【インタビュー】fhana、いろんな可能性があった中で僕と君だけが出逢ったというかけがえのない物語『Outside of Melancholy』

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■「Outside of Melancholy ~憂鬱の向こう側~」と「white light」は苦労しました
■自分の精神力を持っていかれて歌い終わったときは抜け殻みたいになっちゃいました


▲『Outside of Melancholy』初回限定盤

▲『Outside of Melancholy』通常盤

──なるほど。たしかに、11曲目の「innocent field」も、カップリングだったけど、ここの流れに置かれることで、すごくメリハリが付くことになったというかね。

towana:そうなんです。シングル曲が多く入るアルバムでもあったので、その曲たちの間に、どうやって新曲たちを置いていこうかっていうのは、みんなですごく話しあったところでもありました。シングル曲たちが物語性の強い個性を持ったモノだったので、並べるのが難しいんじゃないかなって思っていたんですが、最初と最後が最初からしっかりと決まっていたので、そこから嵌め込んでいくのは、思っていたよりも大変じゃなくて。すごく楽しい作業でもありました。

kevin mitsunaga:パズルみたいで楽しかったよね。

towana:そう。シングルとカップリングという既存曲が9曲と、新曲が5曲だったんですが、そのすべてが1つの物語になっていくのが、すごく楽しかった。レコーディングのスケジュール的には、すごくタイトだったんですが、アルバムを作るのが初めてだったこともあって、すごく緊張していたんです。それもあって、出来上がった今は、達成感しかないというか(笑)。ホッとしていますね。

──一番苦労したところは?

towana:やっぱり、このアルバムの軸となる「Outside of Melancholy ~憂鬱の向こう側~」と「white light」の2曲のレコーディングですね。アルバムにとってはすごく大切な2曲だし、長い曲でもあるし、自分の精神力を持っていかれちゃうくらいの勢いのある曲でもあったので、歌い終わったときは抜け殻みたいになっちゃいました。

──アルバムの中盤に置かれている曲たちは、声を張る楽曲も多かったと思うけど。

towana:アルバム中盤あたりの曲は歌っててすごく楽しかった。リズムも軽快だったし、楽しみながらレコーディングできました。「スウィンギングシティ」とか「Paradise Chronicle」とかなんて、レコーディングの雰囲気もすごく楽しかったし。

yuxuki waga:そうだね。軽やかな感じだったよね。ゆる~っとしてレコーディング出来てたというかね。でも、「Outside of Melancholy ~憂鬱の向こう側~」と「white light」の2曲は、アルバムの核となる部分っていう意識もあってか、レコーディング現場も結構張り詰めていたからね。「スウィンギングシティ」のときなんて、現場に居あわせたスタッフも含めて、みんなでレコーディングブースに入ってみんなでハンドクラップを録ったりして。

towana:そうそう! すごく楽しかったです。

佐藤純一:「スウィンギングシティ」と「Paradise Chronicle」は、また特にこのアルバムの中で自由に作った曲でもありましたからね。歌もノビノビと歌ってる感じだし。

yuxuki waga:各自の趣味思考もふんだんに詰め込めた感じだったしね。「Paradise Chronicle」のベースは、クラムボンのミトさんが弾いてくれているんです。すごくハマって。もう最高でしたね。フレーズもプレイも音色もトラックとの混ざり具合も最高でした。

──そこも必然を感じますよね。「ARE YOU SLEEPING?」とかは、とても柔らかな曲調が印象的な1曲ですけど。

佐藤純一:これはkevin作曲の楽曲なんです。シューゲイザーっぽい音を作ろうっていうことで、作り始めた楽曲でもあって。yuxukiくんはギターを40本くらい重ねて音を作ってました。

kevin mitsunaga:シューゲイザーなんで、いっぱい音を重ねて作ったんです。最初はもっと多かったんですよね?

yuxuki waga:そう。間引いて間引いて40本に絞り込んだって感じでしたね。

towana:歌詞もとても柔らかな感じだったので、ふわふわ浮いているような、夢の中にいるイメージで歌った1曲。

佐藤純一:今回、改めてこうして振り返ってみると、いろんな音楽が詰め込まれているなって思いますね。でも、幅広いけど、統一感はあるのかなと。どの曲を聴いてもfhanaだなって思えるような1枚になったなと。

yuxuki waga:どの曲を作るときも、まずメロをしっかりと作り込んで、しっかりと中心にメロを置くように作っていったので、それもあって、どんなジャンルになろうとも、fhanaっぽさを持たせることが出来たんじゃないかなと思います。

kevin mitsunaga:そうなんですよね。そこがしっかりしていたら、どんな音色を持ってこようが、軸はブレないというか。fhanaらしい曲になっていくんじゃないかなって思うんです。今回アルバムを作ってみて、それは改めて実感出来た気がします。

──今回、「Outside of Melancholy ~憂鬱の向こう側~」のPVもありますね。

佐藤純一:今回はメンバー以外の役者さんにも出演してもらって、ストーリー仕立てのPVになっているんですが、towanaの幼少時代という設定でちっちゃい女の子に出てもらっているんです。

towana:その女の子と、大人になった私がリンクしていくっていうストーリーです。

佐藤純一:初めての試みでもあったので、とても楽しかったです。

towana:他のメンバーは演奏シーンだけだったんですが、私はそれ以外に演技があったので大変でした。台詞はなかったんですけど、演じるということがすごく難しくて大変。何度も演じ直したりして、結構時間かかっちゃいました。

yuxuki waga:今回、改めて、名刺代わりのようなfhanaってこういうバンドなんだって代弁してくれるような、良いアルバムが作れたと思います。

kevin mitsunaga:新曲作り期間とかは2ヶ月くらいだったんです。その期間も煮詰まることなくすごく自由に楽しく向き合えてたし、とてもいい状態でアルバム作りに挑めたなと思います。

佐藤純一:しっかりと作り込んだ1枚になったので、冒頭でお話したように、ぜひ、序章からエピローグまで、しっかりと受け止めてもらえたらなと思います。

──今作を引っ提げてのツアーも楽しみですね。

towana:今は、ツアーが楽しみですね! ファンのみなさんと一緒に歌って盛り上がれたらいいなと思っています。

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