションも楽しんで欲しいし、ライブも楽しんで欲しい、空間も楽しんで欲しい、人生も楽しんで欲しい、人生を豊かにするためにこうゆう事があるわけだしさ。そうゆうのに旗を振っていく事が「りんご音楽祭」のスピリットだったりするわけだしね。

コムアイ:たしかに。

ヴィーナス:色んな年代の人にオーディション来て欲しいよね。「RINGOOO A GO-GO」は出会いのパワースポットだ。


過去3年実施されたりんご音楽祭オーディションライブ「RINGOOO A GO-GO」からは、2013年グランプリ「ノンブラリ」、2014年グランプリ「夕暮れの動物園」を筆頭に、沖縄では嵐やテイラー・スウィフトを抑えアルバムがタワレコ総合チャート1位になり来月末のリキッドルームワンマンが2ヶ月前に売り切れるほどの勢いになっている「水曜日のカンパネラ」、日本を代表するラッパー鎮座DOPENESSのバンド・DOPINGBANDのメンバーとしても活躍する「CHAN-MIKA」、ロッキンオン主宰RO69JACKで優勝しロッキンオンフェスやBAYCAMPへの出演も果たした「プププランド」、関西で話題を集めていたクリームチーズオブサンのフロントマン「原田茶飯事」、バンド演奏でアイドルがライブするという企画・ゆるめるモ!×箱庭の室内楽などでも話題の「箱庭の室内楽」、北海道にて若手を代表するポストロックバンド「地球の危機」、日本に先駆けイギリスのbabtboomよりデビューしサマソニなどにも出演した金沢を代表するバンド「noid」、SMEが主宰するSOUND YOUTHで優勝した「阿佐ヶ谷ロマンティクス」など、今の若手を代表するミュージシャンを多数輩出している。

◆りんご音楽祭オフィシャルサイト
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