【ライブレポート】滴草由実、音も空間も100%『A woman’s heart』色に染めたワンマンで新曲披露「ずっと待っていてくれてありがとう」
滴草由実が3月28日(金)、目黒Blues Alley Japanにてワンマンライブ<“A woman’s heart”Live>を開催した。
◆滴草由実 画像
会場は、アルバム収録曲「Dreaming」のミュージックビデオ制作指揮をとった中島知美(ファッション界アートディレクターの第一人者)によって演出された。全体がモノクロで彩られたほか、滴草由実によるCDのインナーに使用された絵画の展示や、当日限定の『A woman’s heart』オリジナルカクテルや料理が提供され、“音と食の響宴”が存分に堪能出来る空間となっている。
二部構成によるライブはまず、繊細で美しいピアノの「INTRO」が鳴り響き、その演奏をバックに滴草由実が静かにステージへ登場した。艶やかなファルセットによるフェイクで観客を取り込むと1曲目の「I don’t love you」へ。音源にはないギターフレーズと滴草のフェイクが絶妙に絡み合うバンドサウンドが秀逸だ。続く「Love Tactics」では変則ビートをドラムとベースが体現する。ハイハットのフレーズが印象的な「change」、Roots Reggaeのようなアレンジが施された「feel」、そして6曲目「I don’t cry」では滴草由実の持つ繊細な高音をやさしく包み込むなど、畳み掛けるような展開で一気に会場を『A woman’s heart』の世界へ導いた。
バンドメンバーはドラムに白根佳尚、ベースに北川淳人、ギターに菅原潤子、キーボードに大迫杏子といった4ピースで構成。数々のキャリアを誇るミュージシャンによる演奏が、まるで寓話を現実の世界へ解き放つように楽曲へ重量感やリアリティを与えていく。
「ファンのみんな、応援してくださっている皆さん、ずっと待っていてくれてありがとう」
とは滴草のMC。デビュー10周年を迎えた彼女から、前アルバムから5年ぶりとなる『A woman’s heart』を待っていてくれたファンへの感謝の気持ちを伝えると、会場が温かい拍手の輪が広がった。第一部のラストは、「当たり前にあることが、実はそうじゃないんだと気づき、身近にいる人達、大切な人達を思い浮かべながら作りました」という楽曲「Dreaming」を披露し、幕を閉じた。
約30分間のインターバルでは、会場内に滴草由実のパーソナルに迫る映像も上映され、音楽だけではない彼女の魅力を堪能するべく、会場が静かに見入っている姿が印象的だ。
第二部は打って変わっり、印象的なディストーションギターと激しいドラミングで始まった。第一部で静かに動き出した滴草サウンドだが、第二部ではより熱を帯びて、強い女性像をエモーショナルな歌唱と演奏で躍動的に描き出していく。アルバム表題曲「A woman’s heart」の熱唱、挑発的な表情を見せた「Why?」ほか、一部でも披露した「Dreaming」や「アルバム」、そして待ってくれていたファンへ向けて制作された「約束」のアコースティックセクションを挟んで、会場に心地よく穏やかな空気が流れる。「Y.O.L.O」はそこから一転、ラウドロックのように烈しいアレンジが客席を総立ちにさせ、ラストの「Move it」まで第二部の全10曲を一気に駆け抜けた。
アンコールでは滴草からファンへ嬉しい発表も。披露された新曲「さくらのぬくもり」が4月16日に配信リリースされるということが告げられた。同曲は、2013年3月にSOUNDCLOUDで発表され、ファンの間でリリースが望まれていたナンバーだ。さらには、デビュー10周年を記念したベストアルバムリリースも発表され、大盛況のうちにワンマンの幕が閉じた。
■<“A woman’s heart”Live>
3月28日(金)@目黒Blues Alley Japanセットリスト
-1st. Set-
M1:INTRO
M2:I don’t Love You
M3:Love Tactics
M4:~change~
M5:feel
M6:I don’t cry
M7:Rollin’in the deep
M8:Time after time
M9:Dreaming
-2nd. Set-
M1:INTRO
M2:A woman’s heart
M3:Why?
M4:The END
M5:Dreaming ~acoustic ver.~
M6:アルバム
M7:約束
M8:バンドセッション
M9:Y.O.L.O
M10:Move it!
EN-1:さくらのぬくもり
■配信シングル「さくらのぬくもり」
2014年4月16日配信スタート
◆滴草由実 オフィシャルサイト