【ライブレポート】THE ポッシボー、中野サンプラザ公演に満ち溢れた約束の光

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ほんの2、3年前。THE ポッシボーは数百人のキャパを埋めることにも精一杯だった。デビューしたてのフレッシュなグループなら、若さゆえの勢いで突っ走ることができる。しかしポッシボーは、すでにデビューから5年以上が経過し、デビュー当時のアドバンテージはすでになく、アイドルとしては中堅。もっといえばベテラン。正直な話、当時、新宿FACEのステージで涙ながらに「中野サンプラザのステージに立ちたい」と訴えたポッシボーを応援したいとは思ったが、一方で、2000人のキャパである中野単独公演を成功させるのは難しい、「これはあくまで夢の話」だとも思っていた。記者だけでなく、冷静に状況を見ていたファンもそう思ったはずで、終演後、なかなかシビアな意見がTwitter上のTL上を流れていたのを記憶している。

しかし、彼女たちは多少の遠回りをして、その夢のような話を現実にしてしまった。客席を眺めると、この日、中野サンプラザの2階席の一番奥までぎっしり。もっと言うと、同ホールで行なうほかの公演では比較的余裕がある報道関係者用スペースも、今回は制限を加えなければならないほどに超満員であった。

ラストMCでロビンは、次の目標を「来年は武道館」と宣言した。これを聞いた記者は、これまでのポッシボーの歩みを考えると、「……再来年かな?」なんて即座に思った。

ただ、あの時の「中野サンプラザのステージに立ちたい」という発言を聞いた時のようなこと、つまりこの発言が「あくまで夢の話」だとは思わなかった。そう、中野サンプラザ公演を観た記者の(もしくは我々の)頭の中では、THE ポッシボーが日本武道館でライブをできる、できないという点についての結論はすでに出ており、興味関心は「いつ行なうのか?」という点に移ってしまっていた。

言い換えれば、THE ポッシボーは、次の目標である日本武道館公演について、そんなふうに思ってしまうようなライブを、2014年11月16日、中野サンプラザで行なってみせたのである。

「今度は君たちが、僕を武道館に連れて行ってください。」── 手島いさむ(2013年11月24日 <東名阪ライブツアー2013秋~Doする?????~>ファイナル・赤坂BLITZ公演にて流された動画コメント より)

THE ポッシボー、その先へ。はたして今度は、どんな軌跡を描いて彼女たちは手島いさむとの約束をはたすのだろうか。ただ前だけを見据えての真っ直ぐな直線か、もしくは勢いを加速させての綺麗な曲線か。

たとえデコボコしていたって、それはそれでTHE ポッシボーらしくていい。

text and photo by ytsuji a.k.a.編集部(つ)

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