激しさがフロアを揺らす。熱量がステージを濡らす。伝説のTHE ポッシボー長野公演
現在、デビュー8年目にして初の全国ツアー<祝 THE ポッシボーJapanツアー2014 ~8年かかりましたわ~>を開催しているTHE ポッシボーが、6月15日、長野のライブハウスJにて初の長野公演を行なった。
◆<祝 THE ポッシボーJapanツアー2014 ~8年かかりましたわ~>長野公演 画像
今回、彼女たちが8年かかって初の全国ツアーということで、記者はいくつかテーマを設けて、地方も含めた複数の会場を取材することにした。まず初日の恵比寿リキッドルーム。ここでは“ライブアイドル”THE ポッシボーとしての熱量と、そして悲願の中野サンプラザ公演決定を伝えた。6月1日に開催された大阪公演では、ツアー折り返し地点ということもあり、日々のライブをこなしていくことでのTHE ポッシボーの進化と、会場に足を運ぶファンの大半が、一度はライブを観たり、その内容についての情報をどこかで得ているであろうという推測から、ライブ内容を具体的に紹介した。つまりこのタイミングなら中身を書いてもネタバレにならないだろう、という判断である。
で、長野公演。実はこの公演を取材するにあたっては、また別のテーマを設けた。むしろ、この取材テーマにうってつけの会場こそが長野だったのである。
イベントに出演すれば、他のアイドルグループのファンをも、さらには他のアイドルグループのメンバーをも魅了して、ライブアイドルとして、日本のアイドルシーンに名を馳せるTHE ポッシボー。先日、AKB48を卒業した大島優子が、「ポッシボーのライブを観に行きたい!」と文化放送の深夜のラジオで熱く語っていた、なんて話を覚えているポッシファン、AKBファンもいることだろう。
興味がなかった人も、ライブを観れば気になりだしてしまう。それが現在のTHE ポッシボー。単独公演やイベントを問わず、彼女たちがライブを始めると、一気に会場の空気を持っていってしまう様は、これまでも幾度となく体感してきた。
「じゃあ、そもそもライブに人がお客さんが入っていなかったら、彼女たちはどうするのか? ガラガラのフロアを前に、THE ポッシボーはどんなライブをするの?」
これが今回のテーマだ。初日の恵比寿リキッドルーム公演のような超満員で行なわれるTHE ポッシボーのライブは、過去にいくらでも取材している。だからこそ今回は、逆にガラガラの会場で彼女たちはどんなライブをするのか、どんな気持ちでライブに挑むのか。超満員で行なわれるライブとどんな点で異なるのか。
こんな記者の興味から取材会場を選定したところ、もっともチケットが売れていない会場、それが長野公演だったのである。
キャパは250人くらいと、なかなかコンパクトにまとまっているライブハウスJ。フロアの前半分が埋まる程度の客入りをこちらは想定していた。ところが、そのシナリオは早々に方向転換を迫られることになる。当日、リハーサル中にスタッフにチケットの売れ行きを訊くと、当日券次第では、ガラガラどころか観客ぎっしりなライブになる、というのだ。しかも、当日券も結構出そうな雰囲気とのこと。
そして開演時間の17時。蓋を開けてみると、百聞は一見にしかず。写真でわかるように、しっかりと観客が入ったライブと“なってしまった”。
というわけで、今回掲げたテーマに対する結論を述べたい。「じゃあ、そもそもライブにお客さんが入っていなかったら、彼女たちはどうするのか? ガラガラのフロアを前に、THE ポッシボーはどんなライブをするの?」。THE ポッシボーから提示された回答は、こんなふうになる。
「フロアを観客で埋めて、いつもどおりのライブをする。」
「ライブにお客さんが入っていなかったら」という前提条件からひっくり返してしまう、THE ポッシボーらしい、なんとも男前な答え。そして、ライブに一目置かれている彼女たちだからこそ成し遂げることができた答え。地方の、チケットが一番売れてなかった公演を当日券も含めて直前になってちゃんと埋めてくるなんて、そのへんにいる普通のアイドルではこうはいかない。
11月16日に本ツアーのファイナルとして、初の中野サンプラザ公演を控えるTHE ポッシボー。「この半年間は、もうほんとに、明後日(の新潟公演)から手売りでチケットを売りまくって、売りまくって、伝説的なライブして、全国で話題かっさらって、今使えるアイディアとか全部出して、全戦闘能力使って、(中野の客席を)埋めます。絶対に。絶対に埋めます!」と、初日にリーダー・ロビンは、ファンに誓った。
有言実行。THE ポッシボーによる、まさにその言葉通りのライブが、引き続き全国で展開される。
さて、掲げたテーマに対する結論および締めの言葉を記したので、これにて長野公演に関するレポートを終了……としてもいいのだが、実はこの日の長野公演、我々が想像していなかったレベルでの“伝説的なライブ”となった。そこで、引き続き、本公演のレポートをお届けしようと思う。チャンネルはそのままで、もう少しお付き合い願いたい。
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