【ライブレポート】西川大貴&桑原あい=かららん、オーディエンスの度肝を抜く

ポスト

「レ・ミゼラブル」や「ミス・サイゴン」に出演する西川大貴が、ジャズ・ピアニスト桑原あいと共にスタートさせたユニットかららんが、10月29日に1stアルバム『若くて 青い』をリリース、10月31日に南青山MANDALAでレコ発記念ライブを行った。

◆かららん画像

かららんは俳優・タップダンサーでもある西川大貴のソロ・プロジェクトで、作詞・ボーカルを西川が、作曲編曲を桑原あいが担当するユニットだ。これまでにピアノとタップダンスでのライブ等を行ってきたが、この日のメンバーはファースト・アルバムのレコーディングに参加したフルートの小林豊美、ギターのseku、ウッドベースの遠藤定、パーカッションの中丸達也、ドラムのNAGARAといった面々を従え、7人編成でジャズ&フュージョンをベースとした、西川大貴がフェイバリット・アーティストに上げるシュガーベイブを彷彿させるようなシティポップ/AOR系サウンドを聴かせた。

この日演奏されたのは、アルバム収録曲を中心にカバー曲を加えた全13曲90分だ。西川のタップダンスを間奏で披露したアーリー・ジャズ&スイング調の「とびきり愉快なスイングを」、桑原のピアノと小林豊美のフルートと友にじっくりと歌う唱歌のような「どこかできいた」、ボッサ調でカバーした松任谷由実の「青春のリグレット」に、ブルージィーな「カラス」。ポエトリー・リーディングではどこかシアトリカルで1970年代のアングラ演劇の舞台をみてるようだ。

特筆すべきは「悲しいニュース」から「氷の世界」への流れだった。井上陽水の名曲をファンクでカバーしてみせ、唸るベースと爆ぜるドラム&パーカッション、跳ねるギターのカッティングにフルートと桑原あいの弾くグルーヴィーなキーボードが蛇のように粘質に絡みつく。凄まじいまでの破壊力をもつサウンドに、11歳の頃からからミュージカルで鍛えた西川の艶やかで野太いボーカルが対峙する。集まった約100人のオーディエンスの度肝を抜く圧巻のパフォーマンスを見せつけた。

ジャズにフュージョン、ファンク、ブルース、スイングと変幻自在に飛び回る、なんとも頼もしい新人の登場となった。西川大貴の書くアブストラクトで文芸調の詞と、自身のトリオ・プロジェクトとは180度違った桑原あいのポップ・フィールドにアプローチしたサウンドという、この2つの才能の濃厚なコラボレーションがかららんの真骨頂だ。

PHOTO:杉田 真



<かららん アルバム発売記念ライブ>
2014年10月31日(木)
@東京・南青山MANDALA
1.仮面とフィルター
2.悲しいニュース
3.氷の世界(井上陽水のカバー)
4.凸凹の街
5.無重力
6.カラス
7.正気を気取った狂人
8.とびきり愉快なスイングを
9.どこかできいた
10.青春のリグレット(松任谷由実のカバー)
11.たまごやき
12.パンダのきぐるみ
Encore
13.Hey!みんな元気かい?(KinKi Kids/YO-KINGのカバー)

かららん『若くて 青い』
2014年10月29日発売
DDCZ-1995 \2,400(税込\2,592)


◆かららんオフィシャルサイト
◆かららんオフィシャルFacebook
この記事をポスト

この記事の関連情報