【ライブレポート】竹内まりや、33年ぶりのツアー千秋楽でビートルズと同じ舞台に立ち「運命の不思議」
竹内まりやによる全国6か所9公演のツアー<souvernir2014>が12月21日(日)に日本武道館でファイナルを迎えた。
◆竹内まりや 画像
竹内まりやにとって、東京、大阪での公演は2010年からの4年ぶり、全国ツアーとしては実に33年ぶりでチケットも発売と同時に即完したという、このツアー。全公演で75000人を集客し、バンドマスターは山下達郎、そして演奏は山下達郎バンドという豪華な顔ぶれだ。最新アルバム『TRAD』の中からはもちろん、往年の竹内まりやヒットソング満載のレアなツアーとなった。
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武道館の会場内に英語のアナウンスが入り、ドラムの音が響く中バンドメンバーがステージに、そして真っ青なパンツスーツに身を包んだ竹内まりやが登場。「アンフィシアターの夜」からライブの幕は切って落とされた。待ちに待っていた9500人のお客さんで埋め尽くされた会場からは、惜しみない拍手が送られる。
ギターを手にすると、ここからは「家に帰ろう」、「マージ―ビートで唄わせて」、「Forever Friends」と続く。竹内まりやのギターとその曲調にあわせたお客さんの手拍子で、会場はあたたまっていく。
「こんばんは!竹内まりや33年ぶりの全国ツアーにお越しいただき、満員御礼ありがとうございます。33年ぶりということでツアーを乗り切れるか不安でしたが、6都市9公演どこの会場もあたたかい歓迎を受けました。みなさんの声でこうしてここに立てております。」と33年ぶりのツアーに万感の想いを語る。さらに、「ここ武道館は特別な思い出のある場所でもあります。武道館は今年で50周年を迎えたようで、わたしはその頃9歳、ビートルズに出会った年齢と一緒です。ビートルズに出会って歌手の道に進みました。1966年にビートルズがここでコンサートを行いました。あこがれであり、原点のビートルズが立ったこのステージに立てることに運命の不思議を感じながら、感慨無量の想いです。」と武道館に対する特別な想いも話した。
続いて、スローバージョンにアレンジされたデビュー曲「戻っておいで・私の時間」、山下達郎アレンジのアルバムバージョンによる2ndシングル「ドリーム・オブ・ユー~レモンライムの青い風~」と、懐かしい楽曲が続く。
その後、カッコいいパンツスーツ姿から一転、ロングスカートの衣装にチェンジしてあらわれると、中森明菜に楽曲提供した「OH NO、OH YES」のカバーをライブで初披露した。「たくさんの方が曲のオファーをしてくださって、その歌をいろいろな場所で披露してくださり、今の自分の活動につながっています。とても感謝しています。」と竹内まりやは語った。そして披露されたのは、クラシックギターの優しい音色からイントロが始まる「元気を出して」。薬師丸ひろ子さんに提供し、数々のアーティストにカバーされてきた根強い人気楽曲だ。
ムードが一転、会場がバーのような大人な雰囲気に包まれた「ウイスキーが、お好きでしょ」、電話のベルが鳴り響くと「告白」、「シングル・アゲイン」、「駅」とマイナーコードの曲が続いた。
ユニークなバンドメンバー紹介のあとは、天海祐希さん主演ドラマ『Around40』主題歌となっていた「幸せのものさし」を披露し、山下達郎のギターとボーカルが印象的な「プラスティック・ラヴ」から「静かな伝説(レジェンド)」へ。この、7月にシングルとしてリリースされた「静かな伝説(レジェンド)」では、「自分の周りにいる身近な尊敬する人を称えたいと思って書きました。みなさんの心の中にいるヒーロー、ヒロインを思い浮かべながら聞いてください。」と語り、ブルースハープの音色が想いをさらに深いものへとしていた。そして久しぶりのツアーの千秋楽に想いが高まり、途中涙ぐむ場面も。
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「ツアーを始めるにあたって、33年ぶりで体力が持つのか不安でした。ただ、やろうと決心したその一つの理由は、CDを聞いて応援してくださっているみなさんにお会いしたい、感謝の意を伝えたいというその一心でした。35年の歌手人生を振り返って思うことは、幸運に恵まれてここまで来たということです。パートナー、家族、スタッフ、メディア、そしてみなさんの応援あってに35年でした。歌は自分の想いだけでは続けられません。歌える環境があってこそのことです。」と改めてお客さんへの感謝を述べた。
「50代の扉をあけたとき、この綺麗な桜や紅葉をあと何年みられるのかなと思って作った」という「人生の扉」へ。彼女はここ数年とても大切な人を何人か亡くし、それが還暦を迎えることなのかなと思ったという。でも年をとることの良さ、深みを感じ、一日一日を大切に味わいながら生きていきたい、そんな想いもこめられた「人生の扉」を、本編ラストとして披露した。
ステージには「長い旅路の果てに 輝く何かが 誰にでもあるさ」、この歌詞のようなどこまでも続く空がスクリーンに広がっていた。
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竹内まりやがアンコールの拍手の中登場すると、「すてきなホリデイ」を演奏。ここからはヒットメドレーとして「不思議なピーチパイ」、「September」で懐かしむかのように会場があたたかい空気に包まれ、そして「J-BOY」では会場がロックンロールのリズムで盛り上がった。
鳴り止まない拍手に再度登場すると、ここからはアカペラでの贅沢な時間となる。「LET IT BE ME」では、武道館やアリーナといった大会場で通常はライブをやらない山下達郎と共に、「わたしのライブだから例外!」ということで二人で武道館にハーモニーを響かせた。
「あたたかい声援に迎えられ、楽しく歌えたことに心から感謝します。このステージを成功させてくれたみなさんに、心からの拍手を送りたいと思います。」と隅々のお客様まで感謝を述べると「いのちの歌」をピアノで弾き語り、ラストを飾った。
竹内まりやは最後まで会場の隅々に手を降り、何度も深く深く感謝のお辞儀をし、ステージを後にした。
※編集部追記:2014年12月22日の記事公開当初は、本文内にて「3000人以下の会場ではライブをやらない山下達郎」と掲載しておりましたが事実とは異なっていたため、「武道館やアリーナといった大会場で通常はライブをやらない山下達郎」と修正させていただきました。関係者ならびに読者の方々にお詫び申し上げます。
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