【ライブレポート】THE ポッシボー、悲願の中野サンプラザ公演を掴みとるための東名阪ツアーがスタート
<THE ポッシボー東名阪ライブツアー2013勝負 〜合計2222名動員でサンプラ押さえっ!!〜>が、2013年8月11日に横浜BLITZからスターとした。今回のツアーは、そのタイトルにあるように、本ツアー全4公演の総動員数が中野サンプラザの最大動員数2222名に達した場合、THE ポッシボー単独ライブの会場として、悲願だった中野サンプラザを押さえる、というものだ。
◆<THE ポッシボー東名阪ライブツアー2013勝負 〜合計2222名動員でサンプラ押さえっ!!〜> 横浜BLITZ公演 画像
2008年3月30日。彼女たちは、確かにこの横浜BLITZのステージに立っていた。<THE ポッシボー 初単独ライブ2008春 〜横浜☆恋のキャッチボー〜>。THE ポッシボーの初単独公演となったそれは、昼夜2000人のオーディエンスを集めて大成功。グループ名の由来のとおり、フレッシュなメンバーたちの、無限大の“可能性”を感じさせるスタートだった。
初単独だった5年前の横浜BLITZ公演を振り返って、ロビンは「正直、その時はがむしゃらすぎて。ありがたみがなかった……といったら嘘ですけど、子どもだったから全然わかってなくて。」と言う。横浜BLITZの規模感、そこでライブを行なうということの意味、何もわからなかった。しかし2013年、彼女たちは、再びこの地へと戻ってきた。しかも今度は、自分たちの手でチャンスを掴みとった。ライブの観客動員を増やすことが、CDを手にしてくれる人を増やすことがどれだけ難しいのか。すべて体験した上で、“あの頃とはまた違った”がむしゃらな気持ちで突っ走った結果である。
<THE ポッシボー東名阪ライブツアー2013勝負 〜合計2222名動員でサンプラ押さえっ!!〜>のスタートは、5年の時を経た横浜BLITZ凱旋公演。ライブは、冒頭から妖しげな空気と音が空間を埋めていく。かねてから「新曲を数多く披露する」と宣言していたとおり、オープニングを飾ったのは、ポッシボーらしからぬプログレッシブな新曲「りぼん」。しかも、ステージ上のメンバーはドレス姿。照明と演出効果の中でポッシボーの歌姫・はしもんが語るように歌い上げる物語。彼女たちの決意のような言葉の数々が、客席を静かに圧倒し続ける。それは、攻めの姿勢で問答無用に気合いをぶつけあうこれまでの彼女たちのライブとは明らかに違う何か。ステージ中央から放たれ、会場を飲み込んでいくのは、彼女たちの恐ろしいほどの気迫だ。2曲目は、ハードでアップテンポなダンスナンバー「Do Me! DO!」。初登場の新曲を2曲連続という攻めのセットリストから、運命の東名阪ツアーは幕開けとなった。
「今日は5年ぶりの横浜BLITZということで、いつも応援してくれているみんなも、無理やり連れて来られた人もいるかもしれないけど、今日はみんな、ロビンの煽りについてきてください!」
「衣装可愛いでしょ? マーメイドみたいな感じで夏らしく。5年ぶりの横浜BLITZだったから、ドレス着たかったのよー! 今日は新しいポッシボーも見てほしいなって思います。」
「みなさん、盛り上がってますか! みんな、2階があるの、奇跡だよ。」
「暑い中、待っていてくれてありがとうございます。ここは、外よりも熱気に包まれるステージにしたいと思います。」
「今日はちょっと、みなさん、お目当てな方がいると思いますけど、今日はもろりんだけのキレッキレダンスを目に焼き付けて帰ってほしいなって思います。」
本編では、新曲が7曲と、新しいポッシボーを強烈にアピールする。ハイヒールを脱ぎ捨てて、カラーボールを客席に一斉に大量に投げ入れた、ライブ初披露の「勇気スーパーボール!」。久しぶりの「やべ〜なべ〜な 圧力ベ〜ナ」では、ロビンがお約束の、しかし特別仕様のキックボード(キックスクーター)に乗ってステージを縦横無尽に走り回る“岡田フリーダム翔子”へ。さらにそのキックボードをナイスガールトレイニーのメンバーに渡して走らせてみたり、あっきゃんがロビンの手から奪って乗ったりと、実にポッシボーらしいライブが展開されていく。メンバーがテンションMAXで楽しんでいると、客席側も自然とテンションMAXに。笑いと歓声を発生させながら、会場は暑さも忘れて早くもお祭り状態だ。
そして9月11日発売の新曲「乙女! Be Ambitious!」からの第2部。シックなジャケット姿に着替えた彼女たちの後ろを固めるのは、おなじみ生バンドの面々。しかも今回は通常の5人編成のバックバンドに加えて、全員女性のホーンセクション・たをやめオルケスタから11人のホーン隊が参加。総勢16名という分厚いサウンドが、5年ぶりの横浜BLITZ公演を掴みとったポッシボーのライブを彩るために集結する。この強力かつ豪華なサウンドに負けまいと、ポッシボーのパフォーマンスもこれまで以上に激しさが加速する。ライブで定番の「希望と青春のヒカリ」は、今回バンドサウンドで初披露。また新曲「恋がダンシン!」では、珍しく“可愛らしいポッシボー”も見ることができた。
さらに、これまでイベントの一環としても行なってきたアコースティックコーナーも。披露されたのは、ユニコーンの名曲「自転車泥棒」の続編と位置づけられており、手島いさむが手がけたミディアムバラード「さくら」。ギターのみ、ピアノだけでも歌うことができるアイドルグループという、「アイドルとボーカルグループ、アーティストの境界線とは一体?」「アイドルの定義とは?」「THE ポッシボーとは?」という素朴な疑問が次々に浮かんできそうな、そんな彼女たちの確かな歌唱力。会場は、さっきまでの熱気が嘘のように、やさしさと切なさが入り交じる、素敵な空間へと姿を変える。
そしてここで、メンバーにも秘密にされていたメッセージ映像が流される。スクリーンに登場したのは、ユニコーンの手島いさむ。「なになになになに?」と動揺するメンバーに向けて、手島は「8月27日に僕は50歳になるんです。」と切り出し、さらに「27、28で(ユニコーンが)武道館でライブをやるんで、いろいろ考えたんですが、「さくら」をぜひ、やってもらいたい。」と、8月28日の<手島いさむ50祭 ワシモ半世紀>への出演オファー。サプライズに大きく沸く観客に、「ええーっ!!」「マジで!」「ヤバッ!」と、いつものように驚いて椅子から立ち上がる、まるでお笑い芸人のようなリアクションのTHE ポッシボー。「中野サンプラザ越えて武道館だよ!」とあっきゃんの的確なツッコミも火に油を注ぐ効果しか生まない興奮と歓声の狂喜乱舞。「いいの? いいの、てっしーいいの?」と最年少・20歳のごとぅーが呼びかける映像の向こうの手島はもうすぐ50歳。そんな喜びの光景が横浜BLITZで描かれていく。
ライブ後半は、「永遠ファイアーボール」で気持ちをあらためてひとつにして、「桜色のロマンチック」で特効のテープも飛び出し、さらにオリコンチャート7位を記録した「全力バンザーイ!My Glory」でたたみかけるなど、アップテンポな楽曲の数々で、会場の興奮をこれでもかと高めまくった。
アンコールでいつものごとくオンステージとなったのが、全身白のスーツでビシっと決めた伝説のカリスマボーカリスト、シャーク諸塚。「横浜久しぶりだな、元気だったかー! シャーク諸塚が5年のブランクを乗り越えて帰ってきたぜー!」と、絶叫するシャークさん。もっとも、5年前のTHE ポッシボーの初単独にシャークさんは出演していなかったので、きっとシャークさんは同じ頃、別の何かで横浜BLITZのステージに立っていたのだろう。なぜから彼は伝説のカリスマロックボーカリストだから。
今回、シャークさんは可愛らしいシャーク小諸塚を引き連れての登場。野暮な質問をしてきたロビンに「バカヤロウ、5年も経ちゃなぁ、いろいろあんだよ。」とあしらって、あっきゃんに「エロい!」と言い放ち、ロビンに「男になっちゃえよ!」と勧誘し、ごとぅーに「おいちゃんに痛いところ見せてごらん」と迫り、そしてドラム・橋本を無視。たをやめオルケスタから、さっこをステージ中央に呼び「付き合っちゃおうか」と、やりたい放題なシャークさんは、最後に「お前ら、夢、諦めるなよ。」と言葉を残して、嵐のようにステージを去っていく。そんなシャークさんの単独公演もいつかは見てみたい、と、誰もが思わずにはいられない。
そしてここで、本公演の動員数も発表される(※横浜BLITZ公演は、昼公演 763人 夜公演 930人で、計1693人動員)。さらに、「ポッシボー、次の単独ライブ決まっちゃいました。場所は、赤坂BLITZでございます!」と、次回の単独ライブ<THE ポッシボー単独ライブ 2013秋 〜Doする?????〜>が11月24日に赤坂BLITZで行なわれる事も明らかになった。
「ここに、これだけの方が集まってくれて、まだまだこれなかった人もいるだろうし、ポッシボーを知らないという方もたくさん、全国各地にいると思います。私たちがもっともっと大きくなって、私たちのほうから会いにいけるように、でかくなっていきたいなって思っているので、みなさんこれからも、私たちTHE ポッシボーを、信じて、ついてきて、暖かい応援をしていただけたらなと思います。これからも応援よろしくお願いします!」── THE ポッシボー
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