渋谷のド真ん中に、巨大シンセサイザー出現
渋谷のド真ん中に巨大シンセサイザー「Human Sized Synthesizer」が突如出現した。
◆Human Sized Synthesizer画像
これはクリエイティブなコラボレーションを促進するという「レッドブル・ミュージック・アカデミー」が、学校の信念を体現させた社会的実験として、渋谷の公園通りにあるPARCO前に設置したものだ。
「Human Sized Synthesizer」は、真鍋大度とRhizomatiksが「レッドブル・ミュージック・アカデミー」と共同制作した作品で、アカデミーが掲げる重要な理念であるインタラクション(相互作用)を可能にするという巨大シンセサイザーだ。
4つのサウンド・セットを内蔵したステップ・シーケンサー・ドラムマシン、キーボード、アルペジエイター、X-Y エフェクターなどの機能が搭載され、大型サイズのコントローラー部分はKORGのクラシック・シンセサイザー「MS10/20」を基に作られており、MPCのようなタッチ・センシティブのトリガー・パッドも装備されている。
2日間限定の特別展示とのことで、ぜひこの巨大な実験装置を体感すべし。
「レッドブル・ミュージック・アカデミー」とは、才能溢れるアーティストたちを支援する音楽学校だ。学校自体一定の地に固定しておらず、世界を旅するように毎年都市を変え、そこに新たな学校が建設される。1998年のスタート以来ベルリン、ケープタウン、メルボルン…と地を変え、2014年ついにここ東京に「レッドブル・ミュージック・アカデミー」がやってきた。16回目を迎える今回は10月12日から11月14日が学校開催期間で、世界中から集まった生徒たちが、トップレベルの音楽にまつわるレクチャーを受け、様々な作品を生み出している状況にある。生徒は世界各国から集結した才能豊かなアーティストたちで、アマチュアからプロまでが渾然一体となっている。合格した生徒たちの来日渡航費はもちろん、滞在中のすべての経費(居住から一切の食事まで)は学校持ちで、生徒たちは、一切の生活の心配から開放され、音楽制作に全勢力を集中することができる。
「レッドブル・ミュージック・アカデミー」の東京校は、渋谷に開校されているが、そこにはスタジオから教室まですべてがアート作品として設計・施工されており、学校の存在自体が最先端のアートとして機能している。すべては生徒たちの芸術的刺激を加速させ知的好奇心を刺激するためだ。以下の写真は渋谷校の校内の様子の一部だ。開校期間が過ぎるとメインスタジオを除き、取り壊されてしまうことになる。
●Human Sized Synhtesizer
2014年11月5日(水)6日(木)※両日とも12:00〜20:00のみ展示
@渋谷PARCO前(東京都渋谷区宇田川町15−1)
無料
http://www.redbullmusicacademy.jp/jp/magazine/human-sized-synthesizer
◆レッドブル・ミュージック・アカデミー・オフィシャルサイト
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