【la la larks応援企画】江口亮編

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la la larksは、内村友美(元School Food Punishment)、江口亮(Stereo Fabrication of Youth、MIM)三井律郎(The Youth、lost in time)、クボタケイスケ(Sads)、ターキー(元Go!Go! 7188)からなるバンドで、2012年に始動した。現在CDを販売せず、ライブを中心に活動している。長いキャリア、メジャーレーベルでの活動、大ヒットアーティストとしてのキャリアを持つメンバーが、現在までマネージメント、レーベル、CDのリリースを念頭に置いて活動をしていないのが非常に特徴的である。

◆la la larks画像

▲la la larks
そんなバンドが、FMラジオ局J-WAVEの音楽番組「TOKYO REAL-EYES」とコラボレーションして、初めてのCD音源を作成する。その制作費用をクラウドファンディングで賄うというプロジェクトがスタートした。

近年のSNSの文化と音楽制作の取り組みがこのような潮流を生み出しているが、la la larksがこのプロジェクトに乗り出した理由は、バンドそのものの存在意義や理想と深くかかわっているということで、メンバーそれぞれにバンドの在り方やプロジェクトについてじっくり話を聞いた。今の音楽シーンの中で、「バンドをやること」の本質が語られている特集となっているので、ぜひメンバー全員のメッセージに目を向けて欲しい。

──まずバンドのみなさん全員に伺います。バンドを結成したいきさつを教えてください。

▲江口亮
江口:最初はうちのスタジオで飲み会をやっていて、内村がソロとして活動するにあたって、ライブの日程や演奏するメンバーを探そうっていう話になって。

ターキー:俺はGo!Go! 7188が活動を終えて、ドラマーとしての活動を探しているときに声をかかって、そんな時にベースのクボタ君を誘って…。

クボタ:俺はなんとなく江口がスタジオやってるっていうのも聞いてたんで、飲み会に顔を出したんだよね、飲みの席のノリで、という感じから始まったかな。

江口:最初は内村のソロのためのミュージシャン、という感じだったんですよね。で、ギターの律郎は、僕にはなくてはならないギタリストなので、当時自分がプロデュースしていたSchool Food Punishmentのギターも彼に頼んでたし。

三井:そしてドラムのターキーさんは、THE YOUTHの事務所の先輩でしたし、もともといろいろつながってました。

──このバンドが他とは違う、という点はありますか?

江口:どのバンドも一緒なんですよね。Stereo Fabrication of YouthとMIMと、どのバンドも、そのメンバーと人生を共にしたいと思っている人とやっているので、このバンドも、たまたまいろいろなつながりが個々のメンバーにありましたけど、僕としては人生を共に歩んでいきたい人とバンドをやっている、という感覚が共通してあるんです。

──一緒にいたいから、そのための努力のため、いろいろなことを受け入れられる、というんでしょうか。

江口:結婚に似てるような…結婚と一緒ですね。僕は結構わがままなんで、自分の好みに染めていくんですよ、それも結婚と一緒ですよね(笑)。まぁ、亭主関白なんですけど、でも、ターキーさんにしかできないことをやってもらうし、それでいてなんというか、自分にしか作れない味をターキーさんに逆に食べてもらう、みたいな感じですかね。だからほかのバンドでも一緒なんですけど、そういう感覚でやっていますね。このla la larksのバンドメンバーが好きだから、このバンドじゃなきゃできないことをやっている。っていうことなんですよ。

──いわゆる音楽活動といえば、音源制作、ライブ、とざっくり2つあると思うんですが、la la larksって、音源制作をしていないですよね。バンドをやろうと思うと必ずすぐにとりかかるものだと思うのですが。

江口:浜田省吾さんが好きな人は、新しく出る浜田省吾さんの音源を買いますよね?スピッツが好きな人は、スピッツの音源を買うでしょう。アーティストはアーティストで、キャリアがあればあるほど、ファンとの関係がイーブンで、あなたのあこがれの存在でいる!というお互いの関係(求めている音楽がそこにあること)がしっかりしていると思うんです。メディアの情報を使って音楽を表現することに重きを置いてしまいがちなバンドがいたとしたら、僕にとってそれは、「音楽がそこにない」感じがしちゃうんですよ。カルチャーが先にあるんじゃなくて、音楽だけがまずそこにあって(人がそのアーティストの音楽を求めてくれるために)人にライブを見てもらうのが先だろって。だから、このバンドを人間として好きでいてくれる人だったら、まずCD、じゃなくて、ライブを楽しんでくれると思うんですよね。で、「こういうの聴きたいんですよ!」と言ってくれたら、僕らもそれに合うような曲を書く、そのぐらいの関係の方が、お客さんとイーブンな関係でいいんじゃないかな。

──今の時代、バンドを取り巻く環境について、どういう風に感じていますか?

江口:ぼくは、現状を見ると、バンドと違ってタレントがCDを売るっていうのが理にかなっている感じがします。韓流やアイドルのCDが売れる、というのは今すごくわかる気がしてて、あこがれやすい対象だから。それと「バンドをやる」っていうのは違う感じがしてます。バンドを取り巻く環境は、昔ながらの人もいるし、取り巻きも多かったりすると、バンドが飯食えなかったりしますよね。バンドが同じ土俵に上げて語られて、しょぼい、みたいに思われるのは心外なんですよね。僕はバンドであってもあこがれられるような対象になりうる、というのを残していきたい、子供たちの世代にも伝えたいと思ってるんですよ。だから、仕事として音楽に携わりながらも、このメンバーでバンドをやることによって、それを見せられるんじゃないかなって思ってるんです。

──音源を作ってこなかったこともユニークにとらえられがちですが、CDを作ることになった時に、それがクラウドファンディングで作成される、というのもユニークです。これについてはどう思いますか

江口:そもそもCDを作っていると思ってないかもしれないです。ボーカル内村が、J-WAVE TOKYO REAL-EYESに以前お世話になってて、このバンドになっても「なんか一緒にやろうよ」って言ってくれたのが形になっただけで、「CDつくろう」っていう感覚じゃないんですよね。

──番組との関係性を表現したら、たまたま「CD」という形に結実しただけ、という。

江口:そうそう!その関係性以外の何物でもないんですよ。番組の方が、応援してくれること、そしてリスナーの方で聴きたい、と思ってくれること、そしてバンドとしてその声に応える事、全部を合わせてできた形がCDなだけなんです。まあ、形にこだわらないから、カセットでもUSBメモリでもいいんですけどね。僕らの気持ちや絆を表したかったという事です。あと、プロジェクトが発表になって、詳細を見て目標金額が155万円、って設定になっていて、見る人によっては「とりすぎだろ!」と思った人もいるんですよ。でも、エンジニアの人件費もスタジオ代も配送代金も全部入ってるんですよ。純粋に必要経費なんです。

──しっかりプロジェクトを成功させたいですね!

江口:成功させたいですね。あと、ちゃんとこのプロジェクトが、(番組ナビゲーターの)琢己さんとディレクターさんと、メンバーの内村との関係性から始まって、バンドとの関係性が発展していってこういうことになっているって、ちゃんと伝わるといいなと思います。




取材・文:J-WAVE TOKYO REAL-EYESナビゲーター藤田琢己

la la larks×TOKYO REAL-EYESCDレコーディングプロジェクト
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